【580号】時にはテキトウを楽しもう!
1年以上続くコロナ禍。マスク着用や手指消毒の徹底をはじめとする“新しい生活様式”や、レジャーや娯楽などを我慢する日々に窮屈さやストレスを感じている人も多いと思います。感染対策をしっかりと行うことはもちろんとして、あなたなりの「テキトウ」を実践して、気持ちを緩めてみませんか。
出典/デジタル大辞泉(小学館)
募る不安、ストレス… 緩める時間も必要!
長引くコロナ禍で誰もが抱えるストレスの原因と気持ちの切り替え方を心理学的に解説!
さらに、読者から寄せられた“テキトウ時間”の過ごし方も紹介します。
「とらえ方」を変えることで解消を
コロナ禍では、「マスクをいつも着用しなければならない」「移動を制限しなければならない」など、さまざまな「ねばならない」が増えただけでなく、新聞やテレビなどの報道も感染拡大などを報じるネガティブなものが大半を占めています。その長期的な状況(環境)をストレスだと感じている人が多いと思います。
しかし、実際には現在置かれている環境ではなく、「自分は我慢しているのに周りは…」「感染拡大が止まらないのは政府のせいだ」など、他者に対する不満がストレスを引き起こしているのです。また、人には親和欲求といって、「人と会いたい」「誰かと一緒にいたい」という心理があります。移動制限やリモート授業・会議の普及で、その欲求が満たされないのも、ストレスの原因の一つです。
他人の考えや社会の環境は、そう簡単に変えることはできません。それよりも、現在の状況を「自分の時間を持ったり、自分が変化したりするためのきっかけ」と考え、物事をポジティブにとらえることが大切です。コロナ禍という困難な状況を「乗り越える」のではなく「受け入れる」という発想の転換をすることで、ストレスを和らげることができます。時には「ねばならない」というとらえ方を切り替えて、何かを「テキトウ」にしてみることも、心にゆとりを持つきっかけになるかもしれません。
この人に聞きました
日本心理学会認定心理士
河添博幸さん
放送大学熊本学習センター客員准教授を務める傍ら、熊本学園大、歯科技術専門学校、九州中央リハビリテーション病院などでも教える。音楽にも造詣が深く、「いい曲プレゼンターズ」(RKKラジオ・日曜15時~)のパーソナリティーも担当。
ふとした時に感じるコロナ禍のきゅうくつさ
旅行に行けない…。
時間だけはたくさんある学生のうちに、いろんな地域に行ってみたいです。
(菊陽町・さとみ・20代)
大声で笑えない。
(北区・ピスタチオ・30代)
イベントの情報を収集し、子どもをダシにして一緒に出かけるのが週末の楽しみだったので、イベントの延期・中止ばかりだとさびしい。
(南区・なかた・40代)
県外で暮らす両親になかなか会えない…。
(菊陽町・Hippo・40代)
玄関先で用事が終わるちょっとした来客でも、いちいちマスクをしないといけない。
(西区・霧の中・70代)
やりたいことができず、いろいろな予定も全て先延ばしになってしまっているのがつらい。
(北区・スーちゃん・30代)
マスクをしていても、人前でせきやくしゃみをするのがはばかられる。
(中央区・モモ・30代)
河添先生の"とらえ方チェンジ"アドバイス
現在の状況をどうすれば「楽しい」「充実している」と感じられるのか? まずは、物事の捉え方を変えてみましょう!
外出もままならず、友人に会ったり好きな旅行もできない…
Change
家で過ごす時間が増えたから、何かインドアでできる新しい趣味を始めてみよう!
どこに行くにもマスクが必須で嫌になる…
Change
柄物やデザイン性の高いマスクをそろえ、毎日違うマスクを着けて外出時のテンションを上げてみよう!
リモートワークが増えて夫が家にいる機会が増えた…
Change
「人手が1人増えた」と思って、夫にも家事をどんどんやってもらおう!
コロナ禍で先(将来)が見通せず不安だ…
Change
この先どうなるか分からないからこそ面白い。
できる範囲で自分のやりたいことをやろう!
会議や打ち合わせがリモートばかりで面倒くさい…
Change
どうせ社会のデジタル化は進むのだから、今のうちに慣れておこう!
私の「テキトウ」エピソード
高齢の母の食事を作る時、食材やカロリーには気を使っています。とはいえ、コロナ禍で外食もままならず、1日3食を家で作るのは大変。「全部手作り」はきつくなり、ときにはスーパーの総菜を利用しています。
(宇土市・いちごマン・60代)
普段はメガネをかけていますが、自宅では外して裸眼なのをいいことに、「ほこりが見えない」のを言い訳にして掃除をさぼっています(笑)
(東区・ピヨピヨ・50代)
仕事が休みの日は、あえてノープランで近所や見知らぬ土地をウオーキングしてストレス発散!
(西区・ラキ・50代)
夫が「ゴムがきつい」と言って履かなくなった男物のボクサーパンツを私が使っています。もし外出先で交通事故にでも遭って救急搬送されたときにパンツを見られたらと思うと心配ですが(笑)、夏になれば、家の中ではこのパンツ一丁で過ごせそうです!
(中央区・花花・50代)
わが家では、ときどき「白米パーティー」と称した食事をしています。私はご飯を炊くだけ。テーブルに卵、納豆、ふりかけ、ノリなどを並べておいて、各自が好きなものを食べるんです。単に手抜きなんですが(笑)、“パーティー”と付くだけで子どもたちも楽しんでくれます!
(北区・よっしー・40代)
コロナ禍で外食を控えるようになった半面、ドライブスルーやテークアウトを利用する機会が増えました。そんなときに、わざわざ外出着を着るのも面倒だし、「どうせ誰にも合わないから」と、“ワンマイルウエア(気軽なご近所服)”ばかり着ています。
(南区・ちゅるり・50代)
マスクで顔の下半分が隠れるのをいいことに、ヒゲをそるのを、「毎日」から「週2回」に減らしました。ある会社に打ち合わせに行ってお茶を出され、先方の担当者とほぼ同時にマスクを外してお茶を口にしたら、お互いに口元がヒゲボーボーになっていて、思わず顔を見合わせて苦笑いでした。
(中央区・ひげ大臣・40代)
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