自宅を有効活用して資金を調達 老後の生活を考える新たな選択肢に
【今回のスタディー】リバースモーゲージ
ライフプランニングにおいて、程度の差こそあれ、世代・年代を問わず誰もが気にかけているテーマといえば“老後”ではないでしょうか。「年金はいくらもらえるの?」「介護費用はいくらかかるの?」。人により、また状況により差が大きく、ひと言で答えることは難しい問いです。
それら老後の生活資金に備える方法としては、貯蓄や保険など、何らかの金融商品で積み立てる方法が一般的ではないでしょうか。今回は、新たな選択肢として、これから視野に入れていきたい『リバースモーゲージ』を取り上げます。
利息のみを払うローン
『リバースモーゲージ』をひと言で説明すると、「自宅を生活資金に変える手法」となりましょうか。だからと言って、すぐに売却してしまうわけではありません。自宅を担保に融資を受け、生きている間は利息のみを負担しながら、自宅で生活を続けることができるのがこの手法です。借りたお金を返済するのは亡くなった後。担保不動産を売却することで、借入金を一括返済する資金に充てます。
『不動産担保型生活資金貸付』の名称で社会福祉協議会が行う“公的機関型”と、民間金融機関が取り扱う“ローン商品”の大きく2つに分類することができ、融資条件など細かな内容は実施主体によって異なります。
“自宅”という資産を取り崩す!?
私たち日本人の文化として、不動産、特に自宅に対しては漠然と「子に相続させるもの」とする考えが根深いように思います。そうした常識を破り、自宅という資産を有効活用して生活資金を調達していくこの手法は、預貯金など金融資産を取り崩していくことと、本質的な部分では共通していると思います。
新たな選択肢の広がりは、自宅の資産価値に対する新たな考え方の軸を、私たちにもたらしてくれるのかもしれません。
リバースモーゲージ利子助成事業
熊本地震で自宅が被災した人にとっても、リバースモーゲージは住宅再建のための注目すべき選択肢の一つとなっています。このほど県が発表した『リバースモーゲージ利子助成事業』では、一定の条件を満たす被災者は、住宅再建のために借り入れた資金のうち850万円までの利子相当額を、20年分まとめて助成してもらうことができます。例えば、金利が0.55%である場合、借入金850万円に対する20年分の利子総額は93万5000円。
申請の窓口は市町村で、ほとんどの自治体ですでに受け付けが始まっています(芦北町は12/20~、和水町は1/15~)。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
https://kakei773.com
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