【538号】かわいい!おいしい!今どき「イ草」に注目

畳表の材料であり、熊本の特産品でもある「イ草」。室町時代(1505年)から栽培が始まったとされ、日本人のくつろぎ空間である和室に欠かせない材料として長年親しまれてきました。そんなイ草が最近、さまざまな新しいアイテムとなって登場していることをご存じですか? アクセサリーや雑貨のほか、食べておいしい商品も。 畳のイメージからは想像がつかない、今どきの”かわいい””おいしい”イ草を集めてみました。

Model:Junko Matsuoka 衣装協力:nuno(熊本市) ※一部モデル私物


[INTERVIEW]イ草のこと、語りましょ。

熊本の産業であるイ草に着目し、新たな視点でイ草の価値を見直そうとする人たちがいます。イ草にどんな魅力と可能性を感じているのでしょうか。イ草のアクセサリーを創作する「イチイチ」の二人と、イ草の故郷・八代でお店を構える「コキン」の店主に、思いを聞きました。

itiiti (左)田中ノリコさん(右)村上キミさん

プロダクトユニットとして2010年6月に活動スタート。19年秋、イ草を使ったアクセサリーを発表。ささいなことに目を留め、向き合うことを大切にしている。

KoKIN’ 寺本美香さん

2014年3月、八代市内に生活雑貨や日用品を取り扱う「KoKIN’」をオープン。伝統文化やモノに“新しい視点”をプラスした提案を行っている。


イ草の魅力ってなんだろう 注目した理由とは

イチイチ(以下、イ)

“イ草”と聞いて、多くの人が“畳”をイメージすると思うのですが、私たちは、田んぼの中に生えている植物としての姿に注目。その一本一本の草から何かデザインを起こせないだろうかと考えました。また、親戚がイ草農家で、イ草は幼い頃から身近な存在だったので、「素材」として活用すれば何か面白いものができるんじゃないか。そんな創造力をかき立てられました。

コキン(以下、コ)

八代といえば、全国有数のイ草の産地です。私は生まれも育ちも八代なので、田んぼの風景、ゴザを織るときの機械の音、和室でゴロンと寝転がるときの心地よさなど、昔から親しんできました。当店のコンセプトは、“地域に根を張る暮らしを作る”なので、地元の方にイ草をPRするべく、セレクトにもこだわっています。

創作する上で、「イ草=畳」というイメージを一度捨て、一つの素材として注目したことで、さまざまな商品が生まれました。

イチイチさんの作品は、完成形から、まさかイ草が材料だとは思えない、新感覚のデザインですよね。イ草の新しい可能性を感じました。イ草を「食べる」ことに着目した生産者さんもいます。それぞれの新しい視点から、再びイ草の価値が広がっていくといいですよね。

今後さらに創作活動を通じ、農家さんのことも含め、もっと多くの方々にイ草の魅力を発信していければいいなと思います!

イ草って、衣食住すべてに活用される素晴らしい故郷の宝ですよね。少しでもその魅力に気付く人が増え、畳文化が再び見直されることを願っています。

7月の刈り取りを控え、青々と茂るイ草


新たな魅力をキャッチ "かわいい" "おいしい" イ草を見つけました

アクセサリーとしてイ草を身にまとう

itiitiが創作するアクセサリーは、”身に着けるイ草”という発想から生まれました。イ草を細かく刻み、一粒ずつ銀糸で丁寧に編み上げて作られ、いつもの装いに繊細で個性的な華やぎを与えてくれます。日常のおしゃれとしてはもちろん、和装に合わせてもぴったり。

[a][d]ten(ピアス・イアリング/片耳タイプ)…各7700円

ボリューム感がありつつも、軽やかな着け心地で耳元を美しく彩ります。
※ピアスのみコットンパールのキャッチ付き

[b][f]ten ten(ピアス・イアリング/両耳タイプ)…各8800円

イ草の隙間から時折見える銀糸のきらめきが光沢感をプラス。片耳タイプの「ten」よりもサイズ感は小ぶり。

[c]swing ten(ピアスのみ/片耳タイプ)…各7700円

シルバーの先でコロンと丸みを帯びたモチーフが、風にそよぐ植物のように揺らめきます。

[e]U(ネックレス) …1万3200円 (チェーンはシルバー925を使用。長さ調整可)

二重のラインで編まれ、身体の動きに合わせてエアリーな柔らかい表情を見せてくれます。
※アクセサリーは、左記「KoKIN’」でも一部販売

itiiti(イチイチ)

web
https://www.itiitiitiiti.com/
Instagram
https://www.instagram.com/itiiti_official
メール
itiiti_official@yahoo.co.jp

=======イベントのご案内=======
『 かたち展 』-vol.3-
服飾×建築×アクセサリー
nuno..yabashiarchitects..itiitiによる合同展覧会

8/22-8/30 12:00-20:00

nuno(ヌーノ)
〒862-0976
熊本市中央区九品寺1-1-26 RiverPort 9 2B


イ草香るキュートな雑貨たち

“モノ”が持つストーリーを大事にしたセレクトが光る雑貨店。静岡県の畳店が開発したブックカバーと名刺入れは、八代産イ草を使用。日常使いや贈答用に人気で、香りや風合いを楽しめます。手すき和紙の温もりが伝わるメッセージカードは、熊本の食べるシリーズ(からしれんこん、トマト、晩白柚=ばんぺいゆ)のイラストが活版印刷で描かれキュート。職人手作りのうちわは、小ぶりなサイズで携帯用やインテリアに使い勝手◎。一点ずつ異なるイ草の色や織りを楽しんで。

左から
イ草香るブックカバー…2420円
ことのはカード(イ草手すき和紙)…各165円
イ草香る名刺入れ…各4400円
イ草うちわ…3300円

店舗情報

暮らしの雑貨 KoKIN’(コキン)

住所
八代市松江町598‐3
TEL
0965-33-1926
店舗ホームページ
https://www.instagram.com/kokin_since2014/
営業時間
11時~19時(日曜、祝日は~17時)
休業日
不定

イ草は食べてもおいしい!

人と自然環境に優しい農法で、食用イ草の栽培・加工、販売を手掛けているイナダ有限会社。食物繊維が豊富なイ草をパウダー状にし、練り込んだ麺が、優しい香りと甘さを醸し出し食べやすいと好評です。つるつると喉越しが良く、のびにくいのが特長。

藺草(イグサ)麺(160g)…396円

※写真は細麺(うどんタイプの太麺もあり)

たたみアイス…400円

八代産イ草のPRのために開発されたジェラートタイプのアイス。畳の構造に合わせ、イ草(畳表)と玄米(藁床=わらどこ)の2層になっています。その爽やかなハーモニーがおいしさの秘密。贈答用8個入り(3600円・送料別途)も販売。


夏にぴったり イ草縄草履工房へ潜入

職人さんの手ほどきを受けながら、イ草縄草履を作ってみませんか。

イ草の伝統文化の継承に努める「井上産業」2代目の井上昭光さん。工房では、草履作りの技を伝授

独自に開発された「縄練り機」に縄をかけ、編んでいく

足のサイズに合わせ所定の位置まで編み込む

草履のかかと部分を編み込む

手のひらで布を転がしながら鼻緒をよる

鼻緒を付けるなど、仕上げをして完成

「猫のお家」(1万7000円~)など、イ草の製品を多数取り扱い中

通気性に優れ、快適な室内履きとして活躍するイ草縄草履。体験申し込みはお気軽に。

[イ草縄草履作り体験]

料金/大人用2000円、赤ちゃん用1500円(材料費込み)
所要時間/約1時間
受付/4~10名。1週間前までに要予約

※新型コロナウイルスの影響で、受け付けできない場合あり

店舗情報

い草縄工房・竹 井上産業

住所
八代市川田町東1063‐2
TEL
0965-39-0055
店舗ホームページ
https://igusa-nawa.jimdofree.com/
営業時間
9時~17時
休業日
お盆、正月