実話! 「覚えがない請求」がカード明細に 確認と対処で金銭的な損害を回避
【今回のスタディー】カード不正利用
自営業を営む友人Aに頼まれ、会計記帳を手伝っていたときの話です。クレジットカードの請求明細に目を通しながら「なにコレ?」とつぶやくA。一瞬だけ固まったAでしたが、直後に猛スピードで開いたのは、某大手通販サイトの購入履歴です。「あの…身に覚えのない請求があるんですけど」。え! 本当に?
カードの利用明細には、確かに通販サイトからの請求が。しかも2日続けて計6件。1日目には6125円と6223円が各2口、2日目には6223円が2口。しかし、それらの日付と金額は、通販サイトの購入履歴には見当たりません。
別の誰かの不正な買い物と判明
まずは、大手通販サイトのカスタマーセンターに確認。いろいろ聞かれて「確かにA様のお買い物ではございません」との回答を得ることができました。誰か別の人物が、Aのカード情報を自分のアカウントで不正使用していたというわけです。当該代金の請求と、不正アカウントからのカード情報の取り消しがかない、まずは一安心。次は、流出してしまったカード情報への対処です。
クレジットカード会社には、通販サイトから教えてもらった担当部署に電話で事情を説明。速やかに再発行の手続きを受けることができました。ちなみにこの場合、再発行手数料は無料でした。
リスクの認識と十分な確認を
今回、金銭的な損害を防げたのは、Aがきちんと利用明細を確認したことが大きかったと思います。加えて、不自然な金額と使用状況が目を引いたことも幸運でした。よく利用するお店で目立たない金額の請求が紛れ込んでいたら、気付かないまま支払ってしまう人も少なくないと思うからです。
上手に利用すれば便利でお得なクレジットカード。しかし、こうしたリスクについても十分認識し、確認や対策を怠らないことの重要性を改めて認識した事件でした。 ※本人の了承を得て紹介しています
落ち度があれば補償がない場合も…
ところで、Aのカード情報はどこから流出してしまったのでしょう。少なくとも本人は誰かに貸したことはなく、家族カードの利用もないとのこと。確証はないものの、気付かないうちにどこかでスキミング(情報の抜き取り)被害に遭ってしまったのかもしれません。
事の経緯から、Aにはカード管理上の落ち度が認められなかったため、実損を免れることができました。しかし、カードを他人に貸すなどして使われてしまった場合は、カード所有者には支払いの責任が発生します。また、裏面に署名しないまま紛失や盗難などに遭い、不正使用されてしまった場合も補償は受けられません。カードはしっかり署名し、正しく管理しましょう。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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