【578号】くまもと交通50年紀行

2021年は、九州自動車道の開通や、北熊本サービスエリアの開業、また、熊本空港の現在地への移転からちょうど50年に当たります。熊本の交通の要衝がそろって節目を迎える年にちなんで、これまでとこれから、そして意外と知らない!?トリビアを紹介します。

夢を運んだ50年 そして未来へ

阿蘇くまもと空港、九州自動車道、北熊本サービスエリアの歴史や特徴に関するクイズを3問用意しました。あなたはいくつ分かりますか?
(答えは文中に)

阿蘇くまもと空港

[Q]1971年に現在地へ移転した空港は、それまでどこにあった?

  • 龍田
  • 健軍
  • 菊陽町
世界と地域に開かれた空港へ

現在地=益城町=に移転するまでの熊本空港は、当時の熊本市健軍町にありました。旧陸軍飛行場を引き継いで1960年4月1日に開港。しかし、滑走路が1200mと短く、YS-11などのプロペラ機や小型機が離着陸するのがやっとだったため、現在地で新空港の建設に着手。71年4月1日、2500mの滑走路を持つ、中型ジェット機も就航可能な空港として開港しました(現在の滑走路は3000m)。

ちなみに、健軍にあった旧熊本空港のターミナル跡地は熊本県立大学のキャンパスに、滑走路は国体道路東西線の一部になっています。熊本赤十字病院前には長い一直線の区間(日赤通り)がありますが、それは当時滑走路だった名残です。

1970年1月1日、旧熊本空港に就航した全日空のYS‐11。東京五輪の聖火を運んだことから「オリンピア」の愛称で親しまれた

79年9月には、国際定期便(熊本―ソウル)が就航。83年4月には国際線ターミナルが供用開始しました。2000年代に入ると空港の愛称化が盛んになり、熊本空港は06年から「阿蘇くまもと空港」の愛称を使用しています。20年4月1日には、国による運営から、民間委託された熊本国際空港株式会社の運営へ移行しました。

1971年4月1日、益城町に開港した熊本空港のターミナルビル(写真提供/熊本国際空港)

現在、国内線・国際線一体型となる新しい旅客ターミナルビルの工事が進められており、23年春の開業を目指しています。地域に開かれた商業施設や広場を併設し、飛行機を利用しない人でも楽しめる空港へと生まれ変わります。

新旅客ターミナルビルに整備される「滞在型ゲートラウンジ」のイメージ。搭乗直前まで多様な時間を過ごせる(資料提供/熊本国際空港)

取材協力

熊本国際空港株式会社

https://www.kumamoto-airport.co.jp


九州自動車道

[Q]八代ー人吉IC間は、1区間に存在するトンネルの数で西日本一を誇ります。その数はいくつ?

  • 9本
  • 16本
  • 23本
九州ハイウェー網はここから

九州初の高速道路「九州自動車道」が開通したのは1971年6月30日。植木―熊本間(13.9km)の供用が始まり、九州ハイウエー網整備の幕開けとなりました。95年には門司から鹿児島までの全線345.5kmが開通。九州自動車道は高速輸送時代を切り開き、九州各県の産業や経済、観光などの発展に大きな役割を果たしてきました。

50年前の九州自動車道植木—熊本間の開通式。パレードの後、一般への供用が開始され、一番乗りを目指すマニアたちが道路に流れ込んだ

さて、九州自動車道の八代―人吉間(38.5km)は、IC区間距離が西日本の高速道路で最長だということをご存じでしたか? 1区間に存在するトンネル数も西日本一で、その数はなんと23本。連続するトンネルの案内標識には、上下線ともに「残り本数」を伝える形で通し番号が振ってあるのも豆知識です。

九州自動車道で最も長い「肥後トンネル」(下り線6340m)。案内標識にはトンネルの残り本数を表示(写真提供/NEXCO西日本)

2000年代初頭から、高速道路本線に加え、サービスエリアやパーキングエリアから一般道に出入りできるようにする、ETC専用のスマートIC(SIC)が普及し始めました。県内では現在、北熊本、城南、宇城氷川、人吉球磨の4つのSICが利用できます。人吉球磨SIC=人吉市浪床町=は、国土交通省の「高速道路一時退出実験」の対象になっており、道の駅人吉への一時退出が可能に。3時間以内に同SICから再進入すれば、高速道路を降りずに利用した場合と同じ料金になります。

人吉球磨スマートIC(写真提供/NEXCO西日本)

取材協力

西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)

https://corp.w-nexco.co.jp


北熊本サービスエリア

[Q]北熊本サービスエリア(下り線)には、NEXCO西日本管内の高速道路で初めて設置されたものがあります。それは次のうちどれ?

  • 3000冊のマンガが並ぶレストラン
  • ペットも入れる足湯
  • アスレチックコーナー
九州道初の歴史あるSA

北熊本サービスエリア(SA)=北区改寄町=は、九州自動車道の植木―熊本開通に合わせ1971年6月30日に開業した、九州自動車道初の歴史あるSAです。

北熊本SA(下り線)が2018年11月に導入した珍しいサービスの一つが、「3000冊のマンガが並ぶレストラン」。NEXCO西日本管内のSAで初めてマンガ棚を設置し、レストランを、食事だけでなくティータイムなど、くつろぎの時間にも利用してもらおうと始めたそうです。熊本にゆかりのある作家の作品から不朽の名作まで豊富にそろっています。

北熊本SAでは、太平燕や熊本ラーメンなどのご当地グルメが楽しめるほか、熊本ならではのお土産や「くまモン」グッズなども充実しています。上り線のイチ推しは、熊本銘菓「白玉屋新三郎プレミアムプリン」です。SAではここでしか買えません。一方、下り線のイチ推しは博多・やまやの新作「できたてめんたい」で、県内で取り扱うのはここだけです。

また、上り線では毎月、地域物産展を開催。北熊本SAは、滞在するひとときが思い出になるような新たな体験と感動を提案するSAを目指しています。

北熊本サービスエリア(SA)下り線はSAでは珍しい2階建て

上り線のイチ推し「白玉屋新三郎プレミアムプリン」5個入り・1540円。卵と砂糖のみでシンプルに作られた優しい味わいのプリン

下り線のイチ推し「できたてめんたい」150g・1680円。一度も冷凍していない、漬け上がったばかりのおいしさを味わえる逸品

取材協力

西日本高速道路サービス・ホールディングス株式会社

https://www.w-holdings.co.jp