【431号】What’s the 熊本のパナマ運河!? 中無田閘門(こうもん)

南区川尻付近を流れる加勢川と緑川の間に、重厚で大きな木製の門扉があるのをご存じですか。中無田閘門といって、水位が違う2つの川の水量を門内で調整し、船の行き来を可能にしている設備なのです。基本的には、あのパナマ運河と同じ仕組み。一体どんなものなのか調べてみました。夏休みの自由研究にいいかもですよ!

パナマ運河

全長約80kmある太平洋とカリブ海を結ぶ世界最大級の運河。3カ所の閘門を利用し、上ったり下りたりして船を進めていきます。通過するのに24時間かかるとか!?


水位が違う「緑川」と「加勢川」をつなぐ船の“道”

「閘室内で川や海の水位を同じにして、船の往来を可能にする閘門は全国で約40カ所稼働していますが、異なる川をつないでいるのはここだけ。門扉が建設当時と同じ木製というのも珍しいんですよ」と、閘門を操作する井村さん。地元では“ミニパナマ運河”と呼ばれ親しまれているそうです。

中無田閘門は、加勢川下流に堰(せき)が造られ、有明海から川尻の港へさかのぼれなくなったため、緑川を使って船の往来を可能にしようと1942年に建造されました。「当時、天草から木炭や薪などが川尻に運ばれていました。また、川漁をする地元の船のためにも必要だったのです。天草五橋ができるまでは船が交通の要。多くの船が頻繁に往来したものです」。現在は、川漁の船が週に数隻利用するほか、環境学習などの場として活用されています。「活躍していた歴史を持つ閘門に、興味を持ってもらえるとうれしいですね」と井村さん。

中無田閘門。水位差を調整して、船が通過していきます

中無田閘門操作人 井村 紘さん

操作人の5代目(2005年から作業を担う)。閘門付近でのカヌーや投げ網漁の体験会などを企画運営する「加勢川開発研究会」の会長も務める

井村 紘さん


なるほど!わかった! 中無田閘門"水のエレベーター"の仕組み

[加勢川から緑川へ進む場合]

ジャンプできない船が、水位差がある川をどうやって進むの?
その仕組みを図解してみました。


(1)

閘室内の水位と加勢川の水位を合わせるため、加勢川側の門扉の水中にある小窓を開け、閘室内の水量を調整します。門扉は、水位が高い加勢川に向かって合掌造りになっています

閘室内の水位と加勢川の水位を合わせるため、加勢川側の門扉の水中にある小窓を開け、閘室内の水量を調整します。門扉は、水位が高い加勢川に向かって合掌造りになっています


(2)

水位が同じになったら門扉に水圧がかからなくなり門扉が開閉可能に。加勢川側の門扉を開け、船を入れます

水位が同じになったら門扉に水圧がかからなくなり門扉が開閉可能に。加勢川側の門扉を開け、船を入れます

門扉の開閉装置は、完成当時は手動式でしたが今は電動モーター


(3)

船が入ったら加勢川側の門扉を閉めます。緑川側の門扉の水中にある小窓を開け、閘室内の水量を調整して水位を緑川に合わせます

船が入ったら加勢川側の門扉を閉めます。緑川側の門扉の水中にある小窓を開け、閘室内の水量を調整して水位を緑川に合わせます


(4)

水位が同じになったら、緑川側の門扉を開けて、船を緑川へ進めます

水位が同じになったら、緑川側の門扉を開けて、船を緑川へ進めます

閘室内の水位を下げるため、緑川へ水を放出!

(1)→(4)まで所要時間は約20分。通行料はかかりません

(1)→(4)まで所要時間は約20分。通行料はかかりません


[緑川から加勢川へ進む場合]

緑川側から入る場合は、逆に閘室の水位を上げて加勢川に出ます

すごい勢いで水が入ってくるのでロープにつかまってしのぎます。

すごい勢いで水が入ってくるのでロープにつかまってしのぎます。


中無田閘門を船が通る様子


夏休み恒例の子ども向けイベントが開かれます

【来て 見て 遊ばんネ】

〈日時〉8月16日(木)10時〜15時
〈会場〉中無田閘門プレイパーク会場
〈内容〉カヌー、手こぎボート、釣り、ペットボトルロケット、草スキー、魚や動物との触れ合い、投げ網体験など。 無料、直接会場へ。
問い合わせは井村さんまで