【470号】すぱいすフォーカス – 家庭で ビジネスで コレが伝わる話し方
家庭でも仕事でも、自分は一生懸命に話しているつもりなのに、なぜか相手にはイマイチ思いが伝わっていないときってありませんか? それはひょっとして、「話し方」や「話の組み立て方」が間違っているからかも。ほんの少し、使う言葉や話す順番を変えるだけで、相手にすんなり“伝わる”。そんな話し方を、専門家がアドバイス!
家庭編
夫婦も親子も、毎日顔を合わせているはずなのに、なぜ伝わらないの!? そんなモヤモヤ、イライラの原因って?
CASE(1)
"親子"だからこそ 難しい言葉選び
「忘れ物が多い」「片付けが苦手」。そんなわが子を叱るとき、「直してほしい」という気持ちが強過ぎて、つい強い言葉を使ってしまう。
Bad Ward
「どうして、あなたは何回言っても分からないの!」
「あなたは、何をやらせてもできない子ね!」
etc
Good Ward
お母さんは、〇〇ちゃんの机がきれいに片付いてるのを見るのがうれしいな
サトコ先生のワンポイント
「I」メッセージで優しく伝える!
主語が「You」になると頭ごなしな言い方になりがちで、相手の能力や価値観まで否定してしまうことに。主語を「I」に変えるだけで、押し付けや強要の印象が薄まりますよ!
CASE(2)
親しき"夫婦"にも礼儀あり!?
「家事を手伝わない」「子育てを任せっきり」。そんな夫に小言の一つも言ってやろうと思ったら、ついつい昔のことまでアレコレ言い過ぎて、逆に夫を怒らせてしまった…。
Bad Ward
「どうして家事も子育ても、私ばかりがやらないといけないのよ!」
「だいたい、あなたは昔から私が頼まないと何もしてくれなかったわよね!」
etc
Good Ward
あなたも忙しいと思うけど、1日15分だけでいいから家事を手伝ってもらえないかな?
サトコ先生のワンポイント
「クッション言葉」を入れて提案型に!
ただの「ダメ出し」になってはケンカになるばかり。まず、「クッション言葉」(よければ、大変だと思うけど、申し訳ないけど等)で相手を尊重していることを伝えましょう。さらに、何か具体的な改善策(自分がしてほしいこと)を疑問形で提示すると、一層伝わります。
ビジネスシーン編
「一生懸命頑張ってる!」つもりなのに、なぜか職場でのコミュニケーションやプレゼンがうまくいかない…。
CASE(3)
"報連相"のつもりが逆効果に…
会社で上司に報連相(報告・連絡・相談)を行うとき、いつも「で、その話の結論は?」「結局、お前は何が言いたいの?」と言われる。
Bad Ward
「まず、事の発端から説明しますと、そもそも3年前に…」
「先日、いつもお世話になっているA社の〇〇部長からお電話がありまして…」
etc
Good Ward
部長、A社との値段交渉で進展があったので、ご報告とご相談があります
サトコ先生のワンポイント
自分の中で整理して、要件・結論から!
報連相では、「きちんと伝えなければ」と思うあまり、情報がtoo much(多過ぎ)になることがよくあります。相手に話す前に、まず自分の頭の中で整理して要件や結論から話し始めましょう。SNSなどで使う「#(ハッシュタグ)」をイメージして、キーワードを整理するといいですよ。
CASE(4)
プレゼンは"相手が知りたいこと"を伝える場
何カ月も準備した重要なプレゼン。でも結果は…。あんなに話し方を練習して、言いたいことも全部伝えたはずなのに。
Bad Ward
「当社の商品は、他社と比べてもかなり割安になっていて…」
「若者の間でも、これから相当流行(はや)ると言われているみたいなので…」
etc
Good Ward
当社の商品は、A社、B社と比較して約15%価格が安く…
昨年、〇〇が10〜20代の若者を対象に行ったアンケートでも…
サトコ先生のワンポイント
“ボヤっと”プレゼンは伝わらない!
プレゼンで大事なのは、具体性と明確な根拠。耳にやさしい言葉で、どんなに流暢(りゅうちょう)に話しても、あいまいで客観性に欠ける話は心に残りません。どうしても「伝えたい」という思いばかりが先行しがちですが、聞く相手の立場に立ち分かりやすく簡潔に話すことで、より伝わりやすくなります。
相手の気持ち、立場に立って"分かる言葉"で伝えることが大事!
アドバイスしてくれた人
人材育成コンサルタント
田木 暁子(たき さとこ)さん
相手に伝えるときは、どんなに難しい話でも「10歳の子どもが聞いて分かる」内容にかみ砕くと伝わりやすくなります。また、「話し上手」な人は「聞き上手」でもあります。まず、相手の話をよく聞き、情報を集めること。そこで相手の求めているものや困り事が分かれば、「何を話せば伝わるか」も、自然と見えてきますよ。
企業向けにコミュニケーション、リーダー育成、接遇マナーなどを指導。キャリアコンサルタント(国家資格)など資格も多数取得。
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