【407号】保護犬を家族に迎えよう
捨てられたり、迷子になったりして保健所などに保護されている多くの犬たちが、新しい飼い主との出会いを待っています。優しい家族の愛により、殺処分から救われる命があります。これから犬を飼おうと考えている方は、保護犬の新しい飼い主になることも選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょう。
殺処分0(ゼロ)の取り組み
熊本市は、市動物愛護推進協議会やボランティアなどと連携して「犬・猫の殺処分ゼロ」を目指しています。保護した犬・猫の返還、譲渡を行うほか、飼い主が最後まで責任を持って飼うことの啓発や迷子札の装着などを呼び掛けています。
保護犬を迎え入れてこんなに幸せ!
ペットショップやブリーダーから犬を購入するのではなく、「保護犬」を飼いたい! そう決意して、市動物愛護センターから譲渡を受けた2組のファミリーを紹介します。
選んだ決め手は人懐こさ 子どもの良き遊び相手に
関 卓哉ファミリー(南区城南町)
犬のほかにも、小鳥やアヒル、ハムスターを飼うなど、生き物好きの関さん一家。市動物愛護センターから愛犬「風汰(ふうた)」(オス・雑種・推定4歳)を譲り受けたのは2年前の秋でした。「一軒家を建てたら、庭で犬を飼おう。その時は保護犬がいいと以前から考えていました」とご主人の卓哉さん。
家族でセンターを訪ねた際、妻のれい子さんが、人懐こい風汰に一目ぼれしたそうです。風汰は寄生虫によるフィラリア症を患っており、投薬治療を続ける必要がありました。しかし、「顔を近づけたら私の口をペロッとなめてきて…。その時に『この子がいい! 病気の世話はなんとかなる』と気持ちが固まりました」とれい子さん。
3人きょうだいの末っ子、姫希さんも風汰が大好き。「遊び友達」といって散歩に連れ出しては、一緒に走り回っているそうです。
塚原古墳公園(南区城南町)にお出かけ。雨でなく雪なら散歩に連れ出してもらえるため風汰もご機嫌
左かられい子さん、次女の姫希(ひめの)さん、卓哉さん
先住犬との相性もぴったり 今や家族に欠かせない存在
松岡剣正ファミリー(中央区国府)
松岡剣正さんは、熊本地震で急増した「被災犬」が保護施設の収容能力を超え、やむなく殺処分されるというニュースを知り、保護犬を引き取ることを決心しました。「家族会議をして、市動物愛護センターのホームページで紹介されていたオスのハーロック(ラブラドール・レトリバー・推定2~4歳)を迎え入れることを全員一致で決めたんです」
松岡家には同種の先住犬、チョコ(オス・12歳)がいました。多頭飼いの場合、先住犬との相性が重要なためチョコをセンターに連れて行き、2頭を引き合わせたところ、「びっくりするほど相性が良く、安心しました」と剣正さん。
長男の耀正さんは「ハーロックが来てから、家族がリビングに集う時間が増え、会話も多くなりました」と言います。ハーロックは今や家族の一員として、松岡家に欠かせない存在です。
左がハーロック、右がチョコ。「庭で用を足した後は足を洗う」などのルールを、チョコが見本を示して教えるそう
左から剣正さん、妻の玲さん、次男の凜正(りせい)さん、長男の耀正(ようせい)さん
熊本市動物愛護センターに聞きました!
2017年度(4〜12月)に収容された犬の状況
●動物愛護センターのことをテレビで見て、1頭でも飼えたらと思った。
●先住犬を里親募集で引き取り、次の犬もセンターや保健所から迎えたいと思った。
●迷子の犬を交番に届け、後日、センターからその犬を引き取った。
●環境や金銭面など、やっと犬を飼える条件がそろったから。
飼い主になる前に知っておきたい!
犬を飼うには、飼育に適した住環境やライフスタイル、家族の同意、最後まで飼い続けるための計画などが必要です。保護犬の譲渡を受けるために必要な手続きなどをまとめました。
譲渡前講習会を受講 狂犬病の予防注射も
保護犬の譲渡を受けるには、譲渡前講習会(1時間程度)を受講する必要があります。また、飼い主になる場合は、犬の登録と狂犬病予防注射などを行います。
初めて犬を飼う人は、子犬よりも基本的なしつけができていて、性格が分かっている成犬のほうが扱いやすいでしょう。先住犬がいる場合は、相性を見るための「トライアル」を行うこともできます。最後まで責任持って、大切に飼ってあげてください。
教えてくれた人
熊本市動物愛護センター 愛護班
釜元 彩花さん
「休日譲渡会」も開催!
通常、平日に行われている譲渡会が下記の日時に開かれます。
日時/3月4日(日)10時〜11時半
会場/熊本市動物愛護センター(東区小山2-11-1)
保護犬の譲渡を受けるまでの流れ
譲渡前講習会(必須) 毎週水曜14時〜
(1)譲渡前講習会の受講
犬を飼うときの決まりなどについて、1時間程度の講習を受けます
(2)修了証の授与
譲渡会 平日10時〜16時(正午〜13時除く)
(3)犬とのマッチング
飼養状況や飼い主との相性などを確認します
(4)職員との面接
(5)譲渡の手続き誓約書への記入、犬の登録、狂犬病予防注射を行います
(6)犬を連れて帰る
譲渡可能な犬の最新情報をチェックできます!
犬の飼い主さん募集ページ
※掲載情報の中には、既に新しい飼い主が決まった犬が含まれていることもあります
※飼い主になることを希望する場合は、市動物愛護センター TEL:096-380-2153へ連絡を(熊本市外の方はご相談ください)
こちらからアクセス!
参加しませんか!
しつけや介護などアドバイス
ワンニャン相談コーナー
専門家による犬の「しつけ」「介護」「健康」に関する個別相談を受け付けています。1カ月に1回開かれ、相談時間は30分程度。犬の同伴も可能です(会場に準じます)。開催日や会場などは「市政だより」で告知されます。
動物に触れ 命の大切さ学ぶ
ふれあい訪問教室
子どもの頃の動物たちとの触れ合いは、動物愛護の心を育むのに重要です。市動物愛護センターでは、小・中学生を対象に「ふれあい訪問教室」を実施しています。「ワンちゃんとふれあおう」「盲導犬を知ろう」「動物の飼い方、接し方を学ぼう」「犬と仲良く暮らそう」の4コースが用意され、学校やクラス単位での募集を受け付けています。
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