【599号】白いのがいいねとあなたが言ったから 11月1日は灯台記念日

海を見守る灯台の記念日があるって知ってましたか? 日本初の西洋式灯台「観音埼灯台」(神奈川県横須賀市)が、明治元(1868)年11月1日に起工されたことにちなんで定められたとか。100年以上前の姿をとどめる灯台や大自然の中にたたずむ灯台など、県内の海の道しるべを紹介します。

熊本で見つけた灯台のある風景

岬の突端や断崖に立つ真っ白な姿は、凛とした“海の守り神”そのもの。海の男でなくても見ほれてしまう、熊本の灯台のある風景をご紹介します。

読者の皆さんへ

灯台までは地図にない道を歩くことが多く、草が茂っていたり、虫が出たりするので、訪れる場合は準備を整え、よく調べて行きましょう。


海の安全に欠かせない灯台

幕末、開国により外国船が寄港し始め、日本でも近代的な灯台の建設がスタート。大正・昭和には日本の船も世界各地へ向かうようになり、灯台などの航路標識で海の交通安全が守られてきました。

現在、県内には灯台などの航路標識が150基あり、年に1度の点検、整備は各地の海上保安部が担当しています。「海上からよく見える灯台は、実は陸からはアクセスしづらい場所にあることが多く、保守作業はけっこう大変なんですよ」と熊本海上保安部の吉村雄治さん。レーダーや無線、GPSなど観測技術が進んでも、灯台は美しい海の安全に欠かせない大切なものなのです。

[A]寺島灯台データ

■場所/宇城市三角町(寺島)
■初点灯/明治31年5月10日
■灯質/単せん白光 3秒ごとに1せん光
■実効光度/26カンデラ
■光の到達距離/3.5海里(約6.5km)
■塔高/11m
■灯高/10m

三角港の沖に立つ寺島灯台。明治期の石造り灯台は、裾を広げた美しいフォルムが印象的です(残念ながら船でしか行けません)


灯台の役割と種類

沿岸灯台

遠くから見えるよう、岬の突端や高い陸地に設置されるおなじみの灯台

照射灯

強い光で暗礁や防波堤などを照らし、船に危険な場所を知らせます

灯標・灯浮標

暗礁や浅瀬の場所を知らせる目印として海上に設置。灯浮標は航行コースを示す役割も

導灯・指向灯

入港する船のために、光(指向灯は3色)で安全なコースを示します

灯台のデータについて

■ 灯質/灯台が発する光の色と光のリズム
■ 実効光度/人間の目が感じる光の強さ(単位/カンデラ 1カンデラ≒ろうそく1本の光)
■ 光の到達距離/光が届く距離
■ 塔高/地上から塔頂までの高さ
■ 灯高/平均海面から灯台の光までの高さ

熊本の海を守るのは、長洲町から北部を「三池海上保安部」、南部は「熊本海上保安部」が担当。県内に設置される灯台も保守点検を行っています。

取材協力/熊本海上保安部、三池海上保安部

※公式HPあり。アクセスしてみて!


[Lighthouse 1]三池港灯台(みいけこうとうだい)

荒尾市大島

地元からは「四ツ山灯台」の愛称で親しまれる「三池港灯台」。石炭の積み出し船のために「三井鉱山」が設置した熊本唯一の大型灯台で、昭和28年に海上保安庁に移管されました。“こくんぞさん”で知られる「四山神社」に隣接し、広大な荒尾干潟を見下ろす眺望スポットにもなっています。

灯台データ

■初点灯/昭和26年12月20日
■灯質/単せん白光 5秒ごとに1せん光
■実効光度/3700カンデラ
■光の到達距離/12海里(約22km)
■塔高/15m
■灯高/66m

三池海上保安部提供

山頂にある「四山神社」まで車で行くことも可能。足腰に自信がある人は階段で


[Lighthouse 2] 住吉灯台(すみよしとうだい)

宇土市住吉町

あじさいの名所に立つ「住吉灯台」。この地は、江戸時代から高灯籠(たかどうろう)をともし、有明海から緑川へ入る船の目印となっていたとか。航海の守り神として建立された「住吉神社」が近くにあり、古来から海上交通の要衝であったことが分かります。

灯台データ

■初点灯/昭和8年12月4日
■灯質/群せん白光 6秒ごとに2せん光
■実効光度/390カンデラ
■光の到達距離/7.5海里(約14km)
■塔高/17m
■灯高/40m

灯台から眺望する風流(たわれ)島。「伊勢物語」や「枕草子」にも登場し、京都人にも知られる存在だったそう


[Lighthouse 3]湯島灯台(ゆしまとうだい)

上天草市大矢野町湯島

有明海に浮かぶ全周約4kmの小さな島・湯島。その西端に立つ灯台は、天草、島原を往来する船の見守りとして大正時代に設置されました。「100年以上たちますが、当時のままの姿を保っています」とガイドの渡邊和典さん。塔頂が丸いレトロな姿は、のんびりとした島のムードにぴったりです。“島民より猫が多い島・猫の島”として人気があり、灯台にも足跡やシルエットなどの猫モチーフが。この灯台に島の歴史や自然が凝縮されています。

灯台データ

■初点灯/大正5年12月1日
■灯質/単せん白光 3秒ごとに1せん光
■実効光度/3700カンデラ
■光の到達距離/12海里(約22km)
■塔高/12m
■灯高/39m

レトロな姿と猫柄モチーフが胸アツな湯島灯台。アプローチにも猫の足跡(肉球)が描かれています

天草四郎が談合したことから「談合島」とも呼ばれる湯島。灯台のほかにも、見どころがたくさんあります


湯島のグルメ!

海女ちゃん自慢の海の幸

現役海女さんの料理を味わえるお食事処。とれたての海の幸を味わえる「海女ちゃん定食」は、刺し身や丼、煮付け…何が出るかは来てからのお楽しみ!

海女ちゃん定食(おまかせ)1650円~


[Lighthouse 4]下大戸ノ鼻灯台(しもおうとのはなとうだい)

上天草市松島町阿村

地域の特色を表し、全国に40基設置される“デザイン灯台”。「下大戸ノ鼻灯台」は、キリシタン文化をイメージし、教会風のデザインが施されています。また、強い光で危険な場所を知らせる「照射灯」の役割を担っています。

灯台データ

■初点灯/昭和31年1月16日
■灯質/群せん白光 6秒ごとに2せん光
■実効光度/390カンデラ
■光の到達距離/7.5海里(約14km)
■塔高/20m
■灯高/45m


[Lighthouse 5]四季咲岬灯台(しきざきみさきとうだい)

天草郡苓北町富岡

富岡半島の突端にある四季咲岬。周辺は四季折々の花が楽しめる公園で、駐車場から続く遊歩道を10分ほど歩けば小さな灯台に到着します。ここからは雄大な東シナ海、対岸の長崎県の島影を一望でき、夕日の眺めも最高! 遊歩道は地元の方々が小まめに整備され、歩きやすいのも◎。

灯台データ

■初点灯/昭和26年3月19日
■灯質/単せん白光 4秒ごとに1せん光
■実効光度/3700カンデラ
■光の到達距離/12海里(約22km)
■塔高/8.4m
■灯高/56m

灯台からは水平線が続く大パノラマを一望できます


[Lighthouse 6]高浜灯台(たかはまとうだい)

天草市高浜

天草陶石の積出港であった高浜港に出入りする船の重要な目標として設置された「高浜灯台」。天草西海岸の絶景ポイント「十三仏公園」の展望所からも見ることができ、木々の間から白い塔のてっぺんが顔を出しています。灯台の周りは木々が押し迫るように生えているので、全景を眺めるなら展望所からがおすすめ。

灯台データ

■初点灯/昭和46年3月24日
■灯質/単せん白光 4秒ごとに1せん光
■実効光度/390カンデラ
■光の到達距離/7.5海里(約14km)
■塔高/9.3m
■灯高/66m