“無理なく続けられる”が成功の鍵 価値観や生活に合った予算立てを
【今回のスタディー】家計管理(下)
今週も、家計管理について語りましょう。まずは前回の振り返りから。私たちは、毎月発生するわけではない支出を“突発的なもの”と捉えてしまいがちだということ。しかし実際は、それらは多くの場合、年単位あるいは数年周期の“定期的支出”であるということ。なので、これらを含めた予算を立てておく必要がある…ということでしたね。
平均値は“正解”ではない
さて、“予算”といえば、よくいただくのが「○○費の平均額は?」という質問。それって、あなたの予算と関係ありますか? 「○○費の平均額」とは、あなたと同じように悩める人々が「これでいいの?」と迷いながら支出した総額を、頭数で割っただけの数字に過ぎません。あたかも“目指すべき正解”かのような思い込みは、百害あって一利なし。さっさと捨ててしまいましょう。
では、どうするか。注目すべきは、あなた自身のこと。まずは、過去1年分の収支実績をつかむところから始めます。
収支の詳細把握し週単位に分けて
給与明細や源泉徴収票、預金通帳、クレジットカードの支払い明細書を振り返ると、年間を通じて、家計にいくら収入があり、何にいくら支出したのか、かなり詳細に把握することができます。
次は、実績値を参考に、優先的・固定的に支出するものから予算枠を割り当てます。このとき、年単位~数年周期の“定期的支出”もしっかり盛り込んでおきましょう。すると必然的に、それ以外の支出は「残った枠の範囲内で」となりますね。多くの場合「食費と日用品費で月〇万円」といった感じに集約されます。
あとは、それをさらに週単位の予算に分けて決めた通りに守るだけ。週単位にするのは、ピンチの時でも1日2日程度なら何とか乗り切れるものだからです。
あなたの価値観や生活にマッチした“無理なく続けられる予算”が、家計管理の成功の鍵となるのです。
お勧め! 家族全員お小遣い制
せっかく予算を立てても、夫の飲み会代など“別料金”があると、うまくいくものもいかなくなってしまいがち。また、日常生活費に紛れ「妻の小遣いがブラックボックス」というケースも意外と少なくなく…。
そこでお勧めなのが、一定年齢以上の子どもも含めた『家族全員お小遣い制』です。各人の責任で管理する範囲と、それらがやりくりできる金額を割り当てて「別料金なし」とするのです。(1)余っても取り上げない(2)足りなくても追加しない…というシンプルなルールで家計は格段に改善されるから驚きです。子どもにとっては、社会に出る前にお金と付き合う練習にもなります。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
https://kakei773.com
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くまにち すぱいす 「家計相談」係
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次回の予定は
住宅ローンの持分割合を思案中
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