新発見 恐竜時代の支配者 進化するモンタナの恐竜たち 見どころガイド
7月15日から御船町恐竜博物館で開催中の特別展「新発見 恐竜時代の支配者~進化するモンタナの恐竜たち~」。夏休みを迎え、同館は連日、多くの親子連れなどでにぎわっています。米国モンタナ州のロッキー博物館のコレクションから、近年発見された貴重な恐竜化石約60点が展示されている同展。その見どころをたっぷり紹介します!
平成29年度 御船町恐竜博物館 特別展
モンタナ州立大学付属ロッキー博物館・御船町恐竜博物館姉妹館提携5周年記念
熊本県・米国モンタナ州姉妹提携35周年記念
最新の研究から分かった恐竜たちの繁栄と進化をその目で!
世界初公開、日本初公開など、"ここでしか見られない"化石が!
ロッキー博物館があるモンタナ州は、世界的な恐竜化石の〝産地〟として有名で、これまで数多くの貴重な発見がされてきました。今回展示される化石の中には、世界初公開となるケラシノプスの全身骨格(レプリカ)をはじめ、プロブラキロフォサウルス、モンタノケラトプス、アクリスタヴス、エイニオサウルスといった日本初公開の化石(いずれもレプリカ)も多数含まれています。
このような素晴らしい展示が実現したのは、熊本県とモンタナ州や、ロッキー博物館と当館の姉妹提携で、これまでさまざまな交流を通じて信頼関係を深めてきたからです。
まだまだ分からないことも多い恐竜ですが、かつて陸上の生態系の〝主役〟だった彼らの生態や成長の過程を知ることは、現在、地球上で生きる私たちにとっても大きな意味を持ちます。子どもから大人まで楽しく学べる特別展「新発見 恐竜時代の支配者」。夏休みに、ぜひ親子でお越しください。
御船町恐竜博物館 主任学芸員、博士(理学) 池上直樹さん
ジュラ紀〜白亜紀前期の恐竜たち
ジュラ紀モリソン層から発見された巨大な竜脚類やアロサウルスなどを紹介。さらに、デイノニクスやテノントサウルスなど、北米に特有な白亜紀前期の恐竜の実物化石も展示されます。また、モンタナ州で発掘された恐竜化石を御船町恐竜博物館でクリーニングした化石も紹介されます。
アロサウルス
デイノニクス
池上先生 Check!
今回の注目の一つは、モンタナの恐竜化石を熊本へ運び、岩の塊から化石を取り出す「プレパレーションプロジェクト」です。取り出した化石の展示だけでなく、その過程を映像などで紹介します
クリーニング作業の様子
ツーメディスン層の時代 多様化する恐竜たち
今から約7500万年前の白亜紀後期後半、気候の温暖化が進んだことや大陸の分裂などで恐竜たちは多様化し、さまざまな姿に進化していきました。トリケラトプスの祖先とされるケラシノプスの復元骨格が世界初公開されるほか、卵の化石から分かる恐竜たちの生態や行動なども紹介されます。
アケロウサウルス
ケラシノプス
サウロルニトレステス
池上先生 Check!
モンタナ州は、北米で初めて恐竜の卵が発見された場所です。また、恐竜の中で初めて子育てをしていることが分かったマイアサウラの化石が見つかったのもモンタナ州です。
ヘルクリーク層の時代・繁栄を極め進化を続ける恐竜たち
約7200万年~6600万年前にかけての白亜紀最後期は、おなじみのティラノサウルスレックスやトリケラトプスなどの恐竜が繁栄した時代です。その後に起こった急激な気候変動や隕石の落下などで終わりを告げることになる恐竜時代の、最後の数百万年間を彼らがどのように生き抜いたのかが紹介されます。
トリケラトプス
ティラノサウルス
池上先生 Check!
子どもたちに人気の恐竜トリケラトプスも、発見された地層(時代)によって鼻の上の角の形状がわずかに異なり、時代とともに一つの種が少しずつ進化していることが分かります。
意外と知らない!? 恐竜 豆知識
新しい化石の発見や研究の進歩に伴って、少しずつその姿や暮らしぶりが明らかになっていく恐竜たち。まだまだ私たちの知らない意外な一面が、こんなにあるんです!
恐竜のオスとメスの見分け方は?
恐竜にもオスとメスがいましたが、骨の形で見分けることは簡単ではありません。近年、骨化石を切って内部を検査する研究が盛んになり、メスが卵を持っている時にしか作られない特殊な組織(骨髄骨)が見つかればメスと判断できるようになりました。
恐竜も子育てをしていた!?
モンタナ州のショトーという町の近くで、マイアサウラの卵と赤ちゃんの化石が発見されました。また、マイアサウラの巣の化石の周囲から大人の骨の化石も見つかったため、恐竜が子育てをしていたと考えられるようになりました。
恐竜の分類が変わるかもしれない!?
これまで恐竜は、トカゲ型の骨盤を持つ竜盤類(獣脚類と竜脚類)と、鳥型の骨盤を持つ鳥盤類〈角竜類、剣竜、鎧(よろい)竜、カモノハシ竜など〉に区分されていました。しかし、今年3月に発表された論文によると、ティラノサウルスなどが属する「獣脚類」は竜脚類と同じ仲間に属さず、むしろ鳥盤類に近いという解析結果が ! 今後の研究の進展に注目です。
恐竜には羽毛が生えていた!?
最近の図鑑などの復元図を見て、体に毛の生えたティラノサウルスの絵に驚いた人も多いでしょう。他の多くの恐竜も、鱗(うろこ)だけでなく羽毛に覆われていたと考えられるようになってきました。一方、先月モンタナ州で発掘されたティラノの化石は、尾の部分に鱗(うろこ)の痕(あと)が残っていたので、全身を羽毛が覆っていたわけではないかもしれません。
音声ガイドで恐竜のことをもっと深く知ろう!
今回の特別展では、展示されている化石の説明や、その恐竜が生きていた時代の詳しい解説が聞ける音声ガイドも用意されています。さらに深く恐竜たちのことを知るために、ぜひ利用してみては。音声ガイド貸し出し料600円。
特別展示以外にもお楽しみがいっぱい!
特別展「新発見 恐竜時代の支配者~進化するモンタナの恐竜たち~」は、化石などの展示以外にもさまざまなお楽しみが…。恐竜の知識を深めるため、そして観覧の思い出を残すためのメニューを紹介します。
特別展 ギャラリートーク
開催日/7月31日(月)、8月7日(月)、9月11日(月)、10月2日(月)、11月20日(月)
講師/御船町恐竜博物館 主任学芸員 池上直樹さん
定員/各回先着50名(事前申し込み不要)
参加費/無料(別途、特別展の入場料が必要)
ギャラリートークでは、紙面にも登場していただいた学芸員の池上先生が、展示の見どころや恐竜に関するさまざまな話題などを、クイズも交えながら楽しく紹介してくれます。参加希望者は、特別展のチケットを購入の上、受付カウンターで参加整理券をもらってください。
オリジナルデザインTシャツ&トートバッグ好評発売中!
特別展「新発見 恐竜時代の支配者~進化するモンタナの恐竜たち~」の開催を記念して、オリジナルデザインTシャツやトートバッグが販売されています。観覧の記念に購入するのもいいかも。Tシャツ1500円(S・M・L)、トートバッグ1800円。
記念撮影フォトブースを設置
大好きなあの恐竜と夢の2ショット!?会場入り口付近には、記念撮影用のフォトブースも設置されています。その場でポストカードサイズに写真がプリントされるだけでなく、印字されたQRコードを読み込むと、画像データがダウンロードできて、SNSへの投稿などにも便利!撮影は1回600円。
期間:〜11月26日(日) 休館日/9月4日(月)、10月16日(月)
開催時間:9:00〜17:00(入場は16:30まで)
料金(特別展観覧料金)
・一般…1,200円(1,100円)
・大学・高校生…600円(500円)
・小・中学生…300円(200円)
※小学生未満無料(ただし保護者同伴)
※( )内は20人以上の団体料金
※特別展観覧券にて常設展も観覧できます
迫力満点の展示とオープンラボは必見!
常設展示室は「導入・太古の世界の探究」「白亜紀の御船」「脊椎動物の進化」「恐竜たちの世界」という4つのゾーンで構成されています。1階中央には、ティラノサウルスやトリケラトプスなど、さまざまな恐竜の全身骨格がダイナミックに展示されていて迫力満点!また、化石クリーニング作業などを行っているバックヤードが「オープンラボ」として公開されているのも見逃せません!
入り口では、ティラノサウルスのモニュメントが“お出迎え”。駐車場は隣接する御船町役場などを利用可能
照明で浮かび上がる恐竜たちは、今にも動き出しそうな迫力!
【主催】御船町恐竜博物館、モンタナ州立大学付属ロッキー博物館、株式会社テレビ熊本、熊本日日新聞社、熊本県、モンタナ州政府駐日代表事務所
【企画・制作・監修】モンタナ州立大学付属ロッキー博物館
【特別協賛】アイ‐ウッド株式会社、一般社団法人熊本県解体工事業協会
【後援】在福岡米国領事館、熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、熊本県国際協会、熊本日米協会、熊本モンタナ姉妹交流協会、熊本モンタナ自然科学博物館協会
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