【570号】こうすればちゃんと伝わる!電話・オンラインでの話し方
SPICE ワーキングスタイル - 働く人を応援するページ
コロナ禍で、仕事の進め方にも変化が見られます。対面に代わって電話やオンラインでのコミュニケーションが増え、「伝えたつもりが、伝わっていなかった…」と戸惑っている人も多いのでは。そこで、伝え方のプロに非対面時のコミュニケーションのポイントを聞きました。今回から始まる「SPICE ワーキングスタイル」では、働く人に役立つ情報をお届けしていきます。
お話を聞いたのは
スピーチ&コミュニケーショントレーナー 熊日スピーチトレーニング講座 専任講師
上畠栄一さん
内容よりも、「表情や声色」が重要!?
ここ最近、ビジネスシーンで、今まで以上にオンライン会議や電話でコミュニケーションを取る場面が増え、時間が有効活用できるなど便利になった半面、伝わり方に不安を持つ人も多いようです。
対面時にも共通することですが、自分の言いたいことを相手に正確に伝えるには、コミュニケーションの大前提である「メラビアンの法則」(※)を頭に置いて話すことが大切です。
メラビアンの法則とは、話し手が聞き手に与える影響を「話の内容」「声の印象」「表情や態度」の観点からそれぞれを数値化したものです(下図参照)。この法則によると、実は「何を話しているか」よりも「どのように話しているか」の方が、はるかに相手の印象に残るということが分かります。
うまく伝えようとすると、つい「話の内容」を重視してしまいそうですが、声量や滑舌、表情、視線などもとても大切な要素です。目の前にいなくても人と会話しているということを忘れないでくださいね。
※1971年に、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学名誉教授だったアルバート・メラビアンによって発表された法則
電話は、話し方でほぼ印象が決まってしまいます。話す内容は正しいのにクレームがくる、なんていうことも…。
上畠先生直伝! 実践テクニック
メラビアンの法則を理解した上で、円滑なコミュニケーションを取るために、日頃からできる事前の対策と、すぐに役に立つテクニックを紹介します。
話す内容を組み立てる
(電話・オンライン会議)
「話の内容」が相手に与える影響は少ないですが、あらかじめ、話の組み立てを整理しておくことは大切です。「結論→理由→結論」の順番で話すと伝わりやすくなります。
アイスブレイクを取り入れる
(電話・オンライン会議)
本題に入る前に、オンライン会議であったら「こんにちは、緊張していますか?…私も緊張しています」などの、場を和ませるような言葉を取り入れると効果的です。
名前を呼ぶ
(電話・オンライン会議)
相手に話し掛けるときは名前を呼びましょう。自分の名前は心地よい響きを持つ言葉なので、耳を傾けてくれます。
ジェスチャーは控えめに
(オンライン会議)
自分が発言する時、ジェスチャーが大き過ぎると、手で顔が隠れてしまうことがあるので注意しましょう。
視線を変える
(オンライン会議)
基本的には画面全体を見ましょう。自分が発言する時はカメラを見ますが、ずっとカメラ目線だと相手に威圧感を与えてしまうので、カメラ周辺を行き来する“遊びの視線”も心掛けて。
表情を意識
(オンライン会議)
意識して口角を上げ、眉を大きく動かすなど、熱意を込めた表情で話しましょう。時々笑顔を見せると好印象です。
日々の積み重ねが大切!事前の対策
自分の声を聞く
本番前に話す内容を録音して聞いたり、会議の音声を録音して聞いたりして、自分の話し方が相手にどのように伝わっているのかを聞いてみましょう。
チェックポイント
- 滑舌
- 声量
- 速さ
- 抑揚
- 間
発声練習
滑舌が悪いと相手にストレスを与えることも。日々の発声練習が“命”です。1日1回、腹式呼吸を意識して「早口言葉を言う」などの発声練習を行うだけでも声の印象は変わるはずです。
おすすめ早口言葉
- ガス バス 爆発
- 抜きにくいクギ 引き抜きにくいクギ
- 農商務省特許局 東京特許 許可局局員(のうしょうむしょうとっきょきょく とうきょうとっきょ きょかきょくきょくいん)
最後は感謝の言葉で締めることを忘れずに。結局、人を動かすのは“熱意”です。
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