カード・スマホ決済によるポイント還元 お得な半面、クレジット機能には注意を
【今回のスタディー】キャッシュレス決済
消費税率が10%に引き上げられておよそ2カ月、家計への影響はいかがでしょうか。今回の増税では、軽減税率の導入で食料品などの税率が据え置かれたこともあり、前回ほどのインパクトは感じていないとの声もあるようです。
同じくこの2カ月間でより目に付くようになったのがキャッシュレス決済。政府のポイント還元事業や、決済事業者によるキャンペーンを活用することで、増税前よりお得に買い物できるケースも少なくないですよね。あなたは、もう取り入れていますか?
ちょっとした油断が積み重なると…
キャッシュレス決済には、ポイント還元などのメリットがある一方、お財布のひもが緩みがちになってしまう傾向が見られるようです。それでも、あらかじめ資金をチャージしておく電子マネーや、銀行口座から即時引き落しされるデビットカードなら、資金の残高までしか利用できないため自制心も働くでしょう。
これらに対して、後払いのクレジット決済では、手元の資金残高を超えて支出できるため、ちょっとした油断の積み重ねが家計を窮地に陥れるリスクをはらんでいます。一つ一つの支出においては節約を意識しているつもりでも、累計でいくら使っているのかを把握できていなければ、家計は簡単に赤字になり得ます。中でも、細心の注意を要するのが“リボ払い”です。これについては、次週詳しくお話しします。
家計の予算設計を見直して
これを機に、初心に帰って取り組みたいのが、予算を立てて生活するということ。収入や将来設計に見合った日常生活費はいくらなのかを今一度キチンと割り出し、把握しておきましょう。その範囲内でやりくりさえしていれば、たまのプチぜいたくだって問題なし。どんな手段で決済しようと、予算を全部使い切ろうと、安心して生活していけますね。
クレジットカードは人を気前よくする
行動経済学のダン・アリエリー教授(デューク大学)は、著書の中で「人はお金を支払うときに痛みを感じる」と述べています。神経画像やMRIを用いた研究でも、脳内の痛みの処理に関わる部位の変化が、出費によって実際に刺激されることが分かっているそうです。
その痛みを避けるために「消費と出費のタイミングを分離し、出費への注目を減らすこと」が有効で、クレジットカードはまさにこれを実現すると教授は指摘します。クレジットカードでの買い物は、現金の場合と比べて痛みを感じにくいため、人は無意識に気前よく振る舞う…。キャッシュレス社会の加速にあたり、十分に意識しておく必要がありそうですね。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
https://kakei773.com
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