親が死んで未成年の子が遺されたら… ひとり親が取り組んでおきたい「遺言」

【今回のスタディー】未成年後見人制度

先週19日付『家計相談Q&A』に登場してくださったのは、ひとり親世帯のお母さんでした。将来の教育資金を蓄えたり、万一に備えて保険に加入したり…は、家族の形に関わらず必要なこと。一方で、ひとり親だからこそ取り組んでおくべき大切なことがあります。今回は、その件についてお話しさせてください。

未成年後見人を遺言で指定

ひとり親だからこそ取り組んでおくべきこと。それは、遺言です。読者の中の当事者は「そんな年じゃないし」「財産なんてないから…」なんて思われるかもしれません。しかし遺言とは、遺産について書き残すためだけのものではありません。そしてこの場合、若いからこそ必要なのであって、年を重ねたら要らなくなってしまいます。ひとり親が遺言しておくべきこととは、お子さんの『未成年後見人の指定』です。

通常、子どもの親権は両親が共同で持ちます。しかし、ひとり親世帯では、どちらか一方の親がそれを担当します。もしも、その“たった一人の親権者”が亡くなったら、子どもの法律上の保護者はいなくなってしまいます。実は、預金を相続したり、保険金を請求したりといった手続きも、未成年者が単独で行うことはできません。それらをサポートできるのも『未成年後見人』なのです。

子どもの大事な将来を託すために

『未成年後見人』選定の方法は、(1)親権者亡き後、関係者の申し立てにより家庭裁判所が選任する(2)最後の親権者が遺言で指定しておく―のいずれかです。(1)の場合、裁判所は子どもの福祉を最優先に判断するとされていますが、それを誰よりも知っているのは、ほかでもないひとり親自身ではないでしょうか。最も信頼し、安心できる人に子どもの将来を託すことができ、諸々の手続きも速やかに進めることができる手段が遺言というわけです。

未成年後見監督人の指定も

未成年者の保護者について、遺言で指定できるのは『未成年後見人』だけではありません。未成年後見人が適正に職務にあたっているかどうかを監督する『未成年後見監督人』も同時に指定できることになっています。

悲しいことですが、世間では、未成年者の権利や財産を守る立場である未成年後見人が、守られるべき未成年者の財産を私的に流用してしまう…などの不正も聞かない話ではありません。万一の際に、緊張感を持って後見にあたってもらうためにも、後見人と監督人の双方を指定しておくのがよいでしょう。


さとう ななみ

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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次回の予定は

定期的な貯蓄しないまま産休へ
子どもの教育資金どう蓄えたら?

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