消費増税の裏でこっそり上がっている物価 収入も増えにくい今、家計をどう守る?

【今回のスタディー】物価上昇

消費税がいよいよ10%になりますね。これに伴い、一部の生活必需品を対象とした“軽減税率”や、キャッシュレス決済による“ポイント還元”など、新たな制度が導入されますので、一部、増税後の方がお得に買い物できるケースも想定されます。それでもやはり、全体的な負担増は否めません。

負担増といえば、消費税だけでなく物価そのものがじんわり値上がりしていることを実感している人も少なくないでしょう。食料品や日用品など身近な商品の中には、表示価格が上がっているものもあれば、同じように見えて内容量がこっそり減少しているものも…。これも実質的な値上がりですね。

物価上昇に対する給与の伸びは?

政府の統計を見てみると、2014年~18年の4年間で、物価は2・1%上昇しています(総務省『消費者物価指数』)。一方、この間の給与の上昇幅は1・3%(厚生労働省『毎月勤労統計』)。この間、社会保険料率も上昇しているので、手取り収入に置き直すと、伸び率は実質0・7%程度にとどまります。

お金の価値が目減りする!?

物価の上昇自体は決して悪いことではありません。それを上回って収入が増えれば負担ではありませんし、さらに消費が増えることで経済は活性化します。

一方で、物価が上昇すると、相対的にお金の価値は下がります。例えば、預金金利がゼロに近い今の状況で、1万円を1万円のまま10年持ち続けても、もしその間に物価が5%上がれば、今1万円で買える物は1万500円出さないと手に入らないことになります。

一番の問題は物価の上昇以上に収入が増えていないこと。ここが何とかならないことには、家計は“守り”に入るしかありませんね。ただ、やみくもに守るだけでは守り切れないのもまた事実。同時に“攻め”の手立てを講じることも必要です。資産運用の重要性が改めて注目されます。

内容量がこっそり減っている「ステルス値上げ」

一見、変わりがないようで、内容量がこっそり減っている商品は、お菓子や飲料、調味料などの食料品から洗剤などの日用品まで、かなり頻繁に見受けられます。このような値上げを“ステルス値上げ”と呼ぶそうです。

ステルス値上げは、商品価格を上げれば購入が控えられてしまうかもしれない中で、増加するコストを吸収したい企業の努力ともいえるでしょう。これを「仕方ない」とする人が19.1%いる一方で、「買うのをやめた、買う商品を変えた」人が23.9%、「不誠実だと感じる」人が22.6%という声もあるようです(消費者庁『物価モニター調査(18年7月)』)。


さとう ななみ

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
https://kakei773.com

相談者募集!

ななみ先生に家計相談したい読者を募集しています。紙上では仮名とさせていただきます。家計収支用(紙面参照)と住所・指名・電話番号を書いて下記へ。WEBでも受け付け中!

〒860-8506 ※宛先住所は不要
くまにち すぱいす 「家計相談」係
FAX 096-372-8710
spice.spice@kumanichi.co.jp

採用分には商品券3000円分進呈。


次回の予定は

家計相談 Q and A
子の進学用に500万円ずつためたい
育休中だけど、何かいい方法は?

お楽しみに!