今回教えてくれるのは「佐藤ななみさん」

さとう ななみ

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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家計防衛、資産運用の場面で頻出 正確に理解し、家計を守る一助に

【今回のスタディー】「ホショウ」の話

お金の分野で使われる言葉には、目に見えず、また手に取ることのできない「形なきもの」を表すものが数多くあります。中には、同じ音を発しながら意味が異なる言葉もあり、曖昧に認識していると重要な点で解釈を誤ってしまう危険も。そんな用語の代表例として、家計防衛や資産運用の場面で頻出する「ホショウ」についてお話ししたいと思います。

「保障」「補償」「保証」の3つ

お金の分野で使われるホショウには、「保障」「補償」「保証」の3つがあります。あなたは、これらを正確に使い分けることができますか?

「保障」には、「ある状態が損なわれることのないよう保護し守ること(※)」という意味があります。”安全保障”や”社会保障”といった使い方がされ、生命保険の死亡保険金や入院給付金などのホショウもこの「保障」です。

「補償」とは、読んで字のごとく「損失を補い償うこと(※)」です。”休業補償”や”補償金”といった場合に使われます。損害保険分野のホショウもこの「補償」で、契約した保険金額の範囲内で実際に生じた損害の額が支払われること〈実損填補(てんぽ)〉が生命保険の「保障」と大きく異なる点です。

「保証」は、「間違いがないと認め責任を持つこと(※)」という意味です。”保証書””保証人””元本保証”などがこのホショウです。ですから万一、内容に瑕疵(かし)が生じた場合には、保証を請け負った人がそれを埋め合わせます。商品の交換・修理、債務の肩代わりなどをもって保証を実行するというわけです。
                                                           (※)デジタル大辞泉より

「不測の事態への後ろ盾」

いずれのホショウも、「不測の事態への後ろ盾」という点で共通しているだけに混同してしまいがちかもしれませんね。

このように、何となく曖昧に認識しがちな形なきお金の言葉―。正確に理解することで家計を守る一助としていただけたら幸いです。

「ホショウが付いているから」

貯蓄型・投資型の生命保険商品を資産形成に利用している人から、それを採用した理由によく挙がるのが、「ホショウが付いているから」です。確かに。むしろ「付いている」というより、「保障」は生命保険の本質そのもの。ないはずはありません。

その点を正しく理解した上での採用なら、選択肢の一つといえるかもしれません。ですが、時に「(元本)保証がある」と勘違いされているのでは…と感じることも。生命保険に元本保証はありません。むしろ保障コストがあるゆえに、一定期間の元本割れを避けることができないのが構造上の宿命ともいえます。あなたの「ホショウ」は勘違いではありませんでしたか?


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