【526号】すぱいすフォーカス – お口の中をいつも健康に 正しい歯磨きのススメ
6月4日〜10日は口の中の健康増進が呼び掛けられる「歯と口の健康週間」。「よくかんで食べる」ことは、体の健康維持のために欠かせません。毎日の歯磨きでむし歯や歯周病などを予防し、口の中を健康に保ちましょう。正しい歯磨きのポイントを専門家に聞きました。
教えてくれたのは
熊本県歯科医師会 口腔保健センター 歯科衛生士
吉田 知代子さん
ポイント1 歯磨きグッズの選び方
アイテムを併用し、歯垢(しこう)を除去
歯磨きの一番の目的は、むし歯や歯周病の原因となる「歯垢」を取り除くことです。歯周病の場合は、歯磨きで歯茎をマッサージすることで、炎症の改善も期待できます。
歯磨き用品には、歯ブラシや歯間ブラシなどさまざまな種類があります。歯茎の状態や部位に合わせて選び、併用すると、効果的に歯垢を除去することができます。
歯ブラシの大きさは「手の親指1本分」が基本。「かため」を選ぶ人も多いようですが、健康な人は「ふつう」、歯茎が気になる人は「やわらかめ」がオススメです。
歯磨きグッズ
健康な歯茎の場合
- 歯ブラシの毛の硬さは「ふつう」がおすすめ ※好みよりも、歯茎の状態で選びましょう
- 歯間ケアには、デンタルフロスがおすすめ
歯肉炎、歯周病の場合
- 歯ブラシは「やわらかめ」、毛が密集していないタイプがおすすめ
- 歯間部は歯間ブラシかデンタルフロスでケア
- 最後に子ども用の小さい歯ブラシかワンタフトブラシを使用
- 必要に応じて殺菌作用のあるうがい剤などを使う
ポイント2 正しいブラッシング
「当て方」「動かし方」「力加減」を意識
歯ブラシは、鉛筆を持つように軽く握り、磨き忘れがないように、磨く順番を決めておくとよいでしょう。
磨き方のポイントは、(1)毛先を歯にきちんと当てる (2)150〜200gの軽い力で磨く (3)3〜5mmの振動で小刻みに動かすーの3つです。下図を参考に1カ所を15〜20回ほど磨きましょう。
一般的に歯ブラシだけでは、6割しか歯垢を除去できないといわれています。歯間ブラシやデンタルフロスなどを組み合わせて口の中をきれいに保ちましょう。
歯と歯茎の間
45度の角度で斜めに当て、小刻みに動かす
前歯の裏側
少し口を閉じ、歯ブラシを縦に当て、「つま先」や「かかと」を使って磨く
奥歯のかみ合わせ面
真っすぐ当てて、小刻みに前後に動かす
奥歯の後ろ側
「つま先」を使って磨く
ポイント3 プロフェッショナルケア
歯ブラシでは届かない箇所を専門的技術でケア
口の健康を保つには、歯磨きなどの「セルフケア」と、歯科医師や歯科衛生士による「プロフェッショナルケア」が大切です。
歯科医院では、歯ブラシでは届かない箇所の清掃や、機械による歯石除去のほか、それぞれに合ったセルフケアの指導も行います。3〜4カ月に1度は口の中の健康診断を受け、むし歯や歯周病を予防しましょう。
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