【422号】すぱいすフォーカス – わが家の犬と長く元気に暮らしたい

家族の一員である愛犬と一日でも長く、一緒に暮らすにはどうすればいいのでしょうか。飼い主が知っておきたいポイントを、熊本市動物愛護センターで相談員を務める動物看護師の増子元美さんに聞きました。

愛犬には、ずっと健康でいてほしいですよね。動物看護師の増子元美さんは、そのために「おいしい、気持ちいい、うれしいという3つのことをいつも考えてあげてください」と話します。

おいしいは犬の体に良い食べ物を、よく食べること。気持ちいいはブラッシングなどによるコミュニケーション。そして、うれしいは散歩や遊びなど、愛犬を喜ばせることです。「当たり前のことですが、この3つをちょっと意識するだけで、愛犬の健康は心身共にずいぶん変わります」と増子さん。

また、愛犬について、何でも相談できる相手を見つけておくことも大切だそう。「犬の健康や問題行動の悩みなど、1人で抱え込んではいけません。飼い主同士のコミュニティーに参加するなど、相談相手を普段から探しておきましょう」とアドバイスします。

教えてくれたのは

動物看護師
増子 元美さん

「コンパニオンアニマルパーティー」代表。犬猫問題のサポートを行う「わんにゃんぴっ相談室」
TEL:090-8627-0601を開設。

日々のコミュニケーション

病気にならないためには、日頃から愛犬の体の様子を隅々まで知っておくことが大切です。ブラッシングやボディータッチ、散歩時などを通し、しっかりと犬の様子を観察しましょう。歩行、痛みなどの老化度や、やる気、へこみなどの精神面をチェックできます。優しい手や声でコミュニケーションを図りましょう。


食べ物について

犬の体調が悪くなるということは、食べ物が合ってなかったり、栄養のバランスが悪かったりということが考えられます。添加物や化学薬品などに注意し、栄養価の高いドッグフードを与えることで動物が本来持っている自然治癒力を上げることにもつながります。また、おやつも含め、1日にどのくらいのカロリーの食事を与えているか、何を食べているかなど、パッケージの表示を確かめて把握することが大切です。


病気について

人間と同じように、犬の病気も早期発見、早期検査、早期治療、再発予防が重要です。日頃から体温や便、尿などをチェックしておくようにしましょう。普段の状態を把握しておくことで、ささいな体の異常にすぐに気づき、何か症状が現れた時、獣医師に説明しやすくなります。また、体温や便の状態などを記録しておくことは飼い主の安心にもつながります。体温や心拍数は、そけい部(後ろ足の付け根)で測ることができます。体温は人間用の体温計を挟めばOKです。


適正体格について

本などに記された犬種による標準体重を意識し過ぎて、「わが家の犬は太り過ぎじゃないでしょうか」と心配する飼い主も多いとか。犬には個体差があり、同じ犬種でも、筋肉質な犬や体格が小さい犬もいます。大切なのは愛犬の健康的な体格を知っておくこと。一般に、犬の体を横から見たときの腹部がつりあがっていることや、上から見たときに肋(ろっ)骨の後ろにくびれがあるのが理想的。背骨がまっすぐな健康的な体を保つことが重要です。


愛犬のシニアライフを考えよう

個体差はありますが、だいたい10歳前後から老化に対するケアが必要になります。

食べ物をシニア食に変更

臓器の老化に合わせ、食べ物にも微調整が必要になります。時には食べ物を残したり、吐いてしまったりすることも。そんなときは消化しやすいシニア用のフードに変えたり、少量ずつ回数を分けて食べさせたりするなどの工夫をしましょう。

環境を整えてあげる

犬の老化に伴い、介助グッズをそろえるなど環境を整えてあげましょう。段差にはスロープを、床にはクッションマット(ヨガマットで代用可能)を敷いてあげると歩きやすくなります。また、食事は食器を台の上に置いて、頭の位置を高めにしてあげると食べやすくなります。

介護の相談で多い「夜鳴き」と「床ずれ」対策

犬の介護の相談で最も多いのが「夜鳴き」と「床ずれ」だそう。「夜鳴き」は気温や体の痛みなどの原因を取り除くことで、「床ずれ」は食事の改善や血行を良くしてあげたり、寝床を清潔にしたりすることで解消できる場合もあります。

飼い主の“いざという時”も考えて

犬は生涯飼育が大前提。しかし、飼い主の急な入院など、やむを得ず飼えなくなることもあります。そんなときにどうするか、普段から家族でしっかり話し合っておきましょう。