日々の暮らしのちょっと難解なお悩みに、弁護士や司法書士など専門士業の先生たちが答えます。
協力/熊本県専門士業団体連絡協議会
隣家の瓦で割れた窓ガラスは償ってもらえる?
Q. 台風で隣の家の屋根瓦が飛んできて、うちの窓ガラスが割れてしまいました。隣人は、天災が原因だからと言って何もしてくれません。どうにかなりませんか?(40代 男性)
A. 原因次第で損害賠償を請求できる場合があります
近年、地震や台風などの大規模な自然災害によって、家屋が大きな被害に遭うというニュースをよく耳にします。そして、ご相談のような自然災害を原因とする紛争も、特に近隣間において多く発生しています。
今回のケースでは、お隣の家の屋根瓦の設置または管理に、瑕疵(かし=欠陥などの不十分なところ)があったかどうかが焦点となります。住居やビルなど土地の工作物の設置または管理に、瑕疵があったことによって他人に被害が発生した場合は、工作物の占有者(実際に住んでいる方)または所有者が、その瑕疵を認識していたかどうかに関わらず、被害者の負った損害を賠償しなければなりません。これを「土地工作物責任」といいます。
従って、例えば「屋根瓦の釘が外れていた」「釘が浮いたままになっていた」などの瑕疵が認められた場合には、窓ガラスの破損に伴う損害の賠償を求めることができると思われます。
ただ、大規模な自然災害の場合、原因が瑕疵によるものか災害によるものかを区別するのが難しいケースも少なくありません。また、ご近所との関係が壊れることを恐れて、請求を諦める場合も多いのではないのでしょうか。台風による損害を補償対象とする火災保険も多くあります。加入されていれば、まずはその補償内容を確認することをお勧めします。
弁護士 福田 誠也
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