一定額の返済が一見楽に思えるも… 手数料で残高減らないという落とし穴

【今回のスタディー】リボ払い

国を挙げて、キャッシュレス化が推し進められています。政府によるポイント還元事業が始まって2カ月、普段の支払い方法は何か変わりましたか?

キャッシュレス決済は、簡単・便利・スピーディーで、上手に活用すれば“お得”にもなる半面、使う人を無意識に気前よく振る舞わせる力も秘めており、その点を明確に意識して対策をしておく必要があると思います。中でも、確実に避けておきたいのが“リボ払い”です。

いくら使っても増えない…の?

“リボ払い”とは、クレジットカードの返済方式の一つで、規定の範囲内であれば利用額に関わらず毎月一定額の返済だけで済むというものです。例えば、月々返済額を1万円と決めれば、利用額が10万円でも20万円でも、また50万円でも1万円ずつの返済でOK。月々の返済額だけを見ると、とても楽な方法に見えるでしょう。しかしそこが“リボ払い”の怖いところ。気軽に追加利用を繰り返すうちに、累計いくらの利用になっているのか分からなくなってしまうのは、非常に多く見られる現象です。

使わない、利用しないが一番

借入金の利息は、常に残高に対して支払います。実質年率15%の場合、ひと月に支払う手数料額は、利用額残高10万円のとき1250円、20万円のとき2500円、50万円だと6250円です。1万円を返済しているつもりでいるのは大間違い。実際に返済できているのは手数料との差額のみですから、利用がかさむと、月の支払額の大半を手数料が占め、残高は一向に減らず終わることがない…といった状態に陥りかねません。

対策は、とにかくリボには近づかないこと。この一点に尽きます。分割払いを利用する場合は、返済負担が増えることを重く受け止めながら、それでも必要なものだけに絞りましょう。既にリボ払いをご利用の方は、直ちに残高を確認の上、少しでも早く相応の対応に動かれますように強くお勧めします。

知らない間の“リボ払い”に注意!

クレジットカードの中には、返済方式が初期設定で“リボ払い”に指定されているものや、そもそも“リボ払い”しかできない「リボ専用カード」もあり、知らないうちにそうなっていないか注意が必要です。特に、食費や日用品費など日常生活費をキャッシュレス決済へ移行するための利用なら、随時追加が発生することになり、毎月きちんと全額の支払いを済ませていかなければ大変なことになってしまいます。

さて、“リボ払い”といえば、高いポイント倍率が特徴ですね。ただし、もらえるポイントよりも高い手数料を支払っていることはしっかり認識すべき点です。


さとう ななみ

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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