今回教えてくれるのは「浦田幸助さん」
うらた こうすけ
浦田幸助FP事務所所長。個別相談への対応やセミナー開催など、活動は多岐にわたる。ファイナンシャルプランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャルプランニング技能士。
https://www.sfpmoney.jp/
通信機器で運転データを収集、分析 安全度合いに応じて保険料が割安に
【今回のスタディー】テレマティクス保険
最近、「テレマティクス保険」という言葉を耳にするようになりました。テレマティクスとは、自動車などの移動体に通信システムを組み合わせ、リアルタイムに情報を提供することをいい、これを活用した自動車保険がテレマティクス保険です。自動車に搭載した端末で計測された走行距離や運転速度、ブレーキのかけ方などの運転情報を保険会社が取得し、その情報を基に運転者の事故リスクを分析して保険料を算出する仕組みです。
走行距離連動型と運転行動連動型
テレマティクス保険には、走行距離連動型(PAYD=Pay As You Drive)と運転行動連動型(PHYD=Pay How You Drive)の2種類があります。「走行距離が短い車」や「急ブレーキ・急発進が少なく、安全運転をしている車」と判断されれば、保険料の割引を受けることができます。
保険料の割引に加え、専用のドライブレコーダーを付けると、万一の事故の際の記録が自動的に保険会社に送信され、事故の解決に役立ったり、高速道路を逆走した場合などに警告して事故を未然に防いだりといったことも期待できます。
個人情報が漏れるデメリットも
一方、テレマティクス保険のデメリットとして、保険の査定以外の運転情報も保険会社に伝わってしまうことが挙げられます。例えば、個人情報となっている運転者の位置情報も保険会社に知られてしまいます。その点を理解した上で利用する必要があります。
またテレマティクス保険では、安全運転者は保険料が安くなりますが、安全にあまり注意を払わない運転者は逆に保険料が高くなることが考えられます。そうした人は従来の自動車保険にとどまることが想定され、結果、従来の自動車保険の事故率が増加して保険料が高くなる可能性があります。保険料が高くなると、任意保険の未加入者が増えてしまうことも懸念されます。
自動車保険料引き下げ
損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は6月30日、任意の自動車保険の保険料を決める際の目安となる「参考純率」を平均3.8%引き下げる、と発表しました。理由は安全運転を支援する技術の普及で交通事故が減っているためです。これにより、損保各社は2022年以降に保険料を値下げすることになります。
保険は、保険金支払いに充てられる「純保険料率」と、保険会社の営業費用に充てられる「付加保険料率」からなります。そのうち純保険料率の参考値となるのが参考純率です。
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