日々の暮らしのちょっと難解なお悩みに、弁護士や司法書士など専門士業の先生たちが答えます。
協力/熊本県専門士業団体連絡協議会
近所の犬がうるさいけど、どう伝えたら?
Q.近所で飼われている犬がよくほえて迷惑です。直接、苦情を言うのは少し気まずいのですが、かといってこのまま我慢することもできません。どうすればよいでしょうか?
A.感情的に対立しないよう“騒音の根拠”を示しましょう
ご近所様ということで、直接苦情を伝えづらいのはよく分かります。言わなきゃ改善されないけど、もめたくはないというジレンマですね。騒音問題などは感じ方に個人差がありますので、そもそも苦情を伝えてよいものかどうか迷われる部分もあるでしょう。いずれにせよ、伝え方によっては感情的に対立して長引くことがありますので、きちんとした根拠を持って苦情を伝えることが望ましいです。
では、受け止め方に個人差がある騒音について、一般的にどうやって判断すればよいのでしょうか。環境基本法第16条第1項に基づく騒音に係る環境基準が定められており、客観的な数値をもって判断することができます。これは、違反による罰則等がなく、あくまで「維持させるのが望ましい」基準に過ぎませんが、客観的に判断できるため感覚的な争いを回避できますし、裁判上も違法性判断の一つの基準として機能しています。
ご質問の件でも、できれば苦情を伝える前に犬の鳴き声を測定して、基準を超えない程度であれば、控えめな内容のお手紙でも出して改善を「お願い」するのが穏当でしょう。基準を超えているようでしたら、直接伝えるほか、お手紙、回覧板への記載、マンションであれば管理組合へ相談する、騒音の程度によっては役場、警察を通して伝える方法もあります。一向に改善されないようであれば、損害賠償請求等の裁判による解決を検討してもよいでしょう。
弁護士 益田陽介
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