今回教えてくれるのは「浦田幸助さん」
うらた こうすけ
浦田幸助FP事務所所長。個別相談への対応やセミナー開催など、活動は多岐にわたる。ファイナンシャルプランナー(CFP®)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。
https://www.sfpmoney.jp/
超えると社会保険への加入義務が発生 将来受け取る年金が増えるメリットも
【今回のスタディー】年収「106万円の壁」
5月29日の参院本会議で、パートなど非正規労働者への厚生年金の加入拡大を柱とした「年金制度改革関連法」が可決、成立しました。
改正の中の一つに、被用者保険(会社員などが加入する健康保険)の適用拡大が含まれています。保険が適用される企業規模要件が、令和4年10月に「従業員数101人以上」、同6年10月に「同51人以上」と、2段階で引き下げられることになりました。これに伴い適用対象者が大幅に増えることになったため、これからの働き方について考える必要がありそうです。
年収130万円を超えると…
さて、配偶者などの扶養の範囲内で働こうとお考えの方にとって、「年収130万円」は重要な数字です。これを超えてしまうと、扶養から外れることになり、自身で社会保険料(健康保険料や年金保険料)を負担しなければならなくなるからです。
また、一定規模以上の会社で働くと(*1)、年収106万円以上で、その会社の社会保険への加入が義務付けられ、給料の中から、厚生年金と健康保険を負担することになります。毎月保険料が徴収され、手取り額は減りますが、その一方で次のようなメリットがあります。
- 将来受け取れる年金が増える
- 体に障害がある状態になり、日常生活を送ることが困難になった場合なども、より多くの年金を受け取れる
- 医療保険(健康保険)の給付が充実
- 国民年金保険料、国民健康保険料よりも保険料が安くなることがある
年金受給額をシミュレーション
厚生労働省が、年金受給額について次のようにシミュレーションしています。
例えば、月収8万8000円(年収約106万円)の方が、毎月8000円(年額9万6000円)の保険料で40年間加入したとすると、毎月1万9000円(年額22万8000円)の年金を受け取れます。ちなみに、1年間だけ加入した場合でも、毎月500円(年額6000円)の年金を終身で受け取ることができます。参考にしてください。
*1の要件
- 従業員が501人以上(労使の合意があれば500人以下でも加入可能) →令和4年10月・同6年10月以降、企業規模引き下げ
- 収入が月8万8000円以上(年収約106万円以上)
- 雇用期間が1年以上 →令和4年10月以降、2カ月超
- 所定労働時間が週20時間以上
- 学生ではない
「年金制度改革関連法」
5月29日の参院本会議で可決、成立した年金制度改革関連法の内容をいくつかご紹介します。
(1)被用者保険の適用拡大
(2)60~64歳の在職老齢年金の見直し(支給停止とならない範囲の拡大)
(3)年金の受給開始時期の選択肢が75歳まで拡充
(4)確定拠出年金の加入年齢の引き上げ(企業型を65歳未満から70歳未満、個人型を60歳未満から65歳未満へ)
―などが主な改正点です。
全般的に、高齢期の経済基盤の確保と働き方の多様化に配慮した内容になっています。
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