"探検隊"メンバーが抱いている、まちづくりや地域活動についての疑問・質問を、各回のテーマに精通した方にぶつける「What‘sまちづくり」。今回は、南区富合校区で「総合型地域スポーツクラブ」設立に奔走する三角陽司さんに話を聞きました。
今週は
What’sまちづくり
地域住民の健康づくりと交流の場
校区や地域で特定の種目や世代に限らず、住民が好きな種目やプログラムを選び、それぞれの楽しみ方やレベルに応じて活動できる「総合型地域スポーツクラブ」。生涯スポーツ社会の実現を目指す国の施策として、全国でクラブの設置が進んでいます。
現在、2020年春の設立を目指して準備を進めているのが「とみあい総合型クラブ(仮)」です。富合校区体育協会長の三角陽司さんは、設立準備委員会の委員長として中心的役割を果たしています。
「富合は、旧町時代からスポーツが盛んな地域柄で、季節ごとに各種競技の大会を開いていたほどでした。しかし、近年は大会もなくなり、スポーツを通じて住民が交流する場が減ってきていました。そこで、住民の健康づくりや小学校の部活縮小化に伴う受け皿づくりなどを目的に、2015年からクラブ設置に向けて検討を続けてきました」と経緯を振り返ります。
昨年10月に行われた市内の総合型地域スポーツクラブの全体交流会の様子(写真提供/市スポーツ振興課)
7月31日に行われた「とみあい総合型クラブ(仮)」の地域説明会には、会場いっぱいの参加者が訪れました
スポーツ以外の種目も取り入れた"富合型"
また、同校区では毎年、小中学生を対象にした書き初め大会を開くなど文化活動も盛んです。そうした校区の特性を生かし、あえてクラブ名に「スポーツ」を入れず、文化的な種目も取り込む“富合型”を目指しています。
総合型地域スポーツクラブ設立のためには、設立を目指す校区や地域で中心となるメンバーで設立準備委員会を立ち上げ、県体育協会の支援を受けながら組織づくりを行っていきます。現在、富合では、月1回の設立準備委員会でクラブのあり方を検討する一方、地域住民や各種団体を集めた説明会や、広報誌・ミニコミ誌などを活用した周知・啓発を進めています。
「クラブを通して、地域住民に何を感じてほしいか」。探検隊メンバー・久保さんからの質問に三角さんは、「体を動かしたり、好きなことを楽しむ中でハラハラやドキドキを感じ、終わった後に『行ってよかった』と思ってもらえれば」と話します。
各種目の指導者や運営スタッフの確保など、設立に向けての課題もありますが、住民の健康づくりと交流の場として、クラブへの期待が高まっています。
市内に21クラブ。「クラブアドバイザー」が設立を支援
「総合型地域スポーツクラブ」は、幅広い世代の住民がスポーツを楽しめる場づくりを目的に、「スポーツ基本計画」ができたのを機に全国で設立が進みました。特徴は多世代、多種目、多志向。言い換えれば、「誰でも、いつでも、どこでも、いつまでも」スポーツに取り組むことができる点です。
熊本市では、平成13年に日吉地域総合型スポーツクラブが設立されたのを皮切りに、現在21のクラブが活動を行っています。さらに、富合、西原の2校区でも設立準備が進んでいます。
地域の高齢化や部活動の社会体育への移行が進む中、ますます必要性が増しています。設立に当たっては、県体育協会の「クラブアドバイザー」などが支援しますので、お気軽にお問い合わせください。
総合型地域スポーツクラブに関するお問い合わせは
熊本市スポーツ振興課 TEL:096-328-2724
熊本県体育協会 TEL:096-388-1581
探検隊メンバーの取材メモ
緒方さん
三角さんの熱い思いに触れ、地域の方々とのつながりが持てる「総合型地域スポーツクラブ」の素晴らしさを感じました。残念ながら私の住む地域には、まだクラブがないので、もし設立の動きがあれば私も関わりたいです!
久保さん
スポーツを中心に、さまざま種目が楽しめ、地域の方々の笑顔がつながっていく場所が「総合型地域スポーツクラブ」だなと思いました。三角さんのリーダーシップのもと、富合にどんなクラブができるか楽しみですね。
末藤さん
地域で単発のイベントを企画・運営するだけでも大変なのに、「総合型地域スポーツクラブ」のような組織を立ち上げるのは、相当な努力と多くの人の協力が欠かせないと感じました。設立説明会の参加者も多く、地域の関心の高さに驚きました!
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