【491号】「片付け習慣」身につけて人生リセット!
「部屋の乱れは心の乱れ」と昔から言われているように、部屋は今の心の状態を反映しているものです。部屋を片付けることは、“心を整える”こと。気分のモヤモヤが晴れ、家事がはかどり、人間関係も良好になるなど、いいことずくめ。人生をプラスにリセットする片付け習慣を身に付けましょう。
[Life changes]片付けで人生が好転する
「人生がときめく片づけの魔法」で話題の“こんまり”こと近藤麻理恵さんのメソッドを実践する片付けコンサルタントが、人生をときめかせ、ハッピーに変えていく片付け術を教えてくれました。
こんまり流片づけコンサルタント
竹野りつこさん
(株)こんまりメディア公認の片づけコンサルタント。こんまり流片付け術による個人レッスンやセミナーなどを行う。
[advice.1]ときめくモノに囲まれていると 気分が上がり自信がつく
部屋を片付けられないのは「物が多いから」を理由に挙げる人は少なくありません。物が増えてしまうのは、自分が持っている物の量を把握できていないから。「量を把握するためには、全ての物をカテゴリー別に収納から出して見てみること。これが片付けの第一歩です」と竹野りつこさん。
こんまり流片付けメソッドの最大の特徴は、「ときめくかどうか」を基準に、「何を捨てるか」ではなく「何を残すか」を考えること。一つ一つ手に取って、ときめくなら残し、ときめかなければ「ありがとう」と感謝して処分します。「大好きな服は、テンションを上げ、自信を付けてくれるような感覚ってありますよね。それと似ていて、ときめく物だけを残した部屋は、パワースポットのようになります」
理想とする空間を手に入れると生活が楽しくなり、友達を招きたくなるもの。交友関係も豊かになっていくでしょう。
片付けをして空いたスペースに、好きなものを飾る「ときめきコーナー」を作ってみるのもおすすめ。竹野さんは大好きな猫グッズを飾っています
クローゼットは、左に丈が長く生地が厚い濃い色のものを、右に行くにつれ短く生地が薄い淡色のものを並べます。「右肩上がり」にすると、扉を開けるたびにウキウキした気分に
[advice.2]捜し物をしなくなりムダな時間がなくなる
人生の中で「捜し物」に費やす時間は意外にも多く、その作業はとてもストレスがかかります。「あるメーカーの調査によると、日本人は一生で52日分もの時間を捜し物に費やしているといいます。片付けによって、ムダな時間を無くしましょう」
片付けの基本である「ときめく物」を残す作業を終えたら、場所別ではなくカテゴリー別に収納していきます。その際、全ての物に定位置(住所)を決めます。「使ったら定位置に戻すだけです。これを守れば散らかることはなく、捜し物に費やす時間もなくなります」
竹野さんは、バッグに必ず入れて持ち歩く必須アイテムをしまう専用の引き出しを設けています。バッグを替えても、この引き出しから出し入れすればOK。「バッグに物を入れたままにはしません。バッグも中身も定位置に戻して休ませてあげましょう。そのように物を大切に扱うことは、長持ちさせることにもつながります」
バッグに入れる必須アイテムを収納しておく引き出し。捜し物だけでなく、忘れ物をなくす効果もあります
引き出しの中の文房具全てに定位置が決められています。ホチキスの針、消しゴムなども重ねずに縦に収納するのがコツ。どこに何があるのか一目で分かります
[Happy housework]家事も子育てもはかどる
“収納を楽しむこと”をコンセプトに活動する片付けアドバイザーに、主婦の大事な仕事である家事や子育てで、プラスに働くような片付けのコツを聞きました。
[advice.1]余計な買い物をしなくなり、お金が貯(た)まるように
毎日使うキッチンの片付けに悩みを抱えている人はいませんか? 食品や調味料を買いだめしてしまい保存するスペースがない、気付いたら賞味期限を過ぎて廃棄してしまった…という経験は誰しもあるはずです。「入らないから分散させて保存する、量を把握していないから新たに購入してしまう。キッチンが片付かない原因の多くはここにあります」と芹川由久子さん。
保存食のストック棚は1カ所に決めて、まとめることを芹川さんは勧めます。「食品や調味料は買ったその日が一番新鮮なのです。目先の数十円にとらわれてまとめ買いすると、2つ目を使う時点では鮮度が落ちています。それに、使うまで収納スペースを占拠します」
また、量の把握をするためには透明の容器がオススメとか。「袋入りの物を輪ゴムで閉じて保存すると残量が分かりにくいですよね。透明の密閉容器なら残量が分かり、湿気や風味の劣化が進むことも抑えられます」。日々の小さな工夫で、家計のムダをなくしましょう。
調味料類は中身や賞味期限をマスキングテープに書いて、瓶のふたに貼っておきます
パスタの麺、紅茶のティーバッグなども透明容器で保存。おしゃれな瓶に入れれば、ディスプレーになります
[advice.2]子どもがモノを大切にし 判断力が備わっていく
入・進学祝いや季節の行事などで、子どもたちは「頂き物」をする機会がたくさんあります。芹川さんは「物には適正量があります。これを決めることが整理収納のコツです」とアドバイスします。例えば鉛筆なら何本あれば十分か、おもちゃならどのスペースに収まる量までならよいかなど。頂き物をした時点で、適正量に応じて要・不要を判断します。「私が開く〝机の引き出しを片付けるワークショップ〟に参加したお子さんは、スペースを仕切る小箱から物があふれる時は本当に必要な物だけを選びます。また自分が選んだ物は大切に扱うようになります」
適正量を超えた頂き物は、今持っている物との交換や、不要なら捨ててしまう前にバザーに出す、必要とする人にあげるなど、生かす方法を親子で話し合いましょう。
こうして考えることを繰り返していくうちに、子どもたちは「自分は何が好きなのか」「どちらがより大切なのか」などが分かるようになり、判断力が備わっていきます。
おもちゃの大きさによっていくつかの入れ物を用意。適正量を体感させながら片付けを学ばせます
衣類や小物など収納場所が決められた引き出し。今の生活に必要な量で仕切りを作ってあります
読者に聞いた 私の「片付け」エピソード
「片付け習慣」を身に付けたら再婚できました
「片付け」は集中力や気分転換などプラスになることがたくさん。それに、いろんなモヤモヤを手放すと気分も一新します。私は片付けを習慣にしたら再婚できました。片付けが苦手だった主人も、今ではスッキリとした表情で当たり前にこなして、仕事に励む毎日。自分だけではなく周りの人にも影響を与えるものと確信しています。PNののさん(39)
自分がやりたいことに気付くきっかけになった
学生の頃、オーケストラサークルで音楽を楽しんでいた私。実家の片付けをした時、どうしても処分できなかったのが大量の楽譜でした。「未練があるから捨てられないんだ」と気付き、数カ月後に思い切ってアマチュアオーケストラに入団。片付けは、自分が本当にやりたいことが何か気付くことができる、いいきっかけになりました。PN蓮の実さん(47)
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