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協力/熊本県専門士業団体連絡協議会

不動産相続で簡易な鑑定評価を依頼したい

Q. 親の不動産を相続するに当たり、配分額について兄弟でもめています。弁護士さんに相談したら「不動産鑑定評価を依頼してみては」とのこと。費用を掛けたくないので、簡易的にしたいのですが…。(50代 男性)
A. 不動産鑑定士による簡易鑑定は原則としてできません

高齢化社会を反映してか、遺産相続関係のトラブルのご相談が最近、増えています。

さて、「簡易的な書面」というと、裁判での精神鑑定等で使用される「簡易鑑定」という言葉が連想されます。それが不動産鑑定評価においてもできるのかが、お知りになりたいところでしょうか。

結論から申し上げると、不動産鑑定士による不動産の簡易鑑定は基本的にできません。さらに言えば「簡易評価」「簡易鑑定」等の言葉すら、専門職業家として使うことができないとされています。

不動産の評価は不動産鑑定士のみが行える独占業務で、国家資格として法律上の「基準」があり、これに沿うことが求められています。基準に合致して初めて「不動産鑑定評価書」と呼ばれる書面が出来上がります。

不動産鑑定評価書は誰に対しても説明しうるものなので、公的機関に対しても効力がありますし、裁判等でも使用できる資料となります。また「基準」に沿っていることから、精度の高い不動産価格といえます。費用は掛かりますが、不動産鑑定評価書を取っておけばメリットも多くあるということです。

ただ、例外的に「簡易的な価格調査」ができるケースもありますので、詳しくは不動産鑑定士にお尋ねください。

不動産鑑定士 園田 修司

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