実際に、叔母のジャケットのお直しをお願いしてきました!
巻頭特集「今こそ、古着を楽しむ」を担当したライター・千です。
古着のリメークについてお話を聞いた、洋服のお直し、オーダーメードのお店「コアトリエ」さん。昔から「体型の変化に合わせて、洋服を直しながら着続ける」ことが習慣として身についている年配の方はもちろん、男性からのお直しの依頼も意外に多いそう。
そして、古着の価値が見直されつつある今、親や祖父母から引き継いだり、古着屋さんやリサイクルショップで手に入れた、仕立てのよい古着のリメークを持ち込んだりされる若いお客さんが増えているそうです。今、「昭和レトロ」「平成レトロ」がトレンドになっているようなので、ファッションでもその影響もあるようです!(昭和50年代生まれとしては、「平成レトロ」という表現にちょっとショックを受けますが…)
▲中央区大江にある「コアトリエ」さん。1階には雑貨店「ミドリネコ舎」があります
というわけで、「そういえば、私も直してほしい服がある!」と取り出したのが、数年前に叔母から譲ってもらった一着のジャケットです。オシャレで服持ちな叔母は私より身長が高いのに、不思議と(笑)横幅の体格は合うため、よく若い頃に着ていたという服をもらっていました。
その中でもお気に入りの一着、おそらく、40年もの。ぎっしりしたウールでしっかり作られています。仕事で着たいな、と思っていたものの、この年代らしい立派な肩パットとキュッとくびれたウエストラインがネックで、なかなか着られずにいたのです。
▲トルソー着用だと分かりにくいですが、肩パットの存在感が大きいのです。ボタンも取れてしまっています
「大丈夫ですよ! 仕事で着やすいように、少し形を調整しましょう!」と言ってくれたのが、縫製士の大山さん。
▲「コアトリエ」代表・縫製士の大山さん。頼もしい限り
早速、肩パットを外してくれます。慣れた手つきでササッと内布をほどき、型パットを取り出していきます。こんな風に外せるんだ…(手芸オンチ)。
▲年季の入った肩パット
次は、取れてしまったボタン選び。分厚いカタログを出してくれて、穴のサイズに合うものから好きなボタンを選んでいきます。同じ色でも、マットな質感、ツヤツヤの質感、など選択肢が豊富で、ページをめくるたびに目移りしてしまいます。
▲眺めるだけでも楽しい、ボタンのカタログ
「せっかくだから、袖のボタンも替えましょう!」とのご提案に心躍り、さらにカタログをめくります。楽しい!
▲フロントのボタンと色を合わせることに決めました。ボタン1つ決めるたびに、愛着が湧いていきます!
そしていよいよ、形の調整です。サイズなどを測り、まち針で仮留めしてもらいます。肩パットが外れた分、肩幅を少し狭め、ウエストのくびれが少なくなるように裾の幅も狭めてもらうことに。
▲着用した状態で、肩を詰めていきます
サイズを測り終えたところで、コアトリエさんにジャケットを預けます。完成が楽しみです!
ちなみにこのジャケット、実はチューリップラインのスカートとのセットだったのですが、ウエストがあまりにも入らないことに絶望してスカートだけ処分してしまっていました。ウエストを広げたりラインを変えたりすることも可能だそうで、もったいなかった…。
▲向かって右側だけ仮留めをしてもらっている状態です。肩幅がせまく、裾も締めてもらっています。写真だと少し分かりにくいですが…。
そして、約2週間後、受け取りです!
すごくしっかりした縫製で、キレイにリデザインされていました!
▲いかり気味だった肩のラインがすっきり!
▲フロントのボタンは、アンティーク加工の色合いがあるものをチョイス
▲元は真っ黒のものがついていた袖のボタンも、フロントと色合いを合わせました
身頃のシルエットも、くびれ感が自然に抑えられて着やすいデザインに。裾を狭めたので、太らないようにしなければ…!(汗)
肩パットを外した跡も、こんなにキレイに!
少しの加工でこんなにも今のファッションになじむスタイルになるなんて、感激です。何より、ボタンを選んだり、体型に合わせたりする中で、「自分だけの服になっていく感」が高まり、とても愛着が湧いてきました。
今回は少し地味目なお直しでしたが、もっと大幅なリメークやオーダーメードも受注可能だそうです。古着を直して大切に引き継いだり、不要品として処分される服をアップサイクルして生まれ変わらせたり…。今の時代らしいファッションの楽しみ方、オススメです!
▲普段の仕事で着ても浮かないシルエットになりました!
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