【450号】生まれ変わった館内を大解剖 新しい熊本博物館へ Let’s go!
館内改装のため、平成27年7月から休館していた熊本博物館(中央区古京町)が、12月1日リニューアルオープンしました。熊本地震の影響もあり、予定より約1年遅れでの再開。国指定重要文化財の展示、新番組が始まったプラネタリウム、常設展示の一新と見どころ満載。パワーアップした館内を、学芸員さんの案内で、すぱ子さん、すぱ男さんと一緒にのぞいてみました。
熊本の記憶を未来に パワーアップして再開
1階で熊本の歴史と文化、2階で自然を学ぶ
新しくなった熊本博物館のテーマは「未来へつなぐ熊本の記憶」。1階では熊本で人々の生活が始まった旧石器時代から近・現代までの歴史と文化について、2階では5億年に及ぶ熊本の大地の生い立ちと身近な自然について、多くの資料を基に紹介されています。展示内容も一新! スペースも以前より広くなりました。
リニューアルの目玉は、熊本城の天守閣内に展示されていた国指定重要文化財「細川家舟屋形」のお目見え。さらに、人気のプラネタリウムでは、九州初投映という新番組「火星〜その先の宇宙 スペースエクスプロア」が始まり、こちらもパワーアップしています。
館内には、より理解が深まるようにと工夫された解説ポイントが至る所に。魅力あるミュージアムに変身した同館へ、さあ、出かけましょう!
案内してくれたのは
植物担当学芸員
山口瑞貴さん
「熊本の歴史・文化から自然まで、たくさんの資料を展示しています。発見、学び、ワクワクするような体験を探しに、新しく生まれ変わった博物館へぜひお越しください」
総合博物館だからできる “各分野の融合”の展示
熊本博物館には、地質、動物、植物、考古、歴史、民俗、理工、天文の8分野にわたる膨大な記録や記憶の蓄積があります。総合博物館だからできる特性を生かし、各分野のつながりを意識した展示が実現しています。
自然系
地質 岩石、化石、鉱物など
動物 哺乳類、魚類、昆虫など
植物 樹木、草花など
理工 実験、工作(子ども科学・ものづくり教室)など
天文 プラネタリウム、天体望遠鏡など
人文系
考古 土器、石器など
歴史 加藤氏、細川氏、西南戦争関連資料など
民族 昔の生活や道具、祭りなど
興味がわき理解も深まる仕掛けが!?
はっけんマーク
展示に関する学芸員さんからのお役立ち情報。お友達に自慢しよう!
はっけんスポット
この目印があるベンチに座ると、左手に備えられた館内マップで、“はっけんマーク”の位置を教えてくれます。
つながり解説
展示スペースにひょっこり現れる【つながり解説】。“つながりさん”が、学問の分野を超えてつながった、とっておきのトピックを解説してくれます。
1F 常設展示室
国指定重要文化財 細川家舟屋形 波奈之丸(なみなしまる)
「波奈之丸」とは、肥後細川藩の藩主が参勤交代の際に使用した御座船(ござぶね)で、海御座船としては国内で唯一現存。平成28〜29年にかけて舟屋形天井画の本格修理が行われ、同館へ移設。国指定重要文化財。
所蔵/永青文庫、管理団体/熊本市
全長約30mの波奈之丸には、随所に豪華な装飾が施されていました。「御座の間」の天井には、花草木や薬用植物の絵が色鮮やかに描かれています。
旧城下の町屋の様子
商人や職人が住む町屋は、店と住まいを兼ねた細長い構造になっていました。店の奥に行くほど、生活空間が広がります。
昭和初期の木造家屋を再現。当時の生活が「茶の間」の中で再現されています。
収蔵庫が丸見え!
貴重な資料が保管されている「収蔵庫」を、ガラス越しに見ることができます。
遺跡から発掘された縄文時代の土器。熊本の歴史の長さを感じます。
熊本地震後に新たに復元された鯱瓦のモデルとなった江戸期のもの。熊本博物館の新キャラクター「しゃちべえ」も、これをもとに誕生しました。
2F 常設展示室
がらりと雰囲気が変わる2階の自然展示室。積み木のように並んだ四角い箱の中には、さまざまな自然の不思議が詰まっています。次は自然エリアへGO!
地質展示エリアでは、県内最古の岩石から現在までの5億年に及ぶ熊本の大地の歴史が紹介されています。巨大なコウガゾウの全身骨格標本は圧巻。生物展示エリアには、多様性豊かな江津湖と金峰山を2大テーマに、身近な自然が展示されています。
アクリル樹脂で固めると、花や葉をそのままの色で保存できます。標本の仕方も多様。それぞれ特徴があって面白い!
プラネタリウム
360°のドームに 投映される宇宙の魅力
大人気のプラネタリウムも再開! 「一般投映」では、九州初となる新番組「火星〜その先の宇宙 スペースエクスプロア」を「今夜の星空解説」とともに投映(約50分間)。「ファミリーアワー」では、小さな子ども向けの「キラキラ森のなかまたち」(約40分間)を楽しめます。
170人収容。360°のプラネタリウムドームに美しい星空と迫力ある映像が映し出されます。
2F 県市連携展示室
未来へつなぐ熊本の記憶 より身近なものとして発見
熊本県博物館ネットワークセンターのコレクション約64万点のうち、えりすぐりの標本が展示されています。
ハナシノブやキスミレなど熊本の植物63点が並びます。
実験・工作室
実験や工作を楽しみながら、科学の原理や技術が学べる「子ども科学・ものづくり教室」。12月は毎週開催。詳細は同館HPで。
ミュージアムショップ
絵はがき、クリアファイル、文具類が並ぶショップが登場。図鑑、工作キットや同館のロゴ入りオリジナル商品も並びます。お土産や思い出に。
店舗情報
- 住所
- 熊本市中央区古京町3-2
- TEL
- 096-324-3500
- 店舗ホームページ
- https://kumamoto-city-museum.jp/
- 営業時間
- 開館時間/9時〜17時(入館は16時30分まで)
- 休業日
- 月曜(祝日の場合は翌日)、12/29〜1/3、保守点検期間など
- 料金
- 一般400円、高校・大学生300円、中学生以下200円 ※団体割引(30名以上)、年間入場券あり ※幼児、市内小・中学生は無料(名札か生徒手帳所持者)、障害者手帳または65歳以上の熊本市民で証明書をお持ちの方の入場料は無料
- プラネタリウム観覧料
- 一般200円、高校・大学生150円、中学生以下100円 ※団体割引(30名以上)あり
- 駐車場
- 専用駐車場はありません。近隣の三の丸駐車場(有料)などをご利用ください
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