【469号】「気軽にぷちトリップ」歴史・文学 ふるさと再発見!

予定がポッと空いた休みの日、どう過ごしていますか? 映画やドライブ、ショッピングもいいけど、ふるさとの歴史や文化を再発見できる"ぷちトリップ"はいかが? ちょっとした知的な旅気分が味わえる上に、すてきな景色や生き物などと出合えるかも!GWのお出かけにもおすすめです。

三の丸広場から熊本城内へ続く石畳。先は熊本博物館

くまもと文学・歴史館そばは川のせせらぎを聞きながら、整備された遊歩道を歩きます

【原道館跡】 歴史マップ[R.02]

【原道館跡】 歴史マップ[R.02]

幕末の肥後の思想家・林桜園(はやし・おうえん)の家塾跡。肥後勤王党や敬神党(神風連)に強い影響を与えました

【夏目漱石句碑】文学マップ[B.05]

【夏目漱石句碑】文学マップ[B.05]

【夏目漱石句碑】文学マップ[B.05] 明治29年、四国の松山中学から五高(現・熊本大学)の英語の教授として赴任し、4年間を熊本で過ごしました。五高生を指導する傍ら、余暇を利用して俳句を楽しんだそう

珍しい野鳥とも出合える江津湖は、まさにオアシス !

珍しい野鳥とも出合える江津湖は、まさにオアシス!


「歴史と新緑につつまれて」

普段、車で通り過ぎる場所や、たまに訪れることがある場所でも、周りに目を凝らしてみたり、ちょっと脇道に入ったりするだけで、新しい発見や出合いがあって、ワクワクするもの。熊本市内の熊本城と江津湖辺りへ"ぷちトリップ"! 歴史と文学を感じてきました。


熊本城北 歴史R.コース

(約3km、所有時間/ゆっくり約2時間30分)

偉人たちの足跡点在 石垣を眺めながら歩く

熊本城の東側にある髙橋公園や千葉城公園から、北側の夏目漱石が住んでいた内坪井町辺りは、熊本ゆかりの偉人たちの存在を感じられるエリア。そこから観音坂、龍迫谷坂を経由して三の丸方面に向かうと、美しい石垣を眺めながら城内に進めます。木陰でひと息ついたら、野球場脇からクスノキ群の自生地へ。新緑がまぶしい圧巻の大木群から、たくさんのパワーがもらえそうです。本丸や二の丸周辺とはひと味違った、静かな散策を楽しめました。

【髙橋公園】

熊本市の3大事業(市電開通、水道事業、軍隊の移転)に貢献した第7代市長・髙橋守雄氏の功績を記念して造られました。横井小楠と関わりがあった明治維新の英傑たちや谷干城(たにたてき)の銅像があります

〈銅像中央〉
橫井小楠…幕末の思想家。坂本龍馬や勝海舟らに影響を与えました
〈他右から〉
細川護久…維新後、知事に就任。小楠の実学の思想を県政に反映
松平春嶽(しゅんがく)…福井藩主。小楠を政治顧問に、新時代への変革を追求
勝海舟…天下で恐ろしい(すごい)人物の一人に小楠を挙げています
坂本龍馬…小楠を3度訪れ、日本の将来を論じ合いました

谷干城像

西南戦争時の熊本鎮台の司令長官


【宮本武蔵旧居跡】

細川忠利から客分として迎えられた剣豪・武蔵。千葉城跡の一角に屋敷を与えられました


【夏目漱石内坪井旧居】

在熊4年間に6度も引っ越しをした漱石の5番目の家。現在、庭園の一部が無料開放されています


【横井小楠生誕地と「清正公井」跡】

小楠が生まれた場所。「清正公井」と呼ばれる古井戸が残っていて、小楠の産湯もこの水を使ったと思われます


【宮部鼎蔵(ていぞう)旧居跡】

宮部は肥後勤王党の志士。京都・池田屋で倒幕の審議中、新撰組に襲われ自刃します。吉田松陰もここを訪れています


【龍迫谷坂(りゅうさこだにざか)】

龍が登れないくらい急な坂との言い伝えも。この辺りは武家屋敷があり、城の防衛拠点でした


美しい石垣に沿った遊歩道をゆっくりと歩けます。石垣の向こう側は細川刑部邸辺り。春は桜がきれいです


【三の丸広場】

木陰があり、ちょっとひと休み。遊具もあります


【藤崎台のクスノキ群】

藤崎八旛宮(中央区井川淵町)は、西南戦争で焼失するまでここに鎮座していました。樹齢約1000年と推定される7本のクスノキ群は、パワースポットにもなっています


「熊本の歴史をもっと知りたい!」なら…

【熊本博物館】

昨年12月にリニューアルオープン。熊本の歴史・文化・自然について紹介されています。肥後細川藩の藩主が参勤交代の際に使用した、国指定重要文化財「細川家舟屋形 波奈之丸(なみなしまる)」の展示やプラネタリウムなどがあり、家族で楽しめるスポットです。

店舗情報

熊本博物館

住所
熊本市中央区古京町3−2
TEL
096-324-3500
店舗ホームページ
https://kumamoto-city-museum.jp/
営業時間
開館時間/9時〜17時(入館は16時30分まで)
休業日
月曜(祝日の場合は翌日)※年末年始12/29(土)〜1/3(木)
料金
一般400円、大学・高校生300円、中学生以下200円 ※団体割引(30名以上)、年間入場券あり ※幼児、市内小・中学生は無料(名札か生徒手帳所持者)、障害者手帳または65歳以上の熊本市民で証明書をお持ちの方の入場料は無料
プラネタリウム観覧料
一般200円、大学・高校生150円、中学生以下100円 ※団体割引(30名以上)あり
駐車場
専用駐車場はありません。近隣の三の丸駐車場(有料)などをご利用ください

「水音を聞きながら文学散歩」

多くの文学者も訪れた 自然豊かな街のオアシス

熊本市民の憩いの場「江津湖」。周囲には遊歩道が整備され、多くの人が散歩やランニングを楽しんでいます。この遊歩道沿いに数多くの句碑や歌碑が点在しているのをご存じでしょうか。くまもと文学・歴史館の脇を流れる清流の水音に誘われながら進むと、すぐに高浜虚子の句碑が見つかります。少し小道を入ると芭蕉林があり、夏目漱石や中村汀女の句碑も。そこから動植物園近くまで10数基の文学碑がありました。多くの文学者が愛した江津湖は、野鳥や水生生物にも出合える自然豊かなスポットです。

(上)

(上)

(下)

(下)

【文学碑リスト】

B.01 いづこかにかすむ宵なりほのぼのと星の王子の影とかたちと 内藤濯
B.02 縦横(じゅうおう)に水のなかれや芭蕉林 高浜虚子
B.03 産卵の鯉の刎(は)ねをり江津朧(おぼろ) 阿部小壺
B.04 とゞまればあたりにふゆる蜻蛉(とんぼ)かな 中村汀女
B.05 ふるひ寄せて白魚崩れん許(ばか)りなり 夏目漱石
B.06 つゝじ咲く母の暮しに加はりし 中村汀女
B.07 音のよさまいっ時櫓で漕いでくれ 冨永兆吉
B.08 天霧(あまぎ)らひ雪降る湖(うみ)に寂(しず)かなる光はありて鴨ら相寄る 綴敏子
B.09 流れゆく水葱(なぎ)に照り添ひ江津の月 有働木母寺(もっぽじ)
B.10 蜻蛉(かげろう)に空あり人に汀(みぎわ)あり 藤崎久を
B.11 はなひらを幾重かさねて夜桜のあはれましろき花のくらやみ 安永蕗子
B.12 江津の田の靄(もや)うすうすと十三夜 志賀青研
B.13 ひるがへるときの大きさ夏つばめ 宗像夕野火

※読みは編集部

どんな作者か、ネットなどで調べながら歩くのも一興かも


江津湖 文学B.コース

(約3km、所有時間/ゆっくり約2時間)

【星の王子さま内藤濯(あろう)文学碑】

フランスの作家・サン=テグジュペリの有名な小説「Le Petit Prince」を、初めて「星の王子さま」と翻訳したのが、熊本市出身のフランス文学者で翻訳家の内藤濯です


【高浜虚子句碑】

俳人で小説家。正岡子規の没後、「ホトトギス」を主宰。熊本とも縁があり、2度目に熊本を訪れた際に、江津湖の芭蕉林を詠んだ句です


【中村汀女句碑】

熊本市出身の俳人で高浜虚子に師事。生家のそばの江津湖をこよなく愛し、江津湖にちなんだ句が多く残されています


【安永蕗子歌碑】

熊本市の歌人。角川短歌賞、現代短歌女流賞など数々の賞に輝いています。宮中歌会始の選者も務めました。書家でもあったそう


【スイゼンジノリ発生地】

スイゼンジノリは、国の天然記念物にも指定されている食用の淡水産藍藻(らんそう)類の一種。明治5年、オランダの植物学者スーリンガルによって世界に紹介されました。熊本藩から将軍家への献上品にも なった肥後の名産品。現在は、上江津湖の自生地でわずかに保護されています

遊歩道脇で、勢いよくあふれ出る湧水

遊歩道脇で、勢いよくあふれ出る湧水


キラキラ光る穏やかな水面を眺めながら、一句ひねってみませんか!

キラキラ光る穏やかな水面を眺めながら、一句ひねってみませんか!

終点は熊本市動植物園南口辺り。運が良ければゾウやキリンなど動物が見られるかも。あと1km弱歩けば、芝生が広がる広木公園!

終点は熊本市動植物園南口辺り。運が良ければゾウやキリンなど動物が見られるかも。あと1km弱歩けば、芝生が広がる広木公園!


「熊本ゆかりの近代文学について知りたい!」なら…

【くまもと文学・歴史館】

平成28年、熊本近代文学館をリニューアル。明治から現代までの熊本の近代文学の流れをつくった徳冨蘆花、小泉八雲、夏目漱石らの原稿や遺品などに加え、隣接の県立図書館所蔵の古文書や絵図などの歴史資料も展示されています。

店舗情報

くまもと文学・歴史館

住所
熊本市中央区出水2-5-1
TEL
096-384-5000
店舗ホームページ
http://www2.library.pref.kumamoto.jp/
営業時間
開館/9時30分〜17時15分
休業日
火曜(祝日の際は翌日)、最終金曜
料金
入館料/無料
備考
TEL:熊本県立図書館