5月から隔週掲載でスタートした「まちづくり探検隊」。熊本市のまちづくりや地域活動を知ってもらうために、探検隊メンバーが毎週さまざまな活動や取り組みを体験・取材し、紹介しています。さらに「まちづくり探検隊」では、紙面をきっかけに地域活動への興味を持った方に実際の行動に移してもらおうとセミナーも開催。その第1回の様子を紹介します。
今週は

第1回セミナー かたってみよう!まちづくり

@熊本日日新聞社・本社2階ホール


どう守る? 子どもの安全

7月8日、熊本日日新聞社・本館2階ホールで開催したセミナー「かたってみよう! まちづくり」。事前に申し込みいただいた約30人に加え、地域づくりについて研究している熊本大法学部・伊藤ゼミの学生8人も参加してくれました。

この日のテーマは、「どう守る?子どもの安全」。近年、子どもが犠牲となる悲しい事件が頻発しています。そうした子どもを取り巻く環境の変化や危険に親はどう対処すればいいのでしょうか。

子どもの安全、親だけでは限界 「地域の力」見守りに活用を!

セミナーの講師に、地域の防災・防犯などに詳しい水野直樹さん(スタディライフ熊本理事)を迎え、子どもが巻き込まれる最近の事件の傾向などについて話を聞いた後、5~6人のグループに分かれてワークショップを行いました。

ワークショップには、セミナーを主催した熊本市の職員も参加。「子どもを犯罪から守るために親にできること」について皆で意見やアイデアを出し合った一方で、「親だけでは見守ることができない時間がある」という課題も見つかりました。それに対処する一つの手段として挙がったのが、「地域ぐるみでの見守り」。昔ながらの”向こう三軒両隣”の精神や、熊本地震で重要性を再認識した〝地域の絆〟を、子どもの安全を守るためにも生かそうというものです。

セミナーやワークショップで得た情報や知識を活用して、参加者は今後どのように地域と関わっていくのでしょうか。「まちづくり探検隊」では、皆さんの「これから」にも注目していきます!

「子どもの安全」という関心の高いテーマだけに参加者の意識も高く、活発に意見が交わされました

「子どもの安全」という関心の高いテーマだけに参加者の意識も高く、活発に意見が交わされました

この日の講師と、ワークショップのファシリテーターを務めた水野直樹さん

この日の講師と、ワークショップのファシリテーターを務めた水野直樹さん

子どもの安全、命は誰にとっても"自分ごと"

今回のセミナーは、地域と家庭が共に大切にしたいものを取り上げることで、お互いの力が一つになるのではとの思いから、「子どもの命」をテーマにしました。ワークショップでは、子どもの安全に関する課題を“自分ごと”として発言してくれる参加者が多く、何かを「してもらう」でなく「自ら動く(行動する)」という思いを感じました。

講師・ファシリテーター 水野直樹さん(スタディライフ熊本理事)

参加者間で共有認識が持てたことが収穫

わが子だけでなく、地域の子どもたちをどう守るかについて、議論は熱く盛り上がりました。私にとっても、「個人で子どもの安全を守るには限界がある」「(親だけでなく)地域の力が必要だ」と感じた時間でした。参加者全員で、「子どもを守るには、地域全体で取り組まないといけない時代」という共通認識を持てたのではないでしょうか。

司会 荒木直美さん(タレント、まちづくりコーディネーター)


親だけでは守れない時に頼りになるのが"地域のチカラ"!

子どもが巻き込まれる犯罪の傾向にも変化 情報・通信技術を活用した情報の共有も

セミナー開始直後のミニ講話では、講師を務める水野さんが熊本県警調べの声掛け事案に関するデータや、熊本市で実際に起きている事例を紹介。

その上で、「昔と今では犯罪が起こる場所や傾向などが変わってきている。例えば、マンションなどの敷地内は安全と思いがちですが、実は声掛け事案の約半数は集合住宅の駐車場や駐輪場で起きています」と説明しました。

今後は身近な通信手段であるスマホや携帯電話をはじめ、ICT(情報・通信技術)なども活用しながら、地域の中で不審者や犯罪に関する情報を共有していくことが、何より大切だと強調しました。

データや新聞記事などを交えて講演する水野さん

水野さんの話に真剣に聞き入る参加者

水野さんの話に真剣に聞き入る参加者

県内のわいせつ・声かけ事案 被害者の内訳

被害者全体の4割を占めるのが「中学生以下」の子どもたち。この世代をどう守るかは、大人や地域にとって大きな課題です。

出典/平成29年中のわいせつ・声かけ事案の届出状況と被害者防止対策(熊本県警察本部まとめ)


ワークショップを通じて見えてきた "親だけでは見守れない時間帯"

5~6人1組に分かれて行ったワークショップには、地域とのつながりが深い熊本市内の各まちづくりセンターの地域担当職員らも同席。参加者は水野さんから出されたお題「子どもたちを守るために(親として、大人として)どんなことをしているか?」について、それぞれが自分の実践していることを発表しました。

また、自分と子どもの“1日の予定”を書き出して、親だけでは見守れない時間帯を洗い出し、その時間にどうすれば見守りができるかについてもアイデアを出し合いました。

参加した大学生たちのフレッシュな意見は、どのテーブルでも注目の的!

参加した大学生たちのフレッシュな意見は、どのテーブルでも注目の的!

各テーブルでは自己紹介も兼ねて、それぞれに自分の意見を出し合っていきます

各テーブルでは自己紹介も兼ねて、それぞれに自分の意見を出し合っていきます


各テーブルで"キーボード"を決め 子どもを守るための具体策を列挙

テーブル間の席替えをして行ったワークショップの後半戦では、各テーブルで子どもを守る上で必要なキーワードを決め、それに沿った具体策を挙げていきました。キーワードを「情報共有」としたテーブルでは、「子どもにスマホを持たせる」「家庭、地域、警察で不審者情報などを共有できる仕組みをつくる」「地域行事に参加し、地域の人に子どもの顔を覚えてもらう」などのアイデアが。

その後、各テーブルの代表者がキーワードや具体策を発表。水野さんによるまとめを行って終了しました。参加者へのアンケートでも、満足度が高かった今回のセミナー。ぜひ次回は、皆さんも参加してみませんか!

発表に向けて話し合いを進める各テーブルを回り、アドバイスをする水野さんと荒木さん

班ごとの発表で挙がった、子どもの見守りに必要なキーワード

班ごとの発表で挙がった、子どもの見守りに必要なキーワード


どう守る? 子どもの安全 まとめ

積極的なあいさつを!

あいさつは不審者に対しての「監視」の意味もあります。目を見てあいさつされると、不審者は「顔を認識された」と思います。登下校時の子どもだけでなく、大人同士が積極的にあいさつを交わしましょう!

地域の"有名人"に!

特に子どもの多い校区などでは、地域の人に子どもの顔を覚えてもらうのも大変。そこで、親が地域の有名人になれば、「あ~、〇〇さん家の子」と認識され、登下校中なども意識して見てくれます。それには親が地域のために何ができるのかを考え、行動することが大切です。

地域の整理・整頓・清潔・清掃

不審者が嫌うのは「地域の団結」。それは、町内の掲示板やごみステーションにも現れます。「古い掲示物がそのままになっていないか?」「ごみステーションが散らかっていないか?」を今一度確認してみましょう。


参加してヨカッタ!

セミナー参加者に、ワークショップの感想や、今後にどう役立てるかなどを聞きました。

危機感の薄れや「慣れ」は禁物!

中1と小4の子どもがいて、しょっちゅう学校から不審者情報がメールで届きます。それに慣れてしまって危機感が薄れていましたが、ワークショップでの意見交換を通じて、子どもの見守りも昔とはやり方に違いがあることを知り、気持ちが引き締まりました。

小林律子さん

小林律子さん

地域での見守り、保護者の理解が不可欠

校区で子どもの見守り活動に参加していますが、新しい道やマンションなどが増えたことで地域の地理が変わり、新たな危険箇所の把握が難しくなっています。そうした場所の把握や子どもたちと顔見知りになっておくためにも、保護者の協力と理解が不可欠だと感じました。

松倉麻美さん

松倉麻美さん

共有した情報を子どもや周囲に伝えたい

私たちの住む地域でも、頻繁に不審者からの声掛けなどが発生しているので不安です。ただ、これまでは具体的にどうすれば子どもの安全が守れるのか分かりませんでした。ワークショップでさまざまな情報を共有したことで、子どもや周囲にも“伝える”ことができます。

田上英樹さん・香織さん夫妻

田上英樹さん・香織さん夫妻

今回は、熊本大学法学部・伊藤ゼミの学生たちも参加し、ワークショップを盛り上げてくれました!

◆ゼミで地域づくりについて学んでいますが、今日は現場の声を聞くことができ、とても新鮮でした/池崎日南子さん
◆小学校によって防犯への取り組みや設備に差があることを知りました。今後の課題として考えていきます/上原佑野さん
◆大学の講義だけでは得られない視点を聞けただけでなく、皆さんと意見交換ができるのも魅力。次回も参加します/江村和大さん
◆幅広い世代の皆さんから話が聞けました。住んでいる地域で、自分にできることを考えていきたいです/木下秀誠さん
◆普段は話をする機会の少ない異世代の方たちと交流ができて、地域活動に関心が持てるようになりました/豊福美希さん
◆地域に関する前向きな話だけでなく、行事等が年々減少しているという現実を知って驚きました/濱田ありささん
◆現在、子育て中のお母さんの生の声を聞くことができ、新聞等で見るよりリアルに、子どもの安全を考える機会になりました/平田加奈さん
◆あいさつを交わすことが不審者に犯罪を起こさせない効果があると初めて知りました。私も積極的にあいさつしたいと思います!/室原彩子さん


第2回 かたってみよう!まちづくり セミナー開催 参加者募集!

テーマ
考えよう!身近な防災[Part.1] 〜ハザードマップで災害を”見える化”〜

すぱいすでは、熊本市の地域活動を知ってもらう取り組み「まちづくり探検隊」の一環で、セミナー「かたってみよう! まちづくり」を開催しています。9月9日から始まるセミナーは、「考えよう! 身近な防災」をテーマにした3回シリーズ。熊本地震以降、市民の防災意識は高まっていますが、それを具体的な備えや行動に結び付けるにはどうすればいいのか。事例紹介やフィールドワークを通じて、一緒に学んでいきましょう!

申し込みは下記フォームから

申し込みフォーム


まちづくり探検隊・読者アンケート

「まちづくり探検隊」を読んで感じた、まちづくりや地域活動への興味・関心や、あなたが参加したい活動などを教えてください!

アンケートは下記フォームから

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すぱいすの紙面やHPを通じて、まちづくりや地域活動に興味のある人を募集した「まちづくり探検隊」。すでにメンバーの皆さんには、さまざまな活動を体験してもらい、紙面でも紹介しています。今回は、メンバー全員が勢ぞろい! これからも地域に関わる「あんなこと」や「こんなこと」を、読者代表として体験&リポートしていきますので、ご期待ください。

「まちづくり探検隊」のメンバーは、全部で30人。20代の学生から60代まで、幅広い世代が集まりました。それぞれが抱いている、まちづくりや地域活動への思いや意気込みを、今後の紙面で思う存分発揮してもらいます!

メンバーの皆さんには、計4回の説明会を実施し、探検隊の活動内容や今後の活動予定などを説明しました。また、一人ずつ探検隊としての抱負を述べたほか、質疑応答では「地域では、どんな活動をしているの?」「子どもや子育てに関する活動に参加してみたい」などの質問や要望が寄せられました。

まちづくり探検隊では、これからもすぱいす読者の皆さんに、まちづくりや地域活動の楽しさを伝えていきます!


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