長い人生にはいろんなイベントが待ち受けています。そこには必ずと言っていいほど“お金”が関わってきます。
そこで、本紙「ななみ先生の家計相談Q&A」でおなじみのファイナンシャルコーチ・佐藤ななみさんに、住まいと暮らしにまつわるお金の情報について聞きました。
今後の人生設計にぜひ役立ててください。

ファイナンシャルコーチ 佐藤ななみさん

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。


Q. 老後資金の準備を考えるようになりました。財形年金貯蓄や個人年金保険なども検討しましたが、資産運用しながら節税もできるというiDeCo(イデコ)に興味津々です。詳しく教えてください。

老後の資金を準備したい 最近話題の「イデコ」って?

A. iDeCo(イデコ)とは、『個人型確定拠出年金』の愛称です。「将来の給付(受取)額が確定」している『確定給付年金』に対して、「月々の拠出(積立)額が確定」している年金で、運用の成果によって将来の給付額が増減するのが特徴です。

『確定拠出年金』には、制度採用企業の従業員のみ加入できる“企業型”と、それ以外の人が加入できる“個人型”があります。個人型は、今年1月の制度改正により、それまで除かれていた公務員や専業主婦も加入できるようになりました。

メリットは税制上の優遇。(1)積立金額は全額、所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減される、(2)運用期間中の利益には課税されない、(3)受け取り時は退職金や公的年金と同じ扱いで課税が軽減される…となっています。積立金の限度額は、加入している公的年金などにより月1万2000円~6万8000円と決められており、この範囲内であれば5000円以上から1000円単位で自由に設定できます。拠出額の変更は年に1回まで可能です。

注意したい点もいくつか。それは、60歳になるまで資金を引き出せないこと、運営管理手数料の負担が必要なことなどです。そして何より、これは投資であるということ。メリットもリスクも併せ、自己責任において学び選択していく姿勢が求められます。

制度に加入するには、証券会社、銀行、保険会社など金融機関を通じて申し込みます。口座を持てるのは1人当たり1口座で、選択できる金融商品や手数料、サポート態勢なども金融機関ごとに異なります。ご自身に合った金融機関を選んでくださいね。


Q. 日々のやりくりを頑張って、少しまとまった資金ができました。取りあえず定期預金に入れていたら、NISA(ニーサ)を勧められました。賢く殖やしたい気持ちはあるものの、リスクもあると聞き怖い気も…。難しいものでしょうか。

資産運用に勧められたNISA 興味はあるけど難しそう…

A. 最初にお伝えしたいのは「NISA(ニーサ)とは、金融商品の名前ではない」ということです。正式名称は『少額投資非課税制度』。一定額以下の投資に対して設けられている税制優遇制度の愛称です。

NISA口座を通じて上場株式や投資信託などへ新たに投資する場合、年間120万円までの資金については、そこから得られる配当金や譲渡益などにかかる所得税・復興特別所得税・住民税が5年間非課税(本則20・315%)になります。

この制度を利用するには、専用口座の開設が必要です。NISA口座を持つことができるのは、全ての金融機関を通じて1人につき1口座まで。2023年末までに行う投資を対象とする、期間限定の特例措置です。

NISAが真価を発揮するのは、投資した資金が利益を生んだとき。利益がなければ、そもそも課税されませんので。上で紹介したイデコもそうですが、税制優遇制度はただの“入れ物”にすぎません。重要かつ根本的な問題は、“中身”である運用をいかに行うか。そのためにも「勧められるまま」「意味が分からないまま」といった姿勢を続けるわけにはいきません。

一歩を踏み出したら、そこにとどまらず、学びを進めていきましょう。株式とは? 投資信託とは? 少しずつで大丈夫。金融は社会の仕組みとリンクしています。理解できると楽しいものですよ。

知っ得情報

NISAには「ジュニア」「積立」も

未成年者に対する非課税投資の枠組みが『ジュニアNISA』です。投資上限額は年間80万円。18歳になるまで引き出すことができません(引き出す場合は課税)。
2018年からは、年40万円まで月々一定額を積み立て、20年間非課税で運用できる『積立NISA』もスタート。『NISA』と『積立NISA』は、どちらか一方だけを選択できます。