【443】地域への愛があふれています! 地元スーパーでお買い物
こぢんまりしていても使い勝手がいい地域のスーパー。店主のこだわりが前面に出た品ぞろえと、通ううちに顔なじみになる親近感が魅力です。大型店とはひと味違い、買い物の楽しさを感じられる、地元スーパーの「地元愛」あふれる店作りに触れてきました。
あれもこれもと買いたくなる 品ぞろえも秀逸なご当地スーパー
地域の人たちだけでなく、足を延ばして訪れる遠方の常連さんも多い地元スーパー。各店で”ゼヒモノ”の商品を探しました。
昔ながらの"商店"の雰囲気が漂う 持ちつ持たれつが心地いい
川尻のメインストリートに立つ『富士屋マーケット』。一目で見渡せるサイズのお店ですが、オープンキッチンで作られる総菜、量り売りの野菜、丁寧に下処理された鮮魚、地元ブランドの調味料など、カゴに入れたい商品が並びます。
驚いたのがお茶のサービス。出してくれたのが常連さんと聞いて、二度ビックリです。ベンチに座ってお茶を飲み、お客さん同士でおしゃべり…。そんな頬が緩む光景に出合えるのも地元スーパーならでは。「お客さんが接客してくれることもあって…」と笑う店長の岡本誠也さん。初めてでもすぐに仲間になれる雰囲気は、一度体験したら病みつきになりそうです。
スタッフとお客さんとで記念撮影
地元・川尻の『福原豆腐店』のごま豆腐280円(奥)とあげ156円(手前)。コレを目当てに買い物に来る常連さんも多いそうです
お総菜の人気は、水曜限定で登場する「まぜご飯の具」430円。卵焼きに入れても美味
高齢の常連さんが多いため、お茶を飲みながらゆっくり買い物ができる配慮も
海鮮丼からオリジナル焼酎まで 味にこだわる名物がめじろ押し
熊本市内から少し足を延ばして合志市御代志へ。地域に根付くスーパーは、元は野菜や肉の専門店というケースが多いのですが、『三河屋スーパー』の前身は酒屋さん。そのせいか、酒コーナーにはオリジナル焼酎やプレミアム銘柄が並び、お酒好きにはたまらない品ぞろえです。
店長の立山栄範さんがプッシュするのは、天草・下田の漁師直送の新鮮な地魚と、脂身がおいしいプリンセスポーク。また、お店でイチから作る煮物などの総菜類は、仕事帰りの奥さまに好評です。鮮魚売り場の名物は、ネタがぎっしりとのった海鮮丼やにぎりずし。おすすめのお酒とおすしを買えば、うまさもコスパも大満足な晩酌タイムに。
安くて新鮮な魚が並ぶ鮮魚コーナー。ランチや酒のさかなには、名物の「海鮮丼」540円や「海鮮巻」270円を
元プロ野球選手・伊東勤氏とコラボした焼酎「心ひとつ」1706円。1本につき200円が熊本地震の義援金に
オーナー所有の山で採れた栗を使った「栗だんご」3個600円。11月末まで販売
黙って買うより断然楽しい! 懐かしくて新鮮な対面販売
店の間口からはみ出すように並ぶ季節の野菜の数々。”昭和の商店”という雰囲気が漂う『誠晋グループ』は、出町で75年営む老舗のスーパー。「八百屋」のように見えますが、店の奥には鮮魚と精肉、壁の棚には調味料や日用品、果物、お菓子やパン…と、商品ラインアップはスーパーの要素をクリアしています。
常連さんのお目当ては、旬の野菜と魚介類。40年以上も市場に通う社長の田口誠さんと、鮮魚担当の兄・考一さんが、「いい物を安く」を信条に仕入れています。「黙って売るよりも楽しかけん」と対面販売にこだわり、調理のアドバイスをしてくれるのもうれしいもの。和気あいあいとした下町風情もこの店の名物です。
仕入れを担当するのは“目利き歴”40年を超える田口兄弟。おいしい食べ方や保存方法を教えてくれるのも対面販売の魅力です
「お店全部がお買い得」と社長が推す品々が並びます
創業時は鮮魚店ということもあり、魚介類も評判。「うま~か、うま~か」のポップにそそられます
みそ・しょうゆの種類も豊富
お店を見守り続ける店奥の神棚。熊本地震の時も倒れなかったとか
足を延ばす価値あり!! ココにもあるよ 地域愛あふれる地元スーパー
新店舗で老舗スーパーのこだわりを継続
愛マート
熊本地震で仮店舗での営業を余儀なくされた『愛マート』。10月23日に「熊本県青年会館」1階に新店舗を構え、水前寺の老舗スーパーの歴史を継続することに。朝ジメのタイやカンパチが人気の刺し身や、旬を先取りした野菜、彩りのいい総菜など、こだわりはそのままです。
社長イチオシの手作り総菜が人気!
ショッピング丸勢健軍店
熊本地震で被災し、昨年11月15日に新店舗で再開した『丸勢』。リニューアル後の目玉は、「おいしい物しか出さない」という総菜類。中でも「イモ天」は大人気だそう。水・土曜の特売日などのお買い得情報は、お店のFacebookや「トクバイアプリ」で発信しています。
多彩な催しで家族で楽しめるスーパーに
よかもんね益城店
野菜や肉に加え、加工品も上益城エリアで作られたものを中心にラインアップ。毎週水・土曜は「魚市」、月に1度の「復興市」などの特売のほか、家族で参加できるイベントも多彩。10月28日(日)には、スタッフも仮装するハロウィーンパーティー・仮装大会が開催されます。
おかえり企画の地元スーパー 2016年4月の幻特集も公開
その地域にしかない地元密着のスーパーの面白さを紹介したくて、すぱいす巻頭特集として取材をしたのは2016年の早春のこと。4月22日付の掲載に向けて、あとは印刷だけの段階で熊本地震が発生しました。そのため、22日付は休刊になり、取材先のスーパーも被災されたため、特集記事はお蔵入りになりました。
今回の特集で再び”地元スーパー”にスポットを当てることになり、幻の特集もWeb限定で公開。宝探しのような面白さがある地元スーパー。愛おしくてたまりません。
幻のお蔵入り特集
2016年4月22日付(313号)の巻頭を飾るはずだった「行こうよ! ご当地スーパー。」―。この特集の最終確認作業の途中で熊本地震が起きました。
結果、4月22日付のすぱいす313号は休刊となり、1週あけた4月29日付を「313号」とし、特別編成のすぱいすをお届けしました。
今回、同じ地元スーパーを取材した特集にもう一度取り組みました。この機に、お蔵入りとなってしまった4/22付すぱいす313号の巻頭特集も皆さんに見ていただけたらと思います。なお、掲載している情報は2年半前の熊本地震前のものですので、その点はご承知おきください。最新情報と間違えられないように、「幻」の透かしを入れています。(市)
★山鹿の「スーパーマーケットあらきや」さんは、10月31日をもって閉店されます。
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