【441号】ワーキングウーマン VOL.36 これから”女子”の新しい働き方 テレワーク編

さまざまな働き方で自己実現している女性を紹介してきた「これから女子の新しい働き方」。最終回は、国が進める働き方改革の施策の一つ「テレワーク」を9年前から導入している、経営コンサルタント・経理のアウトソーシング会社「せいじつ会計」(熊本市東区)を取材しました。

テレワークでライフスタイルに合った働き方

「せっかくキャリアを積んでも、結婚や出産を理由に『通勤に時間がかかる』『子どもたちが小さいうちは子どもとの時間を大切にしたい』と退職してしまう女性社員が多く、もどかしさを感じていた」と語る代表取締役の鏡照美さん。優秀な人材を継続雇用し、さらに企業の戦力として生かすには、労働者の退職理由を解決するしかない―。同社の企業戦略の一つとして導入したのが、テレワークだったそうです。

自分のライフスタイルに合わせ、月の勤務日数、1日の勤務時間を自分で決め、その中でどれだけ生産性の高い仕事ができるかで時給や手当が決まるのだそうです。

テレワークを導入するに当たって、評価基準を明確に示したり、仕事の報告や課題解決をメールでのやりとりで即座に対応したりするなど、同社なりの方法を試行錯誤してきました。

現在4人のテレワーカーが自宅を拠点として仕事をしています。テレワークとクライアント先での作業を組み合わせているケースや、1日2時間だけの自宅作業で出産後も雇用継続しているケースなど、女性のさまざまな働き方を実現しています。

テレワークとは…

情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない働き方。「テレ(tele)」は英語で離れたという意味があり、オフィスから離れた場所で行う仕事全般を指します。


せいじつ会計のテレワーク導入のPOINT

評価基準の明確化

一日の作業内容と作業時間から、効率良く、質の高い仕事ができているかなど労働生産性を見て時給を決定。仕事の上達度、貢献度も手当の対象に。

作業完了報告と併せ課題解決を徹底

月ごとの作業完了後、報告書を提出。その際に、作業に対する自己評価を行い、課題があれば、解決方法をまず労働者自身が考え提案。経営側のフィードバックも迅速に行う。

働き方は自分で申告

勤務時間、日数、スタイルは自分で決めるため、社員同士の不公平感が生まれない。結婚や出産による変更も申告により可能なため、ライフスタイルに合わせ、働き方を選べる。

テレワーク手当の導入

今年4月から、テレワークの日数に応じ、光熱・水道費に当たるテレワーク手当を1日65円支給。業務で使用するプリンターやインク代、携帯電話などは支給される。


その他さまざまな業種でテレワークが導入されています。

<県内での一例>

編集・企画プロダクション「ミューズプランニング」で、デザイナーとして勤務する永富加奈子さんは2年前、結婚を機に天草市へ移住。現在も、短時間勤務のテレワーカーとして仕事を続けています。事務所に届いたFAXやスキャンデータなども、クラウド上で事務所にいる時と同じように確認できます。

仕事をとるか、結婚をとるかで悩んでいた時に上司からテレワークの提案があり、うれしく思いました。女性が結婚や出産によって仕事を失わない日本になるといいなと思います。(永富さん)

朝の始業連絡、編集会議などは、インターネットを使います。月1回の出勤日は、仲間とのコミュニケーションの場に!

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テレワークはこれからの新たな企業戦略になる働き方です!

テレワークは誰でもできるというものではありません。それぞれの仕事のスキルはもちろん、高い自己管理能力が求められる働き方です。指示がないと仕事ができないという人には、不向きなワークスタイルといえるでしょう。逆に、生産性高く仕事ができる人にとっては、出社という移動コストと時間の無駄を省けるほか、継続して働ける、育児や介護との両立がしやすいなどのメリットがあります。テレワークという働き方を進めるには、企業側も、どういう人材が必要なのか企業戦略を明確にし、それを実行できる人を雇用することが大切だと思います。

せいじつ会計 代表取締役 鏡 照美さん

せいじつ会計 代表取締役 鏡 照美さん