今を楽しむ 未来に備える 30、40代から親子で考えるセカンドライフ2024第2回
「セカンドライフを心豊かに過ごしたい」。そんな意欲的な人たちと、その子ども世代に向けて、今を楽しむコツと未来に備える方法をテーマごとに伝えるシリーズ「セカンドライフ特集2024」。第2回は「社会参画&ペットとの暮らし」です。
充実した第二の人生へ 社会参画&ペットとの暮らし
定年退職後などのまとまった時間をどう過ごそうか…。地域活動に参加したり、犬や猫といったペットと暮らしたりすることを夢見る人も多いと思います。それぞれのメリットや心構えについて専門家に聞き、充実した第二の人生について考えます。
社会参画
これまでの肩書を捨てて地域の一員として楽しもう
子どもが人に必要とされて成長していくように、社会人も定年退職後に地域に役立つことで、真の充実感を得られるでしょう。総務省地域力創造アドバイザーの三角幸三さんは「リタイア後に感じる喪失感は大きいですが、地域に自分が必要とされているかどうかが、退職後の生活の充実度を大きく左右します」と話します。
社会参画する場合、
- 福祉や教育、防災、スポーツなど、興味のあるジャンルから探す
- 施設や子ども食堂などの団体のボランティア枠に参加する
- 福祉施設などで慰問活動を行っている自主グループに参加する
- 社会福祉協議会のボランティアセンターなどで情報収集し、気になるものに参加する
- 公民館など公的施設が行うイベント時の短期ボランティアに参加する
―といった方法が考えられます。
「社会人として培ったノウハウを、これらの活動を通じて、地域に還元することができます」と三角さん。また、今までと異なるフィールドでの活動や異世代との交流は、新たな自分を発見する機会にもなるといいます。重要なのは、「過去の肩書を捨て、地域の一員としてフラットな関係を築くことです」と強調します。この他、注意したいのが「燃え尽き症候群」です。人生100年時代、長く続けるためには「助け合える仲間をつくり、できることにできる範囲で取り組んでいきましょう」と話してくれました。
教えてくれた人
無理をしないことが長続きのコツです!
シニア世代の社会参画5つの注意点
- 自分に合った活動を選択
- 自分の体力や生活リズムに合った活動を選び、無理をしないことが重要です。
- フラットな関係性づくり
- これまでの肩書や立場にこだわらず、地域の一員として対等な関係を築くことを心がけましょう。
- ボランティア保険を確認
- 活動中、相手にけがをさせたり、物を壊したりしてしまう可能性も考えられます。事故やトラブルに備えて、ボランティア保険に必ず加入しましょう。
- 活動先のルールを事前にチェック
- 交通費や食事の有無を事前に確認し、その内容を自分で納得して参加することが大事です。
- できることをできるしこ
- 求められた役割に対して、完璧を目指さずチャレンジ精神を持ち、失敗を恐れずに取り組む姿勢が大切です。
ボランティア活動を身近に!「くまもとアプリ」活用しよう
地域の活動やボランティア活動を検索し、参加申し込みができる「くまもとアプリ」。アプリを通じて活動に参加すると、ポイントを受け取れます。ポイントがたまると抽選会に参加でき、2025年度以降は当事業の協賛店舗で使えるクーポンなどと交換できるようになる予定です。
※熊本市民以外も利用できます。
問い合わせ
問い合わせ先 | 熊本市地域活動推進課 |
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TEL | 096-328-2477 |
ペットとの暮らし
癒やしや喜びをもたらすペット 生活を充実させるパートナーに
セカンドライフを迎えるにあたって、新しいことにチャレンジしたいという人は少なくないでしょう。その一つとして、ペットを飼い始めるケースもあるのでは。ペットは心の癒やしだけでなく、健康面でもさまざまなメリットをもたらしてくれます。熊本県動物愛護センターの髙本芳寿さんは「ペットを飼うことで、時間を決めてエサを与える、散歩に行くといった生活のリズムが生まれ、自身の規則正しい生活につながるはずです。また専門家によると、犬と暮らしていない人に比べて、犬と生活する人は死亡リスクが低い、認知症になりにくいといったデータも出ています」と話します。ペットの世話をすることで日々の生活に目的が生まれ、リタイア後の孤独感を軽減する助けにもなるでしょう。
さらに、ペットを通じたコミュニケーションが増えることで、地域社会とのつながりや家族間の仲が深まる点も見逃せません。髙本さんは「犬の散歩は、運動不足の解消だけでなく、近所の人々とのコミュニケーションのきっかけにもなります。また、ペットがいることで、夫婦間の会話が増えるケースもあるのでは」と言います。ペットが生活に活力と喜びをもたらし、セカンドライフをより充実させるパートナーとなってくれそうです。
教えてくれた人
動物は癒やしの時間を与えてくれるはずです
迎え入れる際の注意点
セカンドライフにペットを迎え入れる際、ペットより先に自分が亡くなるリスクを考えておく必要があります。このため、ペットを飼う前に、万が一の時にペットを託せる後見人を必ず見つけましょう。また、経済的な負担も無視できません。ペットの飼育には、餌代や治療費など、月々の費用がかかります。さらに、ペットの世話に必要な時間や体力も考慮し、自分が最期まで責任を持って飼えるかを慎重に判断することが大事です。
CHECK
犬
- 平均寿命
-
12〜20年程度
- かかる費用
-
年間約34万円
猫
- 平均寿命
-
15〜20年程度
- かかる費用
-
年間約17万円
責任を持って飼えるかを試せる保護犬・猫のトライアル制度
セカンドライフに保護犬や保護猫を迎えるという選択も一つの手でしょう。熊本県動物愛護センターでは、「ペットを最期まで責任を持って飼えるか」を確認することができる「保護犬・猫のトライアル制度」があります。原則2週間、保護犬や保護猫をお試し飼育することができる制度です。先住のペットとの相性や動物アレルギーなどの不安解消にもつながります。
- センターへ気になる保護犬・猫を実際に見に行く。
- 譲渡講習会を受講する。
- 譲渡対象者基準を満たすか確認審査を受ける。
- トライアル方法や誓約事項の説明を受け、必要書類を提出する。
- 譲渡を希望する保護犬・猫をトライアルとしてセンターから一時的に預かり、飼育する。
- トライアル期間終了後、トライアルを受けた犬または猫をセンターへ返還する。
- 家族として迎えることを希望する場合は、センターで譲渡に必要な書類の提出やマイクロチップの情報登録などを行う。
問い合わせ
問い合わせ先 | 熊本県動物愛護センター |
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TEL | 0964-27-8115 |
Webサイト | https://www.kumamoto-doubutuaigo.jp/news/detail/114 |
出典
ペットの寿命…「ペットを飼う前に」(環境省)
費用の目安…2023年アニコム損害保険株式会社調べ