書店員さんに、お薦めの本を紹介していただく「つんどく よんどく」を担当している、編集スタッフ咲です。

いつも紹介していただいてばかりでは何なので、私も子どもの頃から好きで好きでたまらない愛読書を紹介したいと思います。
 
 
その本は

「妖怪アパートの幽雅(ゆうが)な日常」 作:香月日輪(講談社)

全10巻の小学校高学年向けの児童文学です。
 
私がこの本に出合ったのは、小学5年生くらいの頃。
学校の図書室で見つけて、たちまちドはまり。
次の巻がでるのが楽しみでしかたなかったのをよく覚えています。

そして、ステイホーム期間中、久し振りに手に取ったこの本。
大人になった今でも十分面白い!!!
(小学生のとき、図書室でこの本を見つけた私!偉いぞ~!)
 
主人公は男子高校生。子どもの頃は“年上のお兄ちゃん”だった彼が、今では”ピュアでかわいい年下男子”にしか見えない!同じ本でも読み手の年齢が変われば、印象もぐっと変わるものですね~。
 

▲こちらは文庫版

さて、そろそろ本の紹介を。

「妖怪アパート」というと、一見ホラー小説のようですが、全く怖くありません。
もちろん、妖怪やら幽霊やらよく分からないものは、たくさん出てきますけどね。

主人公の稲葉夕士は13歳の時に、両親を事故で亡くして以来、親戚の家で暮らしていましたが、高校進学と同時に一人暮らしを始めます。そして、入居することになったのが人呼んで“妖怪アパート”。共同浴場は、地下洞窟にこんこんと湧く温泉。とてつもなくおいしい賄い付き。それでいて家賃は2万5千円と格安!ただし、お察しのようにいわゆる「訳あり物件」です。出ちゃうんですね~。アレが。
 
思春期に両親を亡くしたこともあり、人との関わりを強く持とうとしなかった夕士ですが、妖怪アパートで、幽霊、妖怪、そしてクセの強~い人間(たぶん)たちと生活していくことで、自分の中の常識が次々と壊され、次第に人として成長していきます。いい感じに大人らしくない大人たち(人とは限りません)がとっても魅力的。

そして、この本のもう一つの魅力! それは、とてつもなくおいしそうな賄い飯!!!!!

(あっ、賄を作っているのは手だけの幽霊るり子さんです。)
 
この本には、挿絵がないので、ご飯も文章で表現されているだけですが、読んでいるだけで、おなかがぐ~っと。
「いつか、るり子さんの料理を食べてみい!」と小学生ながらに思っていたわけです。
 
 
そして数年がたち・・・。

出ました! 「料理本!」

分かる、分かる。
やっぱり、この本を読んでいたら誰でも食べたくなるもんね~。
 
というわけで、本を参考に作ってみました!
 
(注1)るり子さんの料理をちゃんと再現できているかは、定かではありません。

(注2)よく見るとお皿が欠けていますが、ご愛嬌ということで。これがより“妖怪感”を出しているとも言えますよね。

豆腐と桜エビの和え物

桜エビとワカメのうまみを生かして、べったら漬けとゴマ油を加えるだけで、おいしい和え物に。まるで料亭の味!?

お酢でサッパリ牛肉のアスパラ巻き

疲労回復や血液サラサラに効果あり。こくとうまみを引き出すために、よく煮詰めたバルサミコ酢を使いました

ナスの山椒焼き

山椒の風味が食欲をそそります。お酒はもちろん、甘みそ味でご飯のおかずにもピッタリ!

おかか醤油たっぷりのお握り

炊きたてのうちに握ることと、手水の塩加減がポイント。ふわっと愛情をこめて握ります。霊的なパワーが宿っているお米は、物の怪たちにも大人気

るり子さん、クックパッドもやっているみたいなのでぜひ

こちらからアクセスできます

私も未熟者ながら、文字を書く仕事をしている身。
故・香月日輪さんのように、文字だけで人のおなかをすかせられるようになりたいと思う今日この頃です。