【481号】第1回 今を楽しむ 未来に備える 30代、40代からの親子で考えるセカンドライフ

「子どもや孫たちと一緒に、セカンドライフを心豊かに過ごしたい」。そんな意欲的な人たちとその子ども世代に向けて、健康や相続、趣味、介護などをテーマに、今を楽しむコツと未来に備える方法を3回(毎回8ページ)にわたってお伝えします。第二の人生を楽しく生きるヒントを見つけてください。

次号は9月と11月に掲載予定


[健康編]いきいき百歳体操に挑戦しよう!

「人生100年時代」といわれています。元気に健康でいきいきと暮らすために、手足の筋力をアップする「いきいき百歳体操」に挑戦してみましょう。

熊本市の「くまもと元気くらぶ」(次ページ参照)のひとつ、「蓮台寺七町内元気くらぶ」の皆さんが「いきいき百歳体操」をしている様子。DVDを見て動きをチェックしながら体操します

いきいき百歳体操とは?

手首や足首に巻き付けるタイプの重りを使用。100円ショップでも購入できます。

介護予防のために、筋力アップを目指して行う体操。手首や足首に重り(約500g)を付け、椅子に座ってゆっくりと手足を動かします。筋力がつくと転倒しにくくなるので、骨折や寝たきりになるのを防ぐことができます。

体操をする目安は週2回程度。運動をしたら2〜3日休んで筋肉の疲れを取った方が、筋力がつきやすくなります。


筋力運動

Let's challenge

百歳体操には「準備体操」「筋力運動」「整理体操」の3つの運動があります。今回は、「筋力運動」の5種類を紹介します。

【1】腕を前に上げる運動
肩の前の筋肉を鍛える(10回行う)
(1)

手首に重りを付けて、両手を軽く握る

(2)

「1.2.3.4」で肩の高さまで腕を上げる

(3)

「5.6.7.8」で元の位置まで腕を下ろす

効果

物を持ち上げる動作が楽になります


【2】腕を横に上げる運動
肩の横の筋肉を鍛える(10回行う)
(1)

手首に重りを付けて、両手を軽く握る

(2)

「1.2.3.4」で肩の高さまで腕を上げる

(3)

「5.6.7.8」で元の位置まで腕を下ろす

効果

物を持って歩いたり、布団から起き上がったりする動作が楽になります


【3】椅子からの立ち上がり運動

太もも・お尻・ふくらはぎの筋肉を鍛える(10回×2セット行う)
(1)

両足を肩幅程度に開いて座り、胸の前で両手を交差させる

(2)

「1.2.3.4」で、体を前に倒しながらゆっくりと立ち上がる

(3)

「5.6.7.8」で、体を前に倒しながらゆっくりと椅子に座る

効果

床からの立ち上がりなどが楽になります


【4】膝を伸ばす運動
太ももの筋肉を鍛える(左右10回×2セット行う)
(1)

足首に重りを付け、「1.2.3.4」で右膝を伸ばす

(2)

膝を伸ばした時に、つま先を自分の方に向ける

(3)

「5.6.7.8」で元の位置まで足を下ろす

効果

しっかり歩けるようになります


【5】足の横上げ運動
お尻・太ももの筋肉を鍛える(左右10回ずつ行う)
(1)

足首に重りを付け、椅子の後ろに立って背もたれを両手でつかむ

(2)

「1.2.3.4」で右足を横に上げる(上げるのは30cm以内)

Point

・つま先は前に向ける
・体が横に傾かないように気を付ける

(3)

「5.6.7.8」で元の位置まで足を下ろす

効果

歩行時のふらつきがなくなり、転びにくくなります


「くまもと元気くらぶ」

熊本市から、活動費の補助やリハビリ専門職の派遣などの支援を受けながら、住民が主体となって、百歳体操などの介護予防活動に取り組んでいます。市内各地に50以上のグループがあります。
※市の支援を受けるための条件あり

体を動かすことはもちろん、同世代の仲間が集まって一緒に頑張ることが、参加者たちの生きる活力になっているそうです

体を動かすことはもちろん、同世代の仲間が集まって一緒に頑張ることが、参加者たちの生きる活力になっているそうです

お問い合わせ

熊本市役所 健康福祉局 福祉部 高齢福祉課

TEL
096-328-2963

【健康コラム】高齢者は特に注意 熱中症予防のポイント

熱中症は生命に関わる病気ですが、予防策を知っていれば防ぐことができます。特に高齢者は、気付かぬうちに発症していることがあるので注意が必要です。

Point(1)高齢者に熱中症が多い原因を知る

高齢になると体温調整機能が低下して、暑さや喉の渇きを感じにくくなります。まずはそのことを本人や周囲の人が理解することが大切です。また、高齢者の中には「自分は大丈夫」だと過信して無理をする人も多いようです。予防できるように、本人の注意と周囲からの声掛けを行いましょう。

Point(2)小まめに水分補給を

高齢者は1日1500mlの水分摂取が理想です。「喉が渇いた」と感じる前に数回に分けて水分補給をしましょう。暑い屋外に出る前は水分補給を。入浴するときは、お風呂の前後にコップ1杯の水を飲むと安心です。

Point(3)適切な温度と湿度を保つ

温度や湿度が高い状態だと熱中症になりやすくなります。体感に頼らずに、できれば温湿度計で確認しましょう。28℃を超えたらエアコンや扇風機を活用しましょう。屋外にいるときは、日陰や風通しのよいところへ移動しましょう。

Point(4)体温を調節する

吸汗・速乾素材や通気性のある衣類、帽子を着用してください。また汗をかいたら、ぬれたタオルなどで小まめにふき取り、体から熱を逃がしましょう。

教えてくれたのは…

日本赤十字社熊本県支部参事
竹下 美子さん

「熱中症かな?」と思ったら…
めまいや筋肉痛、大量発汗→涼しい場所に避難して水分と塩分補給。しばらくしても症状が改善しない、頭痛や嘔吐、意識障害がある→すぐに病院へ


[相続編]知って得する 相続のあれこれ

親子、家族の間でも遺産相続の話は切り出すのが難しいですね。でも避けては通れない身近な大問題です。そこで2回に分けて、相続のあれこれを特集します。

話を聞いたのは

熊本県弁護士会高齢者・障がい者に 関する委員会 委員長 上田法律事務所 代表
上田 祐輔 弁護士


そもそも相続とは?

ある人が亡くなった後に、その人が持っていた財産を他の人が受け継ぐこと。相続の分野では、亡くなった人を「被相続人」、財産を受け継ぐ人を「相続人」といいます。

被相続人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、(1)被相続人の子ども(2)被相続人の父母(3)被相続人の兄弟姉妹の順に、配偶者と一緒に相続人となります。

※相続人が、父母や兄弟姉妹の場合などは相続分が変わります

【法定相続分(遺言書がない場合)の例】相続人が妻と子ども2人の場合
※相続人が、父母や兄弟姉妹の場合などは相続分が変わります


対象になるのは?

現金や預貯金、不動産など、被相続人が死亡した際に所有していた財産。これを法律用語では「相続財産(=遺産)」といいます。

「遺産」に属するか否か紛らわしいものに、生命保険の保険金があります。保険金を受け取る権利は、あらかじめ契約で決められた受取人の財産であって、遺産ではないとされています。保険金は受取人が全額受け取ることができます。

また、仏壇、墓、家系図などは、法律上「祭祀財産」と呼ばれ、遺産からは除外されています。一般的に、葬儀で喪主を務めた方が受け継ぐことが多いです。


負の相続とは?

法律の世界では、借金なども財産に含めて考えます。「負の相続」とは、預金や不動産などの「プラスの財産」よりも、借金などの「マイナスの財産」の方が多い状態を指します。

「負の相続」が発生してしまった場合は、被相続人が亡くなったことを知った日から3カ月以内であれば、「相続放棄」を行うことができます。ただし、相続放棄を行う場合は、遺産には一切手を付けられませんので注意してください。


40年ぶり大改正! 相続の新常識

相続にまつわる法律が約40年ぶりに改正されました。大きく様変わりした点を紹介します。


(1)「預貯金の払い戻し制度」で口座凍結の悩みが解決

これまでは、名義人が亡くなるとすぐに預貯金口座が凍結されていたため、亡くなった人の預貯金から葬儀費用などを引き出すことは難しかったのです。しかし、今回始まった「預貯金の払い戻し制度」では、限度額はあるものの、各相続人が単独で現金を引き出せるようになりました(2019年7月施行)。

払い戻しの限度額

・法定相続分の1/3まで
・金融機関ごとに最大150万円

妻も子も、900万円×1/2(法定相続分)×1/3=150万円引き出せる

相続人が妻と子、A銀行に900万円の貯金がある場合

相続人が妻と子、A銀行に900万円の貯金がある場合


(2)自筆証明遺言の新ルール 作成が簡素に

自筆証明遺言の場合、以前は、遺言書だけでなく、添付する財産目録ですら手書きが義務付けられていました。今回の改正では、財産目録をパソコンで作成したり、目録の代わりに通帳のコピーや不動産登記簿謄本のコピーを付けたりすることが認められました(19年1月施行)。

・パソコンで財産目録を作成
・通帳のコピーを添付

財産目録には署名押印をしなければならないので、偽造も防止できる


(3)介護に貢献した人が報われる「特別寄与料」

相続人以外の被相続人の親戚(息子の嫁など)が、被相続人の介護などに貢献した場合、相続人に「特別寄与料」として金銭を請求できる制度が始まりました(19年7月施行)。

「特別寄与料」をもらうためのポイント

(1)介護などの労務を「無償」で提供したこと
(2)介護をした実績を示す「証拠」を残す。介護日誌や領収書、介護業者とのメールなど


(4)家の相続に役立つ「配偶者居住権」の創設

自宅を残して夫が亡くなった場合、その自宅を子どもが相続すると、妻は家から退去しなければならなくなることがありました。また逆に、妻が自宅を相続した場合、自宅以外の金融資産を全て子どもに振り分けざるを得ず、妻が生活費に困るというケースも生じていました。

そこで今回、自宅の所有権とは別に、「配偶者居住権」が創設されました。妻はこの権利を相続して死ぬまで家に住み続けられ、かつ金融遺資産も得ることができます(20年4月1日施行)。

相続人が妻と子、遺産が自宅(2000万円)と預貯金(2000万円)だった場合

相続人が妻と子、遺産が自宅(2000万円)と預貯金(2000万円)だった場合
※負担付き所有権とは、居住権のない所有権のこと