個人の生活上のリスクをカバー 将来設計は公的保障も考慮して

【今回のスタディー】社会保険の給付

前回は、毎月の給与から天引きされている税や社会保険料が膨大な金額であることに触れました。年間で数十~数百万円というかなりの大金ではありますが、これらは私たちの財布から一方的に吸い上げられるだけのものではありません。税は、さまざまな行政サービスや社会インフラの財源であり、社会保険は、個人の生活上のリスクをカバーしてくれる頼もしい存在です。今回は、社会保険の厚生年金と健康保険の保障について、代表的なものを取り上げます。

年金は老齢・障害・遺族の三本柱

まず厚生年金の柱は、何といっても老後の生活を支えてくれる『老齢年金』です。それだけでなく重い障害を負った人に給付される『障害年金』や、家計の担い手を失った遺族に給付される『遺族年金』といった保障もあります。障害・遺族の各年金の給付額は、標準報酬月額や保険料の納付期間によって算出されます。また、家族構成等によっては基礎年金も併せて給付され、月額換算で数万~十数万円になるとお考えください。

医療費負担などを補う健康保険

健康保険には、保険診療による医療費の自己負担分(1~3割)が限度額を超えた場合、その超えた分について負担を免除する制度があり、これを『高額療養費』といいます。また、傷病や出産で休業し無給である期間について、標準報酬の3分の2相当額を補填(てん)してくれる『傷病手当金』『出産手当金』の制度も頼りになります。療養が必要となった場合でも、健康保険があることで、それなりの保障があるということを知っておいていただきたいと思います。

さて、あなたが「もしもに備えて…」と加入している生命・医療保険は、これら社会保険からの給付を踏まえて設計されたものでしょうか。不安に任せてやみくもに加入しているのなら、シッカリ見直すことで保険料を節約できる可能性は大きいと思いますよ。

組合健保の保障はさらに手厚く

健康保険の保険者には、全国健康保険協会が運営する“協会けんぽ”と、大企業や公務員等の組合が団体ごとに運営する“組合健保”があります。このうち組合健保については、独自給付でさらに手厚い保障を設けている団体も少なくありません。

例えば、公務員の健康保険組合の多くは、保険診療費の自己負担上限額を月2万5000円(上位所得者は5万円)としており、一般の8万100円+α(標準報酬28~50万円の場合)と比べてかなり軽く抑えられています。もはや医療保険に入るより、保険料相当額を蓄えておく方が有益かも。その他、組合健保の独自給付については、ご加入の健康保険組合にご確認ください。


さとう ななみ

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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