【469号】ワーキングウーマン VOL.40 女性のアイデアを社会に役立つ事業へ

女性の働き方の選択肢が増え、活躍の場が広がっています。ソーシャルビジネスを行う「女性社会起業家」も増えているそうです。3月、熊本市で初めて開催された「地方創生ビジネスコンテスト みんなの夢AWARD」熊本大会では、県内在住の女性起業家たちが、“熊本を今よりもっと元気にする”アイデアを発表しました。

「みんなの夢AWARD」熊本大会開催

「ソーシャルビジネス」とは、貧困、差別、環境、まちづくりなどの社会的課題の解決に、ビジネスとして取り組む事業のことです。

「みんなの夢AWARD」を全国的に展開する「公益財団法人みんなの夢をかなえる会」専務理事・中川直洋さんは「女性は男性に比べ、職場で不平等を感じたり、子育てや介護で社会的課題に直面したりする場面が多い。それを解決するため、自らビジネスを立ち上げる女性が増えています」と話します。また、そうしたソーシャルビジネスが地場企業と結び付き、地方創生につながる例も多いのだそう。

「みんなの夢AWARD in 熊本」では、県内の女性6人が事業プランを発表し、その夢を応援する企業とのマッチングを行いました。地場企業の応援を受け、彼女たちの夢が事業となり社会問題を解決する糸口に、さらには熊本を元気にする起爆剤になるかもしれません。

「みんなの夢AWARD」とは?

ソーシャルビジネスのアイデア(=夢)を持った起業家たちが、サポート企業の前でプレゼンテーションを行う日本最大規模の祭典。グランプリ受賞者には、夢支度金や経営支援などが提供されます。

熊本大会の6人のプレゼンターは、事前に社会起業支援の専門家による指導を受け、ビジネスプランを磨き上げて登壇。プレゼン後、サポート企業や審査員、観覧者からの投票でグランプリを決定しました。

熊本大会の主催:みんなの夢AWARD in 熊本プロジェクト(ミューズプランニング、熊本日日新聞社)、公益財団法人みんなの夢をかなえる会

「プレゼンターの夢を応援したい」というサポート企業が、社名が書かれたプラカードを提示

「プレゼンターの夢を応援したい」というサポート企業が、社名が書かれたプラカードを提示

審査委員長 株式会社レイメイ藤井 代表取締役社長
藤井章生さん

このコンテストが、プレゼンターの皆さんと各企業とのご縁をつなぎ、具体的なビジネスモデルを構築する起点になったと思います。


グランプリ

球磨焼酎かすを有効活用して、地元・人吉と熊本の力になりたい

出身地である人吉球磨の特産・球磨焼酎を作る時に出る焼酎かすの処理に莫大な費用がかかることを知り、「焼酎かすを地元の宝にしたい」と有効活用する研究を開始。農作物の成長を促したり、畜産場の臭いを抑えたりする効果のある光合成細菌に着目し、焼酎かすが光合成細菌の培養液になることを発見しました。

2016年に光合成細菌培養キット「くまレッド」を開発し、18年4月、崇城大学の出資を受けて「株式会社Ciamo」を設立。現在は、水産業への事業拡大を目指し、クルマエビの養殖実験を行っています。今後、「くまレッド」の販路を全国、世界へと広げ、「5年後に1億円の売り上げ」を目標に掲げています。

今後も、実際に生産者を訪ね、現状を聞きながら、さらに研究や会社運営に励み、熊本を盛り上げていきたいです。

株式会社Ciamo(シアモ) 代表取締役 崇城大学大学院工学研究科 応用生命科学専攻2年 古賀 碧さん(25)

株式会社Ciamo(シアモ) 代表取締役
崇城大学大学院工学研究科
応用生命科学専攻2年
古賀 碧さん(25)


古賀さんの起業までの流れ

大学の起業部に入部

人吉・球磨地域の活性化を目指し、球磨焼酎を使ったリキュールの開発、製造・販売を手掛ける

球磨焼酎の課題に直面

焼酎かすを有効活用して処理コストを下げる方法を大学で研究

研究中の様子

研究中の様子

「くまレッド」開発

焼酎かすが、光合成細菌の増殖に役立つことを発見し、培養キット「くまレッド」を開発

生産者を訪ねて現状調査

生産者を訪ねて現状調査

「株式会社Ciamo」設立

「くまレッド」を商業化するため、大学発ベンチャー企業を設立。「くまレッド」の販路拡大に奮闘中

くまレッド

くまレッド


女性社会 起業家プレゼンター

「みんなの夢AWARD in 熊本」で登壇した6人のプレゼンターと、それぞれの事業内容を紹介します。

準グランプリ
坂東喜子さん(36)

資源作物エリアンサスを使って、元受刑者に兼業農家として働く場を提供。元受刑者の再犯を防ぐ社会づくりを目指す


荒木直美さん(50)

“OSKI(おせっかい)”で独身者同士の出会いの場をつくり、地方の婚姻率を上げる「婚”喝”プロジェクト」


高崎ひろみさん(40)

イルカの聖地・天草の魅力を世界に発信。野生のイルカたちと持続可能な海を実現するための事業


縄田麻莉さん(53)

宮本武蔵の「五輪書」ゆかりの地・熊本から、オリンピックに向けて、ベーグルを製造・販売して熊本を元気にする


原田文子さん(38)

障がいがあっても自分の能力を発揮し、自分らしく働き暮らせる街をつくる「くまもと5000プロジェクト」