【565号】香りで心を軽く 簡単アロマ生活入門
コロナ禍でストレスが高まる日々が続いています。そんなときは、アロマを暮らしに取り入れてみてはいかが。お悩みや気分に合った香りを選べば、疲れた心を優しく癒やしてくれるはず。気軽に始められる、簡単なアロマの取り入れ方をご紹介します。
自分に合った香りを探し、暮らしにさりげなく
心身健やかに過ごすために、自分に合うアロマを見つけて、日々の生活に取り入れましょう。
気軽に始められて長く続けるためのヒントをご紹介します。
「いい香り」と本能的に感じるアロマを選んで
アロマテラピーは、単に香りを楽しむだけではなく、香りによって心を落ち着かせる、体の調子を整えるなど、いろいろな用途に使えるのが魅力です。アロマに使われるエッセンシャルオイル(精油)は、日本では雑貨店などで手軽に買えますが、例えばフランスでは薬局で薬剤師が調合したものしか手に入れることができません。海外では心・体・肌への影響が認められている植物療法なのです。最近では日本の医療・介護分野でも注目されています。アロマを上手に暮らしに取り入れることで、ストレスのたまる日々も、より過ごしやすくなるはずです。
とはいえ、精油は種類があまりにも多く、何を選べばいいのか悩むと思います。下に示したように、改善したいお悩みに応じて選ぶのが近道。その上で、実際に嗅いでみて「本能的に良い香りと感じるか」が、アロマを選ぶ上で最も大切です。それが、あなたの体が一番求めている香りだからです。
効果を感じたいからといって一度に大量の精油を使うのは逆効果。「ほのかにふわっと香る」程度のアロマが、最も心身に効果を与えやすいといわれています。家や職場でさりげなくアロマを活用して、心身を整えましょう。
お話を聞いたのは
アロマライセンスカレッジ 学院長
首藤 美重子さん
(公社)日本アロマ環境協会(AEAJ)総合資格認定校として、アロマテラピーの資格取得を支援するスクールを運営。アロマ体験講座や各種講座、子どもたちへの「香育(こういく)」の取り組みも。
お悩み別のオススメアロマ
「どのアロマを選んだらよいか分からない」という人は、チャートで自分にぴったりのアロマをチェック。その上で、実際に精油の香りを嗅いでみて自分に合う香りを選びましょう。
A「集中力を上げたい」なら
ペパーミント
ミント特有のすがすがしくクールな香りが、気持ちをシャキッとさせてくれます。眠気予防や頭痛の緩和につながるとの研究も。0.5%以下に薄めて使うことで、汗による臭い対策にも利用できます。
その他にも…
グレープフルーツ、レモン、ローズマリー
B「気分転換したい」なら
ティートリー
オーストラリア原住民・アボリジニが古くから用いてきた、フトモモ科の樹木のアロマ。スーッとした、ナツメグやライムのような清涼感ある香りで気分スッキリ。水虫の原因菌や黒カビへの制菌作用があるとの研究報告もあります。
その他にも…
オレンジスイート、レモングラス、ベルガモット
C「ストレスや疲れから解放されたい」なら
サイプレス
地中海沿岸や中東などに生育するヒノキ科の樹木のアロマ。森をイメージさせる香りが特徴で、気持ちを楽にしてくれます。特に男性がリラックスできる香りとも。体のバリア機能アップも期待できる香りです。
その他にも…
ベルガモット、フランキンセンス、ユズ、シナモン
D「女性特有の体の不調が気になる」なら
ゼラニウム
観賞用としても愛される、多年草の植物のアロマ。ローズのような香りの中にグリーンを感じられます。女性ホルモンが増加したという報告もあり、更年期障害など女性特有の悩みの改善も期待できます。
その他にも…
ローズ、イランイラン、クラリセージ
E「気持ちを安定させたい」なら
ネロリ
ミカン科の花から抽出されるアロマ。かんきつ系の爽やかで、甘いフローラルな香りが特徴です。不安感の軽減のほか、意欲回復や、自信が持てないときに気持ちを持ち直す効果があるといわれています。
その他にも…
ヒノキ、シダーウッド、ユーカリ、サンダルウッド
F「安眠したい」なら
スイートマジョラム
地中海沿岸の多年草から抽出したアロマ。すっきりとした清涼感の中にかすかな甘さが感じられる香りです。睡眠の質の向上につながったという研究があるほか、古くから体を温める効果があるともいわれています。
その他にも…
ラベンダー、スイートオレンジ、ローズウッド、ローマンカモミール
精油の扱い方の注意
香りを試すときは、ふたで香る
精油の瓶から直接嗅ぐと、香りが強すぎて刺激になります。ふたを鼻元でくるくる回して、ほのかに香りを立たせましょう。
斜め45度で滴が落ちるのを待つ
精油は使い過ぎないのがコツ。早くたくさん出そうと、瓶をぶんぶん振るのはNG。瓶を目の高さで斜め45度に構え、ポトリと落ちる量が、本来の1滴です。
直接皮膚に付けない
精油の原液を肌に直接付けるのはNG。肌に使う場合は、精製水やオイルなどで薄めましょう。誤って原液が肌に付いたときは大量の水で洗い流してください。
開封1年以内に使い切る
古い精油の香りは、体に悪影響を与える恐れも。開封日を瓶に書いて1年以内に使い切りましょう(かんきつ系は半年以内に)。保管は冷暗所で。
アロマによっては禁忌事項も
妊婦や乳幼児、高齢者や既往症のある人、ペットへの使用を避けた方がよいアロマもあるので、購入時に確認を。
暮らし×アロマ
家にあるアイテムを使って、暮らしのシーン別に簡単なアロマの取り入れ方を紹介します。
リビング×アロマ
精油が入った瓶の中ぶたを外し、つまようじや竹串を3〜4本刺して、好きな場所に置きましょう。木串に染みた精油が優しく香りを放ちます。
寝室×アロマ
枕元でマグカップや器にお湯を張り、精油を1滴垂らすだけ。蒸気に乗って香りが優しく広がり、加湿効果も。軽く丸めたティッシュを置いて、精油を数滴垂らすだけでも◎。
マスク×アロマ
無水エタノール5mL、お好みの精油5滴をよく混ぜ合わせて、精製水25mLで希釈し、スプレーボトルに入れたら、マスクスプレーとして使えます。よく振ってマスクの外側に吹き掛ければ、いつでも好きな香りを楽しめます。エアフレッシュナーとしても使えますよ。ボトルに、作った日と香りを明記して2週間ほどで使い切りましょう。
靴箱×アロマ
ホームセンターなどで購入できる薫製用の桜チップを布袋や使わなくなった子どもの靴下などに入れ、精油を5滴ほど垂らし、靴箱に置くと◎。足の大きさ・形と同じくらいの袋や靴下で作れば、香り付きのシューキーパーにもなります。デオドラント効果が高いレモングラスやペパーミントがオススメ。
トイレ×アロマ
保冷剤の中のゲルは、消臭効果があります。ジャムなどの空き瓶に直接ゲルを入れ、そこに精油を5〜10滴垂らせば、自然に香る芳香剤が完成。お好みで、ゲルに水彩絵の具などを混ぜてもかわいい!
お風呂×アロマ
浴槽のお湯に直接原液を垂らすのはNG。原液が溶けずに直接肌に触れてしまいます。エタノール5mLと精油5滴程度をビーカーなどでしっかり混ぜてお湯に溶けるようにしてから、垂らしましょう。精油を塩に混ぜてバスソルトを作ったり、クエン酸と重曹でバスボムを作ったりするのもオススメ。
メードイン熊本のエッセンシャルオイルを発見!
青みかんアロマオイル「天水こいしずく」
(5mL)1650円
青ミカンの果皮を、純度が高まる水蒸気蒸留法で抽出した濃度の高い精油。日本人の嗅覚になじむ「和みかん」のキレのある香りです。抗ウイルスや血行促進などの働きがあるともいわれます。
購入
草枕温泉 花の館(玉名市天水町小天748)
webサイト「明るい農村天水」
天草ヒノキ(精油)エッセンシャルオイル
(5mL・ヒノキのディフューザー付き)4950円
天草ヒノキの枝葉を手で摘み取り、パワースポット「百貫様」の岩清水で6時間かけて蒸留した、100%天草産の精油。ヒノキの森の中にいるような爽やかな香りです。
購入
ミオ・カミーノ天草、﨑津ガイダンスセンター など
webサイト「木のかおり製造所」
小国の森のエッセンシャルオイル
(3mL・白箱入り)1650円
阿蘇のブランド樹「阿蘇小国杉」の枝葉から丁寧に抽出した精油。一般的な杉精油よりもかんきつ系を思わせる甘酸っぱい香りが特徴。リラックス効果や、抗菌効果などが期待されます。
購入
道の駅小国 ゆうステーション など
webサイト「阿蘇小国杉のくらし」
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