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協力/熊本県専門士業団体連絡協議会

亡くなった夫の口座が凍結され生活が…

Q. 先日、夫が亡くなりました。私たち夫婦には子どもがおらず、相続人が夫の兄弟、おい、めいにまで及ぶようです。また、夫の口座が凍結され、葬儀代や当面の生活費に困っています。解決方法はないでしょうか。(60代 女性)
A. 相続法が改正され一部払い戻しが可能に

ご主人の口座にある資金で生活されていたようですね。亡くなられた方の口座は、その後のトラブルを防ぐため、銀行に死去の情報が入った時点で凍結されます。

実は今年の1月から、約40年ぶりに相続法が改正されています。内容によって順次、変わっていっているのですが、その一部として今年の7月からは、相続預貯金を遺産分割前でも家庭裁判所での手続きを経ずに、金融機関で一部払い戻しできる制度が始まりました。

改正前までは、遺産分割が終了するまで、相続人単独では預貯金債権の払い戻しができませんでした。改正後は、払い戻し額について次のように変更されています。

〈相続開始時の預貯金債権の額(口座基準)〉×1/3×〈当該払い戻しを行う共同相続人の法定相続分〉=単独で払い戻しができる額(1つの金融機関につき上限150万円)。例えばご質問の場合で、仮に預金が300万円あるとすれば、300万円×1/3×3/4(法定相続分)=75万円となります。つまり、75万円までは単独で払い戻しが可能になるというわけです。

ご相談の件で、もし遺産分割に時間を要するようであれば、この制度を利用して払い戻しをされてはいかかでしょうか。

司法書士 硯川 剛

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