「くまにち すぱいす」で隔週掲載中の「まちづくり探検隊」の紙面を通じて地域活動やまちづくりに興味を持った方を対象に開催しているセミナー「かたってみよう! まちづくり」。第3回は、災害時に注意すべき地域の危険箇所をフィールドワークでチェックし、それを地域版ハザードマップに落とし込む体験を行いました。
今週は

第3回セミナー かたってみよう!まちづくり

@熊本日日新聞社・本館2階ホールおよび本社周辺


考えよう! 身近な防災 Part.2 地域を歩いてハザードマップを作ってみよう!

12月1日、熊本日日新聞社・本館2階ホールで開催した第3回セミナー。前回のセミナーでは、「考えよう! 身近な防災」と題して、実際に地域で行われている防災の取り組みの事例発表を聞き、災害時に役立つ地域版ハザードマップの作り方を学びました。

今回は、その〝実践編〟という位置付け。「地域にはどんな危険箇所があるのか?」「被災した時に役立つ場所は?」などの疑問点について、実際に歩いて確認するフィールドワークの後、そこで得た情報を地図に落とし込み地域防災に役立てるハザードマップを作成しました。

フィールドワークの前に、中央区総務企画課で地域と行政の防災体制強化の役割を担い、町内での地域版ハザードマップ作りを指導してきた佐藤立彦さんが、実際にまち歩きを行い、マップを作成する際の注意点などを説明。熊日本社周辺の地域を巡るまち歩きでは、普段何げなく通っている道や地域の地形に思わぬ危険が潜んでいるとの説明に、参加者も驚きを隠せない様子でした。

ハザードマップ作成後に感想を発表する大学生

ハザードマップ作成後に感想を発表する大学生

実践的な内容が好評 マップ作成に多世代が協力

地域版ハザードマップ作成では、「どうすれば実際の災害時に役立つものになるか」という視点で、地域の細かな情報まで書き込みました。

今回は、「いかに地域で防災に取り組むか」ということを、より実践的に学べる内容とあって、前回を上回る25人が参加。第1回から毎回参加している方やまちづくりに興味のある大学生など、「防災」というキーワードを通して集まった幅広い世代が互いに協力し、話し合いながらマップを作る中で、「地域のつながりを強くすることが災害に強いまちづくりにもつながる」との気付きを得たようです。

フィールドワークではメンバー同士が協力し合って危険箇所をチェック!

フィールドワークではメンバー同士が協力し合って危険箇所をチェック!

毎回参加している方も多く、まちづくりに対する関心の高さを伺わせます

まち歩きを通して、見えていなかった地域のことを知るきっかけに

日常の暮らしの中には、見えているようで見えていないものが多いものです。このことに気付くことから、地域で暮らすことの第一歩が始まります。第3回セミナーの「防災」をテーマにしたまち歩きと地域版ハザードマップの作成を通して、私たちの暮らしを守る“見えない地域活動”について、多くの人に気付いてもらうきっかけになったのではないかと思います。

講師・ファシリテーター 水野直樹さん (スタディライフ熊本理事)

まずは自分の住んている"まち"に関心を持つことが大事!

今回、初めてフィールドワークを行いましたが、室内での座学と異なる実践的な内容で、参加した皆さんはとても満足した様子でした。ある程度危険を予想していた場所が、実際に足を運ぶと想像以上であるなど、改めてハザードマップの必要性と、現地を歩いて自分の目で確認することの大切さを痛感しました。「防災」という目線で地域を歩くことはもちろん、自分が住んでいる“まち”に興味や関心を持つことも、防災の第一歩なんだなと感じたセミナーでした。

司会 荒木直美さん (タレント、まちづくりコーディネーター)


「防災」をキーワードに地域のコミュニケーションを深めよう!

フィールドワーク

2班に分かれ、異なるルートの危険箇所をチェック!

中央区総務企画課の佐藤さんからのレクチャーの後は、いよいよフィールドワークへ! 参加者は2班に分かれ、セミナー会場の熊日本社周辺地域の異なるルートを巡ります。

今回の地域版ハザードマップ作成では、主に水害や地震を想定して危険箇所をチェック。ルート上には、用水路や狭い道路、行き止まりの道といった危険箇所が思った以上に点在し、その都度、先導する各区総務企画課の職員が、危険な理由などを丁寧に説明していました。

約1時間かけて行った各コースのフィールドワークの様子を紹介します。


防災のプロが解説! フィールドワーク&地域版ハザードマップ作成のポイント 

地域版ハザードマップを作って災害時の避難場所への移動ルートを確認!

フィールドワークに出る前には、現役消防隊員で、現在、中央区役所総務企画課に出向中の佐藤立彦さんが、実際にまち歩きを行う際に注目するべき危険箇所や地域版ハザードマップの必要性、作成時のポイントなどを説明。その中で佐藤さんは、「町内単位で作成する地域版ハザードマップは、災害の際に自宅や職場、学校から避難場所へ移動する時に役立つ。より現実的な目線で作ることが大切」と強調しました。

地域版ハザードマップに落とし込むポイントはココ!

■危険な場所/電線、墓地、歩道などの段差や傾斜、排水溝など
■役に立つ場所/避難場所(公園、公民館、広い空き地など)、コンビニ、公衆電話、消火栓など
■過去の経験を記載/過去の大雨、水害で冠水した場所など(一時的なものも含む)


地域を歩いて危険箇所を見つけてきます! 頑張るぞ〜!


出発前にまち歩きのルートを説明

出発前、班ごとに先導する2人の総務企画課職員から自己紹介と、この日巡るルートの説明やまち歩きを行う際の諸注意がありました。中には緊張気味の参加者の気持ちをほぐすようにジョークを交えながら説明する職員も。場が和んだところで、いざ出発です!

熊日の玄関ホールで班ごとに説明を受け、フィールドワークに出発!

熊日の玄関ホールで班ごとに説明を受け、フィールドワークに出発!


事前に想定した危険箇所以外でも参加者から質問が

それぞれのコースは、事前に総務企画課の職員が下見をし、危険箇所をチェックしておきました。そのポイントでは立ち止まって、具体的な箇所や危険な理由、万一の場合の対処法などを説明。また、参加者からも「こういう場所は危なくないのか?」など、コース上のさまざまなポイントについて質問が出ました。

危険箇所について説明を受けた後は現場の写真を撮影。後でハザードマップに貼り付けます

危険箇所について説明を受けた後は現場の写真を撮影。後でハザードマップに貼り付けます

危険箇所について説明を受けた後は現場の写真を撮影。後でハザードマップに貼り付けます


一時避難場所のチェックも忘れずに!

フィールドワークでは、危険箇所のチェックだけでなく、地震や水害などの災害が起こった際に、一時的に避難する場所として有効な所も確認していきます。地域の公民館はもちろん、トイレや水道がある公園や、大人数でも収容できる広場や空き地などを見つけて、地図に落とし込みます。

コース上にある一時避難に適した場所を説明する総務企画課の職員


いつもとは異なる目線で"まち"を見るように

それぞれのコースを約1時間かけて回ったフィールドワーク。終わるころには、参加者が「いつもとは違う目線」でまちを見て歩いているのが印象的でした。さらに、各班の記録用の地図には、総務企画課の職員からの説明や自分たちで気付いた点がびっしりと書き込まれていました。

約1時間のフィールドワーク終了! 各班の記録用紙にはびっしり書き込みが

約1時間のフィールドワーク終了! 各班の記録用紙にはびっしり書き込みが


地域版ハザードマップ作成

地図に落とし込むことで地域に潜む災害時の危険を"見える化"

フィールドワークから戻った参加者は、5~6人ずつのグループに分かれ、それぞれに総務企画課の職員のアドバイスを受けながら、地域版ハザードマップの作成に取り掛かりました。

行政が作成する広域のハザードマップと違い、自分の住む町内単位で作る「地域版」は、より身近な地域の危険箇所や役に立つポイントを地図上に落とし込むことで、災害が起こった際に自宅や学校などから、どのように避難場所へ向かえばいいかを把握するためのものです。

参加者は、この日歩いた地域の白地図に透明シートをかけ、そこに主要な道路や川を色付け。そこに、危険箇所のほか、病院やコンビニなどのアイコンシールを貼り付けていきます。さらに、コース上の危険箇所を撮影した写真を貼付することで、地域に潜む災害時の危険をどんどん”見える化”していきました。

用意されたA1サイズの大きな地図を使い地域版ハザードマップを作っていきます

用意されたA1サイズの大きな地図を使い地域版ハザードマップを作っていきます

マップ作成の際、地図上に落とし込むアイコン。それぞれのアイコンのシールを地図に貼っていきます

マップ作成の際、地図上に落とし込むアイコン。それぞれのアイコンのシールを地図に貼っていきます

フィールドワークの際に撮影した写真を地図上に貼付。危険箇所をよりイメージしやすくします

フィールドワークの際に撮影した写真を地図上に貼付。危険箇所をよりイメージしやすくします


地域版ハザードマップには、こんなところも落とし込もう!

■柵などのない用水路や側溝

柵やガードレールのない用水路は、雨で増水した際などに道路との境目が見えなくなり危険!

■AEDが設置してある店舗や施設

万一の際も、AED(自動体外式除細動器)がある店や施設を把握していれば、慌てず行動できます

■消火栓

地域住民が消火栓の場所を把握しておけば、火災などの際、現場に近い消火栓を案内することができます

■歩道の段差や傾斜

普段は気にならないわずかな段差や傾斜。災害の際には思わぬケガや事故につながることも


第3回セミナーのまとめ

ハザードマップ作りは、地域の絆づくりにもつながる!

今回、自分たちの住む地域を想定してフィールドワークと地域版ハザードマップ作成を体験してもらいました。しかし、ハザードマップ作りは、あくまでも手段です。「災害」や「防災」という、誰にでも関わりの深いテーマをきっかけに、地域の人々がコミュニケーションを取り合うことでお互いを知り、結果として地域の絆を深めることにもつながります。また、地域版ハザードマップは、「作っただけ」ではなく、その後「どう生かすか」が大事。次回(第4回)のセミナーでは、皆さんと一緒にその点を考えましょう!


参加してよかった!

すでに地域活動に取り組んでいる中高年から小さなお子さんを持つママや大学生まで、幅広い世代が参加した今回のセミナー。それぞれの感想にも異なる視点があります!

第三者的な視点が大事。何げない場所に危険がいっぱい

わずか1時間ほど歩いただけでも、危険な箇所がたくさんありました。用水路のグレーチング(金属製のふた)も、留め具がないものは増水時に外れてしまうなど、大丈夫だと思っているところほど危険が潜んでいるんですね。住み慣れた地域でも、第三者的な視点で歩いてみて、周囲の人と情報を共有したいです。

松本わかなさん

子どもと一緒にチェックして普段の生活に備えたい

普段、自分が住んでいる校区を歩く時は、「防災」を意識して歩いていないので、発見することばかりでした。特に、子どもたちの身近なところに危険がたくさんあるので、(子どもを)連れてくればよかったと後悔しました。子ども自身が危険箇所を知ることで気を付けると思うので、今度、校区内を一緒にチェックして回ります。

栗林直子さん

「地域のために」という意識がますます高まった!

普段から黒髪地区のまちづくりに携わっています。黒髪エリアのポータルサイトの運営にも関わる予定なので、今回体験したことがさっそく生かせると思います。地域版ハザードマップの作成は、地域住民が参加するだけでなく、一人一人が主体となって取り組むことが重要。すばらしい地域をつくるために、楽しみながらやっていきます。

堂原秀文さん

子どもや高齢者の立場に立った危険予測が大事

大学のゼミ活動の一環で参加しました。何げなく歩いている道も、「防災」という視点で見ると、さまざまな所が目に留まりました。講師の佐藤さんから、「元気な世代だから気付かないこともある。高齢者や子どもの立場に立って歩いてみて」と言われたのが印象的。実際に歩いて作ったハザードマップだけに、現実味がありました。

上原佑野さん

アプリに頼りっぱなしでマップが使えない…

熊本地震の影響からか、ヒビの入ったブロック塀など、危険箇所がたくさんありました。これまでハザードマップを見る機会がなかった上、普段はスマホの地図アプリを使っているため、いざというときに平面地図の見方が分からないことに気付きました。ハザードマップを使いこなせるよう、日常的に見るクセをつけたいと思います。

平田加奈さん


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