家計の安定につなげたい社会保険 保険料額と享受する保障を理解して
【今回のスタディー】社会保険料の負担
あなたは、給与明細のどこを見ていますか? おそらく「手取り額だけ」という人が大半で、「支給額や天引き額の明細までチェックする」という人はまれではないでしょうか。最近は、給与明細も電子化され、印刷・配布しない職場も増えています。そもそも「給与明細は見ていない」という人も少なくない印象です。
大金を納めていること自覚して
さて、毎月の給与から天引きされる税や社会保険料は、関係法規に従って徴収されます。人により状況により多少の差異はありますが、これらの年間合計額は、年収300万円の人で55万円(うち社保45万円)前後、500万円なら100万円(同70万円)前後、800万円だと200万円(同115万円)前後にも上ります。これほどの大金を納めていること、あなたは知っていましたか?
「自覚したところで免れられない」「むしろ目をそらしていたい」というご意見もあるでしょう。確かに、これらを節約するすべは非常に限られます。中でも社会保険料については、標準報酬月額に対する割合で徴収されるので、減額したければ収入を減らすしかありません。
それでも、大金を納めている自覚を持ちたいのは、そのほうが家計全体にとって有益だと思うから。その上で、享受している保障にもシッカリと目を向けてみませんか。
意外と手厚い保障を有益に
社会保険、つまり厚生年金や健康保険などの具体的な給付については次週にご紹介するとして、今回はまず結論から。これらの給付は意外と手厚いのです。そうとは知らずに、「もしも」が不安で生命保険に入り過ぎている人があまりにも多いと感じています。既にある社会保険の給付だけでは足りない分の保障を補えば十分なはずで、家計も楽になるのに…。
余計な不安を手放して家計の安定につなげるためにも、今一度、給与明細を確認してみてはいかがでしょうか。
標準報酬月額はどうやって決まる?
社会保険料は「標準報酬月額に対する割合で徴収される」とお話ししました。標準報酬月額は、毎年4・5・6月に支給される給与・手当の総額を3カ月で平均し、厚生年金で31等級、健康・介護保険で50等級に区分、これを区切りのいい金額に当てはめたものです。これに各保険料率(厚生年金18.3%、健康保険10.18%、介護保険1.73%、健康・介護保険は、熊本県の協会けんぽ平成31年4月納付分からの料率)を掛けて保険料額を算出。本人と事業主が折半で負担します。
標準報酬月額は、原則として年間を通じて一定です。年収が同じでも、4~6月の収入額が多い人の方が保険料負担は多いことになります。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
https://kakei773.com
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次回の予定は
ちゃっかり家計学
社会保険について(2)
お楽しみに!
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