今回教えてくれるのは「浦田幸助さん」

うらた こうすけ

浦田幸助FP事務所所長。個別相談への対応やセミナー開催など、活動は多岐にわたる。ファイナンシャルプランナー(CFP®)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。
https://www.sfpmoney.jp/


「他人にけが、器物破損」で役立つ保障 別の保険に特約で付けるのが一般的

【今回のスタディー】個人賠償責任保険

日常生活の中で、他人にけがをさせたり、人の物を壊してしまったりすると法律上の損害賠償義務を負うことがあります。2013年7月、当時小学5年生の少年が乗った自転車と歩行者との衝突事故をめぐる損害賠償訴訟で、神戸地裁は少年の母親に9500万円の高額賠償を命じました。他にも、キャッチボールをしていた小学生の投球が、付近で遊んでいた他の子どもに当たり死亡した事故で約6000万円、ゴルフ場でミスショットしたボールが他プレーヤーの頭に直撃して約2300万円など、近年さまざまな形態による賠償事故が起きています。

月100~200円の保険料

これらの賠償リスクをカバーするのが「個人賠償責任保険」です。この保険は単独ではあまり販売されておらず、クレジットカードに付帯できるものや、火災保険、自動車保険、傷害保険などの保険や共済に特約で付けるのが一般的です。

個人賠償責任保険は、ほとんどの商品が月々100~200円程度の保険料で1億円を超える保険額になっています。対象者の範囲は本人、配偶者、同居の親族、生計を一にする別居の未婚の子(仕送りを受けている学生など)となっており、最近では、責任無能力者の監督義務者などを保障の範囲に入れる保険もあります(例/別居で認知症の親を介護する子など)。保険を選ぶポイントとして、「示談交渉サービス」があるかどうかを確認してください。加害者として被害者と直接交渉し示談書を取り交わすのは大変な作業ですので、このサービスは付けておいた方がよいと思います。

カバーできないリスクも

一方で、個人賠償責任保険ではカバーできないケースもあるため注意を。例えば、(1)仕事中の賠償事故(2)自動車やバイクによる事故(3)けんかが原因の賠償(4)他人から借りた物を壊してしまった場合(5)同居の親族に対する損害―などは保険適用の対象外になります。これらのリスクをカバーするには、別の専用の保険に加入するか、貯蓄をすることで対処する必要があります。


自転車の適正利用に関する条例

熊本県では、2015年4月1日に「熊本県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が施行されました。この条例には、自転車利用者や事業者などさまざまな立場での責務や相互の連携・協力、自転車が加害者となった交通事故での高額な賠償に備えることなどが盛り込まれており、自転車損害賠償保険などへの加入が努力義務として規定されています。

もしもの場合に備えて、保険に入ることは重要です。しかし、何よりも事故を起こさないことが一番大切ですので、自転車を利用するときはルールとマナーを守りましょう。


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