年間約50万円にも及ぶ生命保険料 将来、本当に役に立つ…?
Q.
現在は、実家で両親と生活しています。今後、一人暮らしを始めたいので、無駄を省いて貯金しようと思っています。
相談したいのは、加入している生命保険のことです。親戚に頼まれて、就業不能時の保障と入院時の保障に各1件、個人年金に3件の合計5件の契約をしています。保険料は、月払い分の2万3000円に加え、年払いで20万円弱。年間合計額は50万円近くになります。
大半が貯蓄型ですが、本当に将来の役に立つのか疑問です。21~23歳ぐらいで加入したので3~5年ほど払っています。このまま続けていても大丈夫でしょうか。
A.
個人年金に限らず、保険商品で蓄えることについて、私は明確に反対の立場です。理由は、高コストと低金利。同じ金額を拠出しても、預金、有価証券、保険では、積み立ての仕組みが全く異なるのです。
銀行預金では、ご存じの通り、預けたお金の全額が積み立てられます。現在の金利は0・01%程度と非常に低いですが、元金が減ることはありません。
対して保険商品では、支払った保険料から事業費などを差し引いた金額が、契約時に定められた利率(原則固定)で積み立てられます。実際の商品から逆算すると、差し引かれる割合は保険料の1~4割ほど(保険種類による)にも上ります。証券投資における販売手数料0~3%程度と比較しても、いかに高額であるかが分かります。
保険の利率は、預金よりは若干高いものの、ゼロ~マイナス金利時代の契約は、保険料払い込み期間中の大半で、元本割れを起こしているのが通常です。20年、30年とマイナス運用を続けた末、総支払額から見た最終利回りは“預金に毛が生えた程度”。資金の目的が老後の対策に片寄っていることも感心しません。
入院時などのちょっとした給付も、保険料分を蓄えておけば、あっという間に準備できそう。損失が小さいうちに預金や投資へのシフトをおすすめします。
さとう ななみ
「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
https://kakei773.com
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