契約内容によくある勘違いや思い込み 真に必要な保障のために“知る努力”を
【今回のスタディー】生命保険(2)
先週に引き続き生命保険のお話です。9割に迫る世帯が加入し、高額の保険料を支払う一方で、多くの人が「分からない」と口にする生命保険。数々の相談事例から、思い込みや勘違いがとても多いことを実感しています。
“言われるがまま”を卒業し、目的にかなう保障を合理的に持つためには、私たち加入者側にも“知る努力”が欠かせません。今回は、生命保険へのよくある思い込みの事例をご紹介します。
特約とは保障の上乗せ
割と多いのが、医療保険に付帯できる『生活習慣病特約』『女性疾病特約』『がん特約』など、特定の疾患名が付いた特約に関する誤解です。例えば、「私の保険には女性疾病特約が付いておらず心配。見直すべき?」といった質問を受けることがあります。こうした声は「女性疾病特約を付帯していなければ女性特有の疾病で入院しても保障は受けられない」という思い込みが大半(生活習慣病特約も同様)ですが、あなたはどのように解釈していましたか。
これらの特約は一般的に、「病気やケガの治療を目的とした入院」を対象とする『医療保険』に付帯するもの。そして、生活習慣病や女性疾病、がんも病気の一種ですから、主契約である医療保険から当然に保障を受けられます。では、特約の意味は? 追加料金を払って「その病名に該当した場合にさらに保障を上乗せする」ものであり、「なければ保障が受けられない」わけではないのです。
更新は“義務”ではなく“権利”
次は更新型の保険について。「一定期間ごとに保険料が上がる」と嫌う人は少なくない印象です。確かに、同じ内容で更新すれば一般的に保険料は上がりますが、中には途中で不要となる保障もあるはずです。それらを「減額」あるいは「更新しない」という選択もあるのです。更新は「回避できない義務」ではなく「健康状態を問わず保障を継続できる権利」であることも、正しく認識しておきたいことの一つです。
解約はあなたの意志でいつでもできます
「解約したい」と言いつつ、保険を継続している人がいます。聞けば、担当者から「〇年間は解約できない」と言われており、その期間を満たしていないのだそう。
保険法第54条には「保険契約者は、いつでも生命保険契約を解除することができる」とあります。「解約できない」と言われた「〇年間(〇には2とか3あたりの数字が入ります)」とは、担当者にとって営業成績にマイナスが付く期間と考えてほぼ間違いないでしょう。
繰り返します。生命保険契約は、あなたの意志でいつでも解約できます。担当者に申し出ても対応してくれない場合は、保険会社のカスタマーセンターに直接連絡を入れてみてください。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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