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協力/熊本県専門士業団体連絡協議会


見知らぬ人の抵当権が登記されたまま…どうすれば?

Q. 自宅の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得したら、見知らぬ個人の名前で抵当権という登記が記載されていました。昭和初期に登記されているようですが、このままで何か問題があるのでしょうか?(熊本市 50代 男性)
A.抹消登記を申請する必要があります

普段あまり登記事項証明書を見る機会がないので、全く身に覚えのない抵当権の記載を偶然見つけたという話を時々うかがいます。

抵当権とは、お金を借りた時などに貸した側が返済の担保に取るために登記するもので、住宅ローンで登記されることが多いですね。ご相談にある身に覚えのない抵当権は、昭和初期のものが多く、債権額は驚くほど低額(例えば数十円から数百円)です。すでに返済を終えているため抵当権そのものは実質的に効力がなくなっているか、返済を終えていなくても消滅時効を援用することで効力がなくなる可能性が高い状態です。

しかし、いざ土地や建物を売却しようとしても、この登記が妨げになりスムーズにいきません。熊本地震で、公費解体の申請をしようとしてこのような抵当権が残っていたため苦労された方も多いでしょう。

原則として、抵当権者の相続人などの全員から承諾を受けた上で抹消することになりますが、抵当権者がどこの誰か不明な場合は、例外として法務局に金銭を供託して抹消する方法などもあります。いずれにしても、単に返済を終えて抹消する場合に比べ、時間も労力も要します。

今、話題となっている所有者不明土地などの問題も含め、登記を先延ばしにしてしまうと、さまざまな負担や課題が生じることもあります。抹消に限らず、適時に登記の申請をすることが肝心です。

司法書士 黒江正志

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