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協力/熊本県専門士業団体連絡協議会

「有価証券報告書の虚偽記載」って?

Q. 日本を代表する企業のトップが「有価証券報告書の虚偽記載」の疑いで逮捕されました。連日報道されていますが、よく分かりません。一体どういうことなのでしょうか。(30代 男性)
A. 投資家等に誤った情報を提供することです

上場企業などは毎年、有価証券報告書を公表する必要があります。これには、貸借対照表や損益計算書などの決算に関する項目も詳細に記されており、規模の大きい企業では100ページを超える内容となっています。

この中に役員報酬という項目もあり、2010年から1億円以上の役員報酬について個別に開示するようになりました。役員報酬開示の対象となった事項は、(1)役員の区分別・報酬種類別による総額(2)連結報酬が1億円以上の役員の個別報酬(3)役員報酬の決定方針─の3点です。

今回、問題となっている企業の報告書には、(2)について、カルロス・ゴーン=取締役・7億円、西川廣人=取締役・5億円と記載されており(要約)、逮捕容疑は、その金額(7億円)が実際の報酬額(報道では20億円)より少ないのではないかというものです。

上場企業などは自社の状況を適切に開示することで、投資家等に正しい判断材料を提供する義務があります。従って、有価証券報告書に虚偽記載を行った場合には、投資家等に誤った情報を提供したとして10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が課せられます。

ちなみに1億円以上の役員報酬は、2010年の289人(166社)に対し、18年は538人(240社)に増加しています。

公認会計士 庄田 浩一

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