今後、仕事を減らし収入が減る予定 子どもの扶養に入った方がよい?

Q.

それぞれ別の施設に入居している両親の介護をしながら、時給制で働いています。

以前は、社会保険に加入していましたが、労働時間の関係で社会保険の加入要件を満たせなくなり、現在は国民年金保険料と国民健康保険料を納めています。

介護の負担と自分の年齢を考え、この先、仕事を減らしたいと思っています。収入が減った場合、子どもの扶養に入った方がよいのでしょうか。子どもはフリーランスで仕事をしており、家を出て自活しています。

持ち家のため家賃負担はありませんが、リフォームを勧められています。

A.

一口に“扶養”といっても、社会保険と税制上とでは、適用される条件と効果が異なります。

子の社会保険の扶養に入ることができるのは、年収130万円未満の親です。かつ、同居の場合は親の収入が子の半額以下であること。また別居の場合は、親の収入が子からの仕送り額未満であることが条件となります(協会けんぽ)。これらを満たし扶養に入ると、親は保険料の負担なしで健康保険証を得ることができます。

税制上、子が親を扶養できるのは、親の所得が38(給与年収103)万円以下、かつ生計を同一とする場合です。「生計を同一」とは、親子が同居しているか、別居の場合、子から親へ仕送りが継続されている状態をいいます。親を扶養に入れることで、子は『扶養控除』を受けることができ、所得税・住民税の負担が軽くなります。

ところで、お子さんはフリーランス、つまり国民健康保険の加入者ですね。ここには、そもそも“扶養”の概念がありません。また、別居で仕送りもないとのことで、税制上も扶養の対象にはならないようです。

国民健康保険料は、収入が下がると負担も軽くなる仕組みです。仕事と介護、収入と支出のバランスを見ながら、柔軟にやりくりの作戦を立てていく姿勢が重要かと思います。


さとう ななみ

「お金ともっと仲良く!」を合言葉に『佐藤ななみのおかねの教室』を主宰。家計・住宅・保険・資産運用の講座や相談業務を展開中。書類整理やフリーランス向けワークショップも人気。
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