長い人生にはいろんなイベントが待ち受けています。そこには必ずと言っていいほど“お金”が関わってきます。
そこで、本紙「ななみ先生の家計相談Q&A」でおなじみのファイナンシャルコーチ・佐藤ななみさんに、住まいと暮らしにまつわるお金の情報について聞きました。
今後の人生設計にぜひ役立ててください。

ファイナンシャルコーチ 佐藤ななみさん

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。

家計設計の基となるのがライフプラン

「これさえ守れば絶対に間違いない ! 」という家計管理の大原則をご存じでしょうか? それは…いつ、いかなるときも、収入の範囲内で生活するということ。どんな秘策が出るかと思いきや、当たり前すぎて拍子抜け? 「そりゃそうだけど…」って、ちょっとがっかりしました?そう、分かってはいるんです。でも、そうはいかないときもあるのが現実ですよね。

だから私たちは、収支が逆転したときに備えて貯蓄をし、時にローンを利用します。これらの意味があいまいなまま、やみくもに「貯蓄せねばならぬ」「借金は悪」と思い込んではいませんか? そんな思い込みから自らを解放し、安心で安定感のある家計設計を行うためにも、根本となるライフプランは欠かせないものなのです。


Q. 来年、末の子が小学校に上がるのを機に、パートに出たいと考えています。収入は扶養内に抑えないと手取りが減ると聞きますが、損はしたくありません。「103万円」「106万円」「130万円」の壁について教えてください。

扶養内で収入を増やしたい 年収の“壁”について教えて

A. 一口に“扶養”と言っても、「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」があります。
まず「103万円」は、税制上の要件を示すライン。給与年収103万円以下の人には所得税が課税されません。また、この人を扶養する配偶者は『配偶者控除』を受けることができ、相応分の所得税・住民税額が軽減されます。

では、これを超えるとどうなるか…。扶養者は『配偶者控除』が受けられない代わりに『配偶者特別控除』を受けられます。控除額は段階的に小さくなるものの、配偶者の年収141万円未満までは所得控除が残ります。また被扶養者本人は、所得の増加分に対して一定割合の税を納めます。この“壁”を超えて税負担が増えても、増収分を上回ることはありません。

「106万円」と「130万円」は、社会保険上の要件を示すラインです。これを超えると扶養から外れ、負担を免れていた厚生年金・健康保険の保険料(約15%)を自分で納めることになります。

「106万円」は、(1)週20時間以上労働、(2)1年以上継続雇用の見込み、(3)従業員501人以上の企業に勤務…の全てを満たす人(学生除く)に適用される年収ラインで、それ以外の人は「130万円」が適用されます。“壁”を超えるなら、保険料を負担しても手取り額が減らない年収(106万円の人は約125万円以上/130万円の人は約150円以上)を目指したいですね。

知っ得情報

家族手当にご注意!

職場によっては、配偶者の年収によって家族手当の支給基準を設け、その基準額を「103万円」としているケースも多く見受けられます。この場合、税制上は問題なくとも、手当が減額・停止されることで世帯の手取り額が減ってしまう可能性が考えられます。家族手当を受けている世帯は、その支給基準も必ず確認してください。


Q. 将来が漠然と不安です。とりあえず月10万円ずつ積み立てていますが、生活費が足りず毎月のように取り崩します。結局はいくらも貯まっておらず、積み立てる意味がない気がして…。確実に貯蓄できるコツってありますか?

将来に何となく不安が… 貯蓄できる家計にするには?

A. 「将来」「漠然と」「とりあえず」に、うまくいかなかった理由が表れているように感じます。貯蓄は「せねばならぬもの」と思い込んではいませんか? 大事ではありますが、それは何のため? 目的やタイミングは違えど、最終的には「使うため」ではないでしょうか。

外からの情報に惑わされている人ほど「収入の何%を貯蓄すべき?」「○歳までにいくら貯(た)めるべき?」といった質問とともに、不安を訴えられます。貯蓄の目的が「自身の大切なコト・モノのため」から「貯蓄するため」にすり替わってはいませんか。

家計を上手に管理して確実に貯蓄するためには、まずその目的を“自分自身の軸”に取り戻すことです。あなたが貯めたいお金は、いつ、何のために使いたい? それは今の生活を切り詰めても準備すべき? 明確になるほど貯蓄成功率はアップします。

最後に、日々の家計管理は“根拠ある予算”に基づいて。貯めたい金額を含めた優先度の高い支出から予算化し、残りで生活します。日常生活費は、費目別より「まとめて週○○円」と決めたほうがうまくいきやすいようですよ。