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協力/熊本県専門士業団体連絡協議会

2年前の飲食代の請求書が今頃届いて…

Q.2年ほど前に飲食をしたお店から、飲食代の請求書が届きました。「何で今頃?」という気もしていますが…。長期間請求されていなくても、やはり支払わなければなりませんか?(30代 女性)
A.現行法で時効は1年 支払いを免れる場合も

突然、請求書が届いて驚かれたことでしょう。金銭の支払いを求める権利(債権)には、一定期間権利を行使しないと消滅してしまう制度があります。これを「消滅時効」といいます。

現在の法律では、消滅時効期間は原則10年と定められていますが、例外として職業別に3年、2年または1年といった、10年よりも短い短期消滅時効制度が設けられています。相談者のケースであれば、飲食代金なので時効期間は1年となります。

しかし、2020年4月1日から改正民法(債権法)が施行されます。新法では、職業別に定められていた従来の時効期間が全て、原則5年となります。

今回の場合、2年前のことなので、現行の法律が適用され、仮に領収書がなく支払いの事実が証明できないとしても、消滅時効である旨を主張すれば、支払いを免れる可能性があります。ただ、同様のケースで、2020年4月1日以降に飲食された代金であれば、消滅時効の期間は5年となり、これを経過しない限り消滅時効の主張は認められません。

請求する側からすれば、これまで1年間しか請求できなかったものが、今回の改正によって少なくとも5年間は請求できることになります。このように時効制度が変わることで、私たちの生活にも大きな影響が生じることが予想されます。

司法書士 川越 吉紘

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